インド映画でちょっと休憩

インドに愛を込めて

プレイバックシンガーとインド諸言語問題

すげーおカタいタイトルで始めてみました。

「問題」と書きましたがぜんぜん問題扱ってません。いつも通り好きに書きましたw 

 

このまえこんなことを考えてまして。

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どこで聞いた話か忘れちゃったんですけどね。

ドキュメンタリーだったかな。

そもそのそれをふと思い出したきっかけはまたもやスーリヤの兄ちゃんのせいで

歌ってるのがArjun Chandyなんですが、インド系アメリカ人らしいっす。この辺はWikipediaを読んでもらえばわかることなんですけど、A.R.ラフマーンと繋がりがあるらしく「24 CARAT」(映画は『24』)の他にもA.R.ラフマーンが音楽を担当した『Tamasha』で歌の出演歴があり。ほうほう、マルチに歌えちゃうお人なのねぇ~って、そいえばプレイバックシンガーって俳優以上にマルチな言語世界だったような…って平日の朝っぱらから考えてツイートした次第です。

『Tamasha』で歌ってるやつはこれ「Tu Koi Aur Hai」(Youtube) メインの声はArjun ChandyじゃなくてA.R.ラフマーンかなw

 

そもそもプレイバックシンガーって何ぞや?って説明

プレイバックシンガー(英: Playback singer)とは映画で使われる歌を事前にレコーディングする歌手である。俳優、女優は映画撮影の際に、プレイバックシンガーの歌うサウンドトラックに合わせて口パクで演じる。主にインドで発達した手法である。 ハリウッドや他の映画業界でも口パクが行われることはあるが、俳優のための吹き替え歌手が注目を浴び有名になるのはインド特有の現象である。-wikipedia

『マイ・フェア・レディ』のオードリー・ヘプバーンの歌はマーニ・ニクソンが歌ってたとかそういう感じのがインド映画では普通のことである、ってイメージです。100%別の人で俳優は一切歌わない、ってわけじゃないですが、でも俳優が歌うとなると話題性のひとつとして扱われるくらいの頻度の少なさです。

ちなみに最近本人が歌ったやついくつかリンク貼っときます

『Humpty Sharma Ki Dulhania』より「Samjhawan(Unplugged)」

歌:ヒロイン役アーリヤー・バット

『Dil Dhadakne Do』より「Dil Dhadakne Do」

歌:プリヤンカー・チョープラー、ファルハーン・アクタル

本題じゃないのでこの辺でストップw

 

言語ごとに映画が作られるのが当たり前なインドなら、歌も言語ごとに作られるのも普通の事でありまして、でも(ほぼ) 単一言語な日本からみたらそれはそれは興味深い事じゃありません?

最近公開された『FAN』で、こんな動画が一気にアップロードされました。

1本目本家ヒンディー語版と、そのあとは各地方の言語で歌われる「Jabra」。

2本目はタミル語、3本目はオリヤー語。オリヤー語の文字めっちゃ可愛くないですか?

そのほかにも、テルグ語(タミル語と同じナーカ―シュ)、ベンガル語パンジャービー語グジャラート語ボージュプリー語シンハラ語マラーティー語、インド外でアラビア語版も。こんなに多種類の動画をプロモで使うとはなかなか大変そうです。

『FAN』製作のヤシュラジは以前から各言語の吹き替えを積極的に作ってる気がするので(例:『Dhoom:2』の「Crazy Kiya Re」タミル語版とか)、全インドがここまで積極的かというとそうではないとは思いますがw

とにかく歌詞の意味はわからないでも、聞き比べるのだけで結構楽しいです。

 

んで、ここからが本題。

上にも書いてある通り、プレイバックシンガーはインドの言語の多様さに合せるように、各言語の歌を歌いこなせないと…っていうのをどこかで聞きまして。つまり、ボリウッド映画メインでも、活動範囲を広げるとか色々仕事もらうにはヒンディー語だけじゃなくてタミル語とかテルグ語とかも歌えないと、ってことなんですけど。

wikipedia漁ったらありました、こんなリスト。

List of Indian playback singers - Wikipedia, the free encyclopedia

これ、面白くないですか?

