インド映画でちょっと休憩

インドに愛を込めて

NGK

 

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2019年公開

出演:スーリヤ

   サーイ・パッラヴィ

   ラクル・プリート・シン

監督:セルヴァラーガヴァン

言語:タミル語+英語字幕

媒体:スクリーン(イオンシネマ市川妙典スクリーン5)

 

あらすじ

高学歴でありながら高収入な暮らしを捨て、有機栽培農家の道を選んだNGKことナンダ・ゴーパーラン・クマラン(スーリヤ)。クマランは隠居した父、母、妻のギータ(サーイ・パッラヴィ)と共に暮らしていた。

クマランは有機栽培を推進するための計画を進めていたが、行政は願いを聞きいれるどころか話をするためにも長い間待たなければいけない状況だった。それはクマランだけではなく別の問題を抱える市民も同様だった。また、有機栽培により損害を被るため警戒した勢力によって、クマランたちの畑が焼かれる・家が襲撃されるなど、生活が脅かされてしまう。クマランは知り合いのつてで州議会議員(MLA)のパンディヤンに助けを借りる。パンディヤンの電話一本により事態は収束したが、クマランは自分がいくら掛け合っても相手さえされないのに対し、政治家であれば一言で人間を動かせる力を持っている事を知る。

パンディヤンはクマランを助けた代わりに見返りを求める。お礼として、彼は500人の支持者と共にパンディヤンの属する政党に加入することになった。母親は、政治の世界は墓場だと言い反対するが、ギータは政界に入るなら勝ち組になれとクマランを送り出す。

表向きは歓迎されるクマランだったが、その裏では冷たい扱いを受け、正義感だけでは渡っていけないことを悟る。彼を政界に誘ったギリや旧友のラージャーのアドバイスを受けたクマランはその"教育を受けた若者"としての頭脳を活かし、巧みな世渡りでパンディヤンの信頼を獲得する。さらには政党の政治戦略に乗り知名度も全国区で上げていく。しかしそれと同時に州首相(CM)は彼を危険人物とみなし、彼の命を狙うようになる。また、彼の敵はそれだけでは留まらず…。

 

いろいろ

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まずいつものごとく、好きな役者が出ている時点で映画は100点!って言ってしまう人間なので、まともな批評はできてないことをお許しください(すまんやで!)

 

政治の素人である主人公が、小さな立場からはどうにもならない権力に近づくために、「政治ゲーム」でのし上がっていくさまを描いた話。

…で、よいのかな。

自分の英語字幕理解力が及ばないのは確実にあるものの、意図的に濁した部分も確かにあって、それが、クマランという人物は”清廉潔白”ではない人物として捉えていーよって言ってるみたいでした。そう考えると全然勧善懲悪じゃないんだよな~この映画。監督にもし強い人物を描こうって気があったとしても、ヒーローらしいヒーローを描こうっていう気はなかったと思う。悪を潰していく間に善と悪の境目がなくなっていく『Badlapur』みたいなタイプかも。

やっぱりこの特殊な世界の中でプレイヤーである自分を巻きこんだり他者に巻き込まれたりしながら勝者を目指すっていう「政治ゲーム」っていう感じがしました。

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【ネタバレ】

(白文字にしたから反転してね。長いからスキップしたい人は枠の外までスクロールしてください

私は一度観ただけでは気が付かなかったんだけど、ファンクラブのツイート(監督は「憶測が飛び交っているように、色々なヒントが隠されてる、よく観たら見つけられる」って言ってて、それに対しファンクラブのアカウントが結末の説明を書いてる)の結末がやばすぎて。

(↑万が一ツイート消えちゃった用に結末の説明の画像はこちら→英語解説 )

これ、タミル人も一度では理解できない二重のストーリーになってて(一度で分かったら勘が鋭い方だよ…英語字幕ならなおさら…)。

つまり英語のをまとめると、

・NGKはとんだサイコパスだ

・私欲のために、家に居る両親を焼き殺させた

・妻も殺す予定だった

・そしてその同情で政敵を潰し、選挙に勝とうとした

・政治コンサルタントでNGKの浮気相手であるヴァナティが察知して妻は殺されなかった

・妻は無事だったが、両親は死ぬことになった

・NGKはそれを党幹部たちがNGKを攻撃したと思わせるような演説をした

・NGKの演説は民衆を煽らせ、結果的に党にいるNGKの邪魔になる人物を潰した

・NGKはこれをもって「政治」を手にいれた

ってことか…

 

