インド映画でちょっと休憩

インドに愛を込めて

あなたが勘違いしてるかもしれないインド映画

Twitter見てると、インド映画に関しての勘違いが散見されるのでまとめてみました。

いや、輸入盤DVDに手を出しちゃってるそこのあなたは多分大丈夫だと思います。

 

①ボリウッド≠インド映画

ボリウッドは大雑把にいうとムンバイ(ボンベイ)中心に制作されるヒンディー語映画です。

『ムトゥ 踊るマハラジャ』に代表されるラジニカーント主演の映画はタミル語です。タミル語圏の映画はコリウッドと呼ばれることもあります。

たまにタミル語圏からヒンディー語映画に進出する俳優もいますが、同じ国といえども基本的に民族的・文化的に違うので土俵がちがいます。シャー・ルク・カーンとラジニカーントを比べる…というのは難しいです。大阪のローカル俳優と関東のローカル俳優(居るのか?)を比べるようなものです。

ちなみにどちらもその土地の個性にあふれた映画になっています。見慣れれば違いも分かるし、ボリウッドが南のスタイルをマネしているときも「あ、コレ南っぽいな」とわかったりもします。

ヒンディー語・タミル語以外にもテルグ語、カンナダ語、マラーティー語、ベンガル語映画もあります。風味が一つずつ違うので見比べてみるのもいいかもしれません。

インド映画はまだまだ日本のメディアが知識を持ってないので、あっさり間違った情報を提供していたりします。普段インド映画に触れない映画評論家のあっさりブログで間違えていたりします。情報に保障がないWikipediaの方がまだ正しいときもあります。正しい情報はインドに関する専門的なサイトを持った方々がいらっしゃいますので、そちらの方が俄然参考になります。興味を持った方は色々読んでみてください。

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↑参考:テルグ語・タミル語圏映画から進出してきた女優Asin。

 

②ずっと踊ってないです

凝り固まったイメージが15年近く蔓延しすぎたせいで、「インド映画=最初から最後まで踊ってる」と思っている方が多くいらっしゃいます。

いや、そんなずっと踊ってないですから。

『きっと、うまくいく』をそういったイメージをもったまま観に行った方は、メインのダンスシーンが2曲ということに「あれ、インド映画っぽくないなぁ」と思うかもしれません。でも、『きっと、うまくいく』は普通にインド映画らしいインド映画です。

日本人に強烈なインパクトを残した『ムトゥ踊るマハラジャ』ですらずっと歌って踊ってではありません。歌ってないシーンの方が多いです。しっかりストーリーが存在しますし、メッセージも込められているすばらしい映画です。

ちなみにダンスシーンがない娯楽映画も増えてきています。『マダム・イン・ニューヨーク』『女神は二度微笑む』『バルフィ!人生に唄えば』はどれも評価が高い作品です。

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 ③実は俳優・女優さんは歌ってません

歌やダンスのシーン、踊りながら口を動かしているので俳優さんたちが歌っていると勘違いしてしまうと思いますが、実は専門の歌手(プレイバックシンガー)が居て、その人たちが声をあてています。

なので、ハスキーな声の女優さんが歌いだすと超高音美声ということもザラにありました。今は歌手の方も低い声が多くなってきてそんな違和感も少ないんですが。

 

④太ったオッサンばかりではありません

ラジニが濃いので非イケメンのオッサンがなぜかヒーロー役…と考えている方、こちらのランキングをご覧ください。完全にブログ主の趣味ではありますが、イケメンな主役もゴロゴロいます。オッサンばかりではありません。南インドもイケメンがゴロゴロいます。テルグ・タミル・ヒンディー語映画とマルチに活躍するSiddharth君は濃い顔だちながらもとてもかわいらしいお顔です。かわいらしいとか言ったら本人に失礼かもしれませんが。

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↑参考:Siddharth君

 

⑤ダンスはセックスシーンの揶揄ではありません

違います。たしかにインドは日本やアメリカに比べてキスシーンとセクシーなシーンは少ないですが、存在します。もちろん普通の映画でそういうシーンもあります。そういうシーンにはインド基準に沿った年齢制限がかけられます。ハリウッドでもアメリカ基準の年齢制限がかけられるのでインドに限った特別なことではありません。

男女が恋愛感情を持った時にダンスシーンが入るのはよくあることですが、あれはセクシャルなシーンの代わりというより、主人公達の気持ちの代弁のようなものです。踊る文化のない日本人には異質に感じるかもしれませんが、ただ単に「すきだ」というより、体いっぱい声いっぱいに踊って歌って表現したほうがより映画としてわかりやすいし観客の方も入り込みやすいのです。

 

⑥法律で9つの感情「ナヴァラサ」を入れないといけないとは決まってません。

そんな国嫌です。

この間違いはインド映画に興味を持ち出した人が、聞きかじった勘違いですが、これは冗談です。

ナヴァラサはインド映画の文法として存在はします。多くの映画がこれに沿って作られていますが、無い場合もあります。

 

⑦法律でハッピーエンドにしないといけないとは決まっていません。

むしろ何でこんな間違いが起こるのかわかりません。「インドだからあると思って」とか意味が分かりません。インドだから何でもアリ?いやいや違うでしょう。インドだって普通の人が普通に暮らしてますから。インドのイメージを飛躍させすぎです。悪役が主役の映画だってあります。ハッピーエンドが人によって解釈が違ってしまう映画だってあります。もともとハッピーエンドって人によって解釈違いますからね。敵・ライバル役に感情移入してしまえばハッピーエンドもバッドエンドですからね。

 

⑧インド映画は長すぎる?

確かにインド映画は3時間超えのも多いです。2時間半以上はよくあります。

忙しい合間を縫って見に行く人にはつらいときもあるかもしれません。休憩なしの日本の映画館じゃ腰はいたくなるしトイレを気にして飲み物にも気を付けないとってなるので、慣れない人にとってはつらいかもしれません。

ですがハリウッドも普通に長い映画は存在します。ディズニー映画は大体90分くらいですが、007シリーズは2時間超えです。タイタニックも、ロードオブザリングも。インド映画『タイガー 伝説のスパイ』は007より10分短いです。

ハリウッド映画はそんなこと気にしないで見に行くのに、インド映画になったら途端に気にしだすのは変ですよね。

 

 

⑨『スラムドッグ$ミリオネア』はインド映画ではありません。

『スラムドッグ~』のなかなか良い映画です。アカデミー賞獲っただけあります。あの映画はイギリス人監督ダニー・ボイルの映画です。スタッフにインド人が協力はありますが、イギリス映画です。インドを舞台にしてるので、内容に関してはインドから反発もありました。

最後に踊るので余計インド映画に見えたと思います。あのダンスで興ざめ…という方もよくいます。それはとても残念です。あれはただインド映画をまねたのではなく、オマージュです。敬愛をこめてあのエンディングを入れたのです。

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さいごに

誰が言ったかわからない余計な知識を増やす前に、多くのインド映画に触れてみた方が何倍も楽しいです。 その中でわからなかった事、知りたくなった事を補足していけばいいんじゃないでしょうか? 『きっと、うまくいく』以外にも面白い・楽しい映画はたくさんあります。是非とも見てください。