歌手名、活動時期があるのは普通だとして、代表曲が書いてありそうなところ「歌ってる言語」が書いてあるあたりがすごい。

 

超売れっ子のソヌ・ニガムとかウディト・ナーラーヤン(ネパール出身で最初はネパールで活動開始、のちに来印)、ラーター・マンジュレーカルとアーシャー・ボースレー姉妹、シュレーヤー・ゴーシャルあたりはものすごい種類の言語を網羅してて、さすが!といった感じですねぇ。といいつつ一方でボリウッドのナウな売れっ子Yo Yo Honey Singhはヒンディー語+パンジャービー語+英語のみでバングラヒップホップが服着て歩いてるイメージからは外に出ていない様子(出る気もないかも?)ミカ・シンはヒンディー・ベンガル・カンナダ・オリヤー語ともうちょっと範囲広いっぽい。

ちょっと憶測が入りますが、メインはあるけど単独で他の言語圏からオファーがあったパターンと、言語Aで作られた作品で言語B版も作ってるパターンがあるようです。

 

他の言語圏からオファーがあったパターンでいくと

透き通った声が人気の女性歌手シュレーヤー・ゴーシャル(西ベンガル州出身)は

ボリウッド(ヒンディー語)映画『Devdas』でボリウッド映画界デビュー&席巻しましたが、

タミル語だと日本ロケがあった『Jilla』の「Kandangi Kandangi」で主演のヴィジャイとデュエットするなど南インドでも大活躍。

 

『バルフィ!』や『Aashiqui 2』を経て今やボリウッドの売れっ子アリジート・シンは

↓実は、2011年にボリウッド映画『Murder 2』でデビューする前に、2010年にテルグ語映画『Kedi』の「Neeve Na Neeve Na」で歌ったのが先に公開されていたっていう(ボリデビュー『Murder 2』は2009年に録音後2011年に公開だったのでその間に?)

なんとなく今と声の雰囲気が違うような気がするのは私だけ?

アリジートはヒンディー語とベンガル語映画で勢力的。

『Game』から「Ore Manwa Re」(Youtube) ベンガル語でものびのびしたいい声ですね~。

まだ南の映画は少ない様子(リストがPCのモニタにおさまるくらいw)。

もしやA.R.ラフマーン繋がりでオファー?な『24』の「Naa Un」はいつもの聞きなれたヒンディー語じゃないけどアリジート・シンってめっちゃわかるw

 

言語Aで作られた作品で言語B版も作ってるパターンだと

テルグ語メインの『Sardaar Gabbar Singh』の「O’Pilla Shubhanalla」でシュレーヤー・ゴーシャルとヴィジャイ・プラカーシュ。

ヒンディー語版「Tu Mila Subhanalla」も同じ組み合わせで歌ってますよ。


もうひとつシュレーヤーとソヌ・ニガムが歌ってる例で

『Krrish』の「Koi Tumsa Nahin」(ヒンディー語)

「Un Pol Yaarum Illai」(タミル語)

 

オリジナルはタミル語で後々ヒンディー語版とテルグ語版が作られた『Jeans』の「Vaarayo Thozhi」

テルグ語版「Raave Naa Chaliyaa」

ヒンディー語版は公式が見つからないからスル―でw 曲名は「Kehne Ko Dadi」。タミル語とテルグ語はソヌさんと一緒に歌ってる人同一人物ですが、ヒンディー語版では一部入れ替わってました。

 

シュレーヤー・ゴーシャルもソヌ・ニガムも曲の数的にヒンディー語がメインなお仕事と思いますが、それでも各言語で年に数曲以上ずつこなしてます。シュレーヤー・ゴーシャルのWikipediaが仕事の充実っぷりでめちゃくちゃカオスなことになってるので怖ろしいですw ソヌ・ニガムはなぜかカンナダ語映画で人気?スディープさんをはじめカンナダ映画スターの歌をいくつも担当しているようです。

 

 

ソヌさんやシュレーヤーが各地域の言語を喋れるのか、まではわかりません。でも一定の仕事があるってことは少なくとも”各言語で歌いこなせる”ってことは確実かと。

韓国のポップスターが日本進出する時に日本語で歌うように、言語そのものはペラペラじゃなくても歌だったら曲に乗せてある程度自然に発音できるのかもしれませんね。

 

てな訳で、得意なインドの言語1つと英語あたりをマスターしたら、もしかしたら日本人にもプレイバックシンガーへの道があるかもしれません。インドであのスターの声を担当したい、とお思いの方は是非チャレンジしてみてください(誰宛のメッセージじゃ)