あれ一回で気付いた人めっちゃすごい。私脳ミソ平和ボケだから無理だった。

それとスーリヤが善良であってほしいって思ってるせいでヤバそうな方向は完全に除外してた。

 

わたしはNGKが「もう見れなくなる可能性があるんだから僕の顔ちゃんと見といて」って言ったのは、てっきり自分が殺される可能性があるから言ったのかと思ってたけどむしろ逆だったのね。父さんも母さんも、奥さんもNGKの思惑には気が付かなかったと。奥さんはNGKが政治の世界に行ってから変わったって言ってたけど、全てを察知できるほどではなかったと。それかもしくは、「政治家の奥さん」ではあろうとしたから、夫ですら信用できない(そもそもNGKの浮気のせいで奥さんからNGKに対する信頼は0だった)と思ってなんらかの覚悟は済ませてたのか…。

 

NGKが両親を殺すってのはまさか、って思ってたけど、これは正解と思わざるを得ない。

 

NGKのナレーションの嘘。(ナレーションらしいナレーションではないけど)この話は彼が州首相になった後のインタビューとして構成されてて、ストーリーの語りがNGK本人。ということは物語自体にミスリード・印象操作もあり得る。だってNGKは選挙までに自分を演出しまくり、民衆を煽りまくり、そうやって支持を拡大してった人物だから、そのくらいお手の物…。

確かにNGKが被害者だとしたらふわっとした終わりで弱いっちゃ弱いし、農家から完全なサイコパスになったとしたほうが結末としてはちゃんとしてる。納得せざるを得ない。なんならあの『Kaadhal Kondein』『Pudhupettai』を作ったセルヴァラーガヴァン監督ならNGKが同情される被害者ではなく加害者になったとして描かれる結末のほうがしっくりくる。『Kaadhal Kondein』『Pudhupettai』も、そりゃーもうどっちもヒーローが出てくる物語とはかけ離れた地獄のような内容で、なんならトラウマ映画に分類したくなるほどで、『NGK』も地獄のような気分になるかもしれない…と覚悟を決めて観に行ったんですが、『Kaadhal Kondein』『Pudhupettai』な直接的なのとは違って別方向からぶん殴られた気分。スーリヤもその昔今ほどスターではない頃に出てた誰も幸せにならないストーリーの映画とはまた違う心臓に悪い感じ。

 

こわい

 

これ政治ものというジャンルに身を置きつつ、中身はサイコパススリラー!?

スーリヤのようなスターの立ち位置の政治ものなら「正しくあろうぜ」「世の中よくしていこうぜ」みたいなメッセージを主人公が担うことが多いけど、NGKは最初こそ意思はあったとしても最後には「民衆の代弁者」的な要素は消えてた。州首相になったときどういう政治をするのか…。スーリヤって案外今までヒーローらしいヒーローの役少ない、そこが演技派って言われるところの一つであるんかなって思った。

 

それでも分からないところは多くて、

どこからどこまで自分の計画?党のリーダーたちと計画して最後に出し抜いた?もしくはリーダーたちの計画を逆手にとってた(自分の命の危機を逆手に取るのはクライマックスが初めてじゃないし)?党のリーダーたちはロケバス(控え室みたいなバス)にいたとき暴動が起きるまで気付いてなかった? 奥さんはそのあと一緒にいたけど危険ではない?計画が終わったから大丈夫なん?

 

やばない?????????考えたらいろいろごちゃごちゃしてきた…。

裏があるストーリーは英語字幕じゃむずかしいわ!私深読みって行為できないしヒントもよく拾い損ねるし、ストレートな話じゃないとその映画の醍醐味を全部汲み取れないわ!

 

っていうかこの映画こわい!!!!!監督またトラウマにしやがった!

