インド映画でちょっと休憩

インドに愛を込めて

Ek Tha Tiger/タイガー 伝説のスパイ

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2012年作品

出演:サルマン・カーン(タイガー)

   カトリーナ・カイフ(ゾヤ)

   ランヴィール・ショーレイ(ゴーピー)

字幕:日本語字幕(映画館鑑賞)

時間:132分

 

もしや『ミモラ~心のままに』以来のサルマン日本公開作品?ひゃ~10年以上ぶり!

あの頃とは顔つきもすっかり変わってしまわれた…ww

 

あらすじ

インド諜報局RAWのスパイ、タイガー(サルマン・カーン)は、敵国パキスタンに寝返った裏切り者の元同僚を始末する。しかし、次のミッションのため向かったダブリンでパキスタンの女性スパイ(カトリーナ・カイフ)に出会い、恋をしてしまう。敵同士だった2人は手を携えて逃亡し、それぞれの祖国に追われながら愛を貫こうとするが…。

 

いろいろ

原題『Ek Tha Tiger』は「タイガーがいた」的な意味。

先に3作品公開されたボリウッド4、『命ある限り』 『闇の帝王DONベルリン強奪作戦』『タイガー伝説のスパイ』ですが、一番好きになったのはこの映画でした。

ですのでちょっと贔屓目のレビューになることをお許しください。

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ぴょーーーーん

 

まず、ジャンルとしてはアクションになるのでそちらから。

こんなにキレイに煙草が舞う映画はみたことありません。なんつってw

アクションは一級品と言っていいでしょう。かなり楽しめました。アクション優等生のハリウッドにかなり追い付いていると思います。

『DDLJ』の殴ってないのに音がするアクションシーンから早17年。インド映画もここまで成長しました!(DDLJは恋愛映画なので仕方ないですがw)

タイガーより前の時期、インドのアクションシーンはスローが多用されてて(例:『Dhoom:2』 『Tashan』)「インド人どんだけスローモーション好きなんだよ!」とツッコんだ記憶があります。まー、タイガーもスローあるんですが、多いのはタイガー初登場シーンくらいで、あとは思い出せないくらいには抑えられてます。(ちなみにスローモーションアクションは南インドテイストらしい)

「インドの007」と書いてありますが、スパイっぽさは過度に期待してはいけません。前半こそスパイですが、後半はスパイを辞めて愛の逃避行(笑)なので。中盤も上司に「殺人禁止令」(←どんだけ~)を出されておとなしめです。

 

『007スカイフォール』は143分、『タイガー』は132分と、実はあのスパイ映画の代表作より短いんです!

インド映画は長いを覚悟して行った人には「カットされてるのかな?」と不思議に思ってる人もいたようです。

大丈夫!「ロボット」の様なカットはありません!

長いんでしょ?と敬遠する友達が居ても誘えます!インド映画を避けてももう逃げられません!

個人的には長くても全然平気ですがww

(注:ハリウッド映画と比較すると、こいつハリウッド嫌いか…と勘違いされがちなんですが、私ハリウッド映画好きです。)

 

舞台は他のスパイ映画さながら、イラク、インド、タブリン、イスタンブール、キューバ等々…。あとモロッコっぽいところとかも。

私、中東大好き!人間なので(大学の専攻も中東でした…)これはうれしい…完全に個人的趣味ww

逆にインドっぽいのを味わいたい人は物足りないかも。インド風結婚式は出てこないし、インドのシーンはタイガーの出勤シーンくらい?『闇の帝王DON』よりインド風味付いてる程度ですかね。

 

監督はカビール・カーン。

今まで『Kabul Express』ではアフガニスタン、『New York』では9.11と、世界情勢に訴えかける作品を作ってきました。

今回『タイガー』は娯楽寄りの作品になっていますが、節々から感じるメッセージはインド・パキスタンの和平。

監督は今までも、これからも色々な形でメッセージ性のある映画と作っていく監督だと思います。

 

主演のサルマン・カーン

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 サルマンっぽさ(←って何だw)満点。

有能だけど恋愛慣れしてないおっちゃんスパイで、カトちゃんに「イモ」って言われてます。イモww

サルマン・カーンは、インドの人気俳優3大カーンの一人(他は『きっと、うまくいく』のアーミル・カーン、『命ある限り』etcのシャールク・カーン)で、アクション等娯楽性の高い作品が多いので3人の中だと一番軽く扱われる人ですが、インド庶民の間だと断トツにサルマン・カーンが人気!

 

ヒロインのカトリーナ・カイフ(勝手に通称カトちゃん)

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 この映画が「インド版007」なら、さしあたってはボンドガールみたいな感じ?

前半は役柄のせいもあり、抑え目です。

この映画の弱いところといえば、2人の恋愛シーンでしょうか。サルマン側の心情は音楽(「Banjaara」)も用意されていてまあまあしっかり描かれてるんですが、カトちゃんの方はほぼそういう描写がないです。この映画の弱いところはそこかな?こってりなインド映画っぽくないかも。イチャイチャも少ないです。

後半はアクションでぐいぐい行きますよ~さすが元彼サルマンとの共演、息が合ってますww

 

観た後テーマソングを聴くともうアドレナリンでまくりです!

例えば、『ミッション・インポッシブル』『007』のテーマソングって聞くだけで映画を見てる時みたいに興奮してきませんか?あんな感じですw

イチオシは「Tiger's Theme」「Mashallah(=イスラム的決まり文句で、良い事があった後等に使う「神の思し召し」のような意味)」。

「Mashallah」は日本語訳も雰囲気に合っていておもしろいです。

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↑Mashallahのワンカット

 

リンク

メインソングはアップテンポ3曲、しっとり1曲、テーマ曲。 ロケ地のテイストも混ざってます

 

「Mashallah」カトちゃんえろすぎ。モロッコテイスト。

「Saiyaara」しっとりはこちら