2016年公開
出演:シャーヒド・カプール(トミー・シン)
アーリヤー・バット(少女)
ディルジート・ドーサンジ(サルタージ・シン)
カリーナー・カプール(プリート・サーニ)
監督:アビシェーク・チョーベイ
言語:ヒンディー語・パンジャーブ語+英語字幕
時間:149分
媒体:DVD
インド北西部のパンジャーブ州で社会問題となっている麻薬をテーマにしたドラマ。メインキャストのイメチェンレベルのルックスや、検閲問題で話題にもなりました。
※検閲問題については、こちらの記事が詳しいです。→CBFC vs 映画界 | バハードゥルシャー勝(まさる)
あらすじ
ロンドン生まれの”ガブル”ことトミー・シン(シャーヒド・カプール)は、パンジャーブ州のロックスター。彼の曲は若者に人気があったが、薬物を礼賛する過激なものであった。麻薬が大きな問題となっているパンジャーブで彼の曲や行動は若者に悪影響であるとして、トミー・シンは逮捕されることになった。
ビハール州から移住してきた少女(アーリヤー・バット)はホッケー選手を目指していたが、やんごとなき理由により夢をあきらめなければならなかった。彼女は農家での仕事を始めたが、ある夜ひょんなことから3kgものヘロインを手に入れる。
パンジャーブ州の下っ端警官サルタージ(ディルジート・ドーサンジ)は、押収した麻薬を横流しするようなズルい警官であったが、自身の弟が麻薬中毒で命の危険にさらされたことから、組織レベルで動いている麻薬の世界を暴くための行動をはじめる。また、サトラージの弟が入所した麻薬リハビリ施設で働く医師のプリート(カリーナー・カプール)は、サトラージに協力するようになる。
いろいろ
がっつり絡む人たちがいれば全く接触しない人もいるという、それぞれのストーリーがゆるく繋がる群像劇のようなお話。
予告編からコメディーっぽいものを感じ取ったんですが、本編は全然コメディーではなく。強いて言うならシニカルな笑いがあるくらいかな? 不思議な雰囲気やハッとさせられるシーンはあるものの、麻薬を”問題”として扱っているせいか全体的にはシリアスなつくりでした。
↑こちらは一番の不思議キャラ、トミーさん。
それぞれのストーリーがテーマの軸で支えられててしっかりしています。
キャラクター達の「あ!ここで繋がるのねw」みたいな小さなリンクがちょっとおもしろいです。ストーリーがすごく動きだしたりとか唸るような大どんでん返しはないけれど、ハラハラしたり、最後まで先の読めない展開があったりと、飽きることなく観れました。
こういうのがテーマの映画って、喜劇になるか悲劇になるか鬱エンドになるかハッピーエンドになるかが製作側の趣味嗜好で180度違うことありますよね。最後まで読めないのも面白いところです。
最後といえばエンドクレジット流れるかな~ってところの音が印象的(ネタバレではないです)。
話題になったシャーヒドとアーリヤーのルックスは、映画観る前に散々見慣れてしまったから、いざ本編となるとそんなに強い印象はなくw
シャーヒドなんてロン毛スタイルの画像1年前くらいから流れてたからw 確かに最初見た時は「次これかよ!マジかよ!」って言ってしまうほどびっくりしましたがw
知ってからすぐとか全然知らずにとかで観てたらインパクトはあったかもですね~。
シャーヒド演じるトミーはヤク中ということもあり、ちょっとラリった突拍子もない行動をするキャラクター。そんな彼のシーンではこの辺りがお気に入り↓
https://www.instagram.com/p/BI9P05pB6Sc/ (キャストのお兄さんのインスタ。)
以下詳細ちょっとネタバレになるので、テキストの色変えて書きますね(反転で読めます。映画を見た後にどうぞ。)
ネタバレ開始--------------
アーリヤ演じる少女と出会って一緒に隠れてる間に彼女から影響を受けたトミーが、翌日目覚めた後「俺、あいつ助けに行かなきゃ!」ってなるシーン。
いとこ(だっけ?)が「おまえ夢物語のヒーローみたいなことばっか言ってんじゃねえ。勝手にやってろ。もうついて行けねえ!」(GABRUシャツ脱ぎ脱ぎ)って言って、それはすごくごもっとも!なんだけど、少し子供みたいにやる気になって少女を救いに行こうとするトミーがなんだか愛おしい!その先でゴアの看板を見つける、っていうベタで想像しやすいフラグと、ほんとに救いだせちゃう展開は、全体的に殺伐とした話の中にあるリアルとおとぎ話の狭間のようなフワっとした空気を出していて好きだなぁ。
-----------ネタバレ終わり
アーリヤーの方はこの今のキャリアである意味ヨゴレ役やるとはすごいな!って思いました。女優魂を感じますね!
↑メイクアップならぬメイクダウン
カリーナとディルジートはほぼセット。
カリーナはいつも通りというか医者役が似合いすぎて。女優になってなかったら医者だったかもねレベル。
ディルジートはこれがヒンディー映画デビュー…と映画のクレジットに書いてありました。デビューといってもアーリヤーよりキャリアがあり、パンジャーブ映画界ではけっこうな人気がある模様。私も数年前に1作観たことがあります。ヒンディー映画次回作はアヌシュカー・シャルマーとの『Phillauri』だそうです。
2人のストーリーではサルタージ(ディルジート)の首に”あるモノ”が刺さってるシーンがじわじわきますw
パンジャーブ州って麻薬問題が深刻だそうですね。
この映画をきっかけに初めて知りました。
インド人でもニュースを日ごろ見る機会がない層は映画で社会問題を知ることも少なくない、と聞いたことがあるけど、これもその例になるのでしょうか?
薬物の名前がしょっちゅう出てくるので、英語名を知ってないと混乱するかも。
出てきたやつでとりあえず覚えてるやつだけ↓
ヘロイン=heroin
アヘン=opium
2つだけしか覚えてないw
近年の有名なパンジャーブものはノリノリなバングラ音楽と同じく明るいタイプのものが多く、比較的明るいイメージが強かったパンジャーブ地方。今回の麻薬のような負の部分を前面に押し出した映画としては、一見の価値ありだと思います。国の命運を背負ったようなキャラクターはいなくても、それぞれの”この先”が気になるストーリーが揃っていて、目が離せません。メインキャラクター4人のパフォーマンスもよし。気になった方は是非観てください。
リンク
掴みはコレで!「Chitta Ve」
これはやっぱりというか本編に出てきませんでした
「Ud-daa Punjab」
「Da Da Dasse」この曲流れてたかな~覚えてないw
今日のメモ
その1 ”メリー・ジェーン”はマリファナの別称
その2 シャーヒドの弟君がパーティーシーンにガッツリ出演
こちらもあわせてどうぞ
ディルジート・ドーサンジのパンジャーブ映画↓
シャーヒド×パンジャーブは縁が深いんです、な3本