ネタバレ終了

 

政治ゲームの部分、結構楽しかったです。楽しかったというか興味深かったというか。他人の穴をつついて攻撃をしかけたり、彼らが自らを演出して大層なドラマに仕立て上げたり。主人公たちですら皮肉の対象になってて、どこか冷めた視点がありました。斜に構えるよう促されてる感じ。これ普段は主人公に向ける目線じゃなくて悪役に向ける視線なのでは…。

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↑予告に出てきたこのシーン、ストーリーに乗っかるとイメージが変わった

 

そもそもインドの行政とか政治とか社会システムは"外"の人間には難しくて。

今わりとホットなネタとして観る機会は増えたものの、いくつ観ても未だにちょっと理解が及ばない…ってことで、脳内で「たぶんこうなんだろうな」って辻褄合わせしながら観ました。*1

…ということでそこそこ大変な内容ではあるかも。

 

今回字幕に大臣ワードが多かったから今復習がてらまとめてみました。観る前なら予習になるかも。NGKを観るにしても観ないにしても、インド映画観る上で知っておくと損ではない政治ワードでもある。

  • CM=州首相(Chief Minister)
  • MLA=州議会議員(Member of the Legislative Assembly)
  • Minister=州大臣
  • Health Minister=厚生大臣 

この辺が『NGK』に出てきたかな。他にも出てきたと思うけど

あと『NGK』の中で(正確な名前は失念したけど)MMKだかMKKみたいな名前が出てきましたが、あれは政党名。

州における表向きな代表は州知事(Governor)だけど、この人は大統領から選任された人で、地元民の支持ではなくて、映画だといかにもよそ者っぽい人で描かれてる事が多いです(タミルのお偉方の1人に北にルーツがありそうな人がいたりとか)。実際に権限を持ってるのは州首相で、こっちの人の方がお話にぐいぐい入ってくる事が多いかな~。*2 『NGK』だと州首相が出てたけど州知事は見当たらなかった気がする。

あと多分『NGK』で出てこなかったからおまけだけど、

IPSはインド警察職を指してます。行政職はIAS、森林職はIFS、それらをひっくるめた公務職はAIS。

 

 

 

 

スーリヤは超セクシーでした。

パツンパツンのTシャツを着ているので、分厚い胸板が超目立つ…巨乳か。

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クマランは、ドーティ(Vetti)着用政治家モードと、農家のカジュアルモードが主なスタイル。ポスターだとエリートっぽいスーツ姿があったんだけど、1回観た限りでは確認できませんでした。

アクションは"便器は割られるためにある"とTOTOが泣きそうなトイレアクションと、野菜を切るように市場で人をサクサク切るアクションが印象的。もう~刺されるわ刺すわって感じに…。小型ナイフだから鎌とか日本刀より動きが細かくて俊敏で。人一人倒すのにナイフ5回サクサク言わせてたりとか。最近地響きするくらいの重量系アクションがツボだったんだけど、こういうサクサク系もいいっすね(なんやサクサク系って…)

アクションシーン多くはない割に血の気は多かったイメージが残りました。血の気多いの好きな人は是非。

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ラクル・プリート・シンと踊ってる曲「Anbae Peranbae」はイケメン度が振り切れてて、というか超私好みな顔で、私むっつりスケベなのでニヤッとしてしまうくらいで済みましたがもしリアクションでかい人間だったら悲鳴上げてたかも。脳内で満点の札めっちゃ挙げてました。もっと細かく「髭のここの形がね!他のシーンと違っててですね!!」…って説明したいんだけど、今用意できる写真がないのであった…つらい。

 

サーイ・パッラヴィはダンスの名手なんだから1曲くらい踊ってほしかったかなー。でもダンスだけじゃないっていう役ならそれはそれでいっか(ポジティブに生きたい)。とてもお鼻が利く奥さん(観たらわかる)。

ラクル・プリート・シンは。政党のイメージ戦略を担当する超エリートウーマンという役どころ。普段は生真面目スーツみたいな格好だけどダンスの時シックなサリーでセクシーでした。

ダブルヒロインどちらも好きな役者さんなので嬉しかったです。

比べると結構違うタイプだね

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またスーリヤと共演してほしいなー♪

 

 

 

リンク

本編で使われてないシーンもあったな

 

ダンスシーンはアップされたら差し替え予定

とりあえず歌詞動画

 

「Thimiranumda」自己紹介ソング

 

「Pothachaalum」このシーン面白かったな

 

「Anbae Peranbae」NGKの中で一番ヒットしてる曲

あとスーリヤが一番セクシーな顔してた

 

ネタバレリンク

@elza_genetさんの伏せ字ツイート | fusetter(ふせったー)

 

 

 

 

*1:そもそも政治ものが難しい理由としては、政治システムを知らないとか、大臣とか議員とか色んな立場の政治家が出てきて誰が誰やらとか、理解が及ぶ前に状況がめまぐるしく変化するとか。

*2:たまに州首相とバチバチやってる登場人物として州知事が出てくることもあるかな…。