インド映画でちょっと休憩

インドに愛を込めて

Sholay

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1975年公開

出演:ダルメンドラ(ヴィール)

   サンジーヴ・クマール(タークル)

   ヘーマー・マーリニー(バサンティ)

   アミターブ・バッチャン(ジャイ)

   ジャヤー・バードゥリー(ラーダー)

   アムジャード・カーン(ガッバル・スィン)

字幕:英語字幕

時間:204分

 

インド映画不朽の名作、『Sholay(ショーレー)』です。

 

あらすじ

元警察官のタークルは、田舎村を盗賊ガッバル・スィンから守るため、泥棒の2人組ヴィールジャイを雇う。ヴィールとジャイはならず者の犯罪者であったが、以前列車強盗からタークルを守った過去があった。

 

いろいろ

ボリウッド不朽の名作。公開と同時に大ヒットし、超ロングランとなった作品。

また、当時まだいち俳優に過ぎなかったアミターブ・バッチャンをスターに押し上げた映画でもあります。

 

ストーリーや冒頭の列車強盗のシーン等、モデルとなった作品は西部劇『荒野の七人』から。

…とは言っても私、『荒野の七人』やそのモデル『七人の侍』を観ていないのでこの辺の比較はできませぬ。失礼。

 

今回鑑賞した目的はズバリ「数々の映画のパロディの元になっている国民的映画をチェックしておきたかったから」。

ちなみにざっと有名なところを挙げると…

①『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』に看板として登場

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真ん中の黄色い看板に注目。

パロディ…とまではいきませんが、バッチリ確認できるところに登場します。ちょうど『オーム・シャンティ・オーム』過去編が1977年頃だったので、↑の写真だと2年程ロングランしてることになります(絵の下に「まだ上映中」と書いてあるので)。

 

②『Bunty Aur Babli』の歌のシーンに登場

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サイドカー付バイクに乗ってる点、2人の衣装がばっちり『Sholay』をマネしています。白い衣装の方アビシェークは『Sholay』でジャイ役のアミターブの息子ですし(というか『Bunty Aur Babli』にアミターブ出ちゃってるしw)。

 

③『Ajab Prem Ki Ghazab Kahani』の逃亡シーンの展開

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手前のランビールと赤い矢印のカトリーナが追手から逃げるシーン。またもやサイドカー付バイクに乗ってますが、道が悪くサイドカーが切り離されてしまいます。そのまま平行して走り、サイドカーは元の状態に。(※写真では確認しづらいので動画もどうぞ→Youtube:バイクのシーンは3分20秒あたりから。) この辺の元ネタは『Sholay』の有名な歌のシーン「yeh dosti」に出てきますので確認できます。

 

まだテキトーにちょっとしか齧っていない自分でもババっと出てきますので、もっと探せばもっと出てくると思います。パロディーの多さがどれだけこの映画がボリウッドにおいて重要かが窺えます。

 

ではではストーリーの解説をば。

誰が主役とは言いづらいオールスターキャスト。でもメインはやっぱりヴィール(ダルメンドラ)とジャイ(アミターブ・バッチャン)でしょうか。

村の屋敷に住むタークルは警察官を招き、2人の泥棒を探すよう依頼します。その2人がヴィールとジャイ。彼ら2人が現役警察官だった時のタークルに逮捕され、列車で護送される時に、列車が強盗に襲われます。「俺たちも応戦するから手錠を外してくれ」という2人に「逃げようとするなよ」と言い手錠を外すタークル。2人は次々と襲ってくる強盗を倒していきますが、その最中にタークルが負傷。一度は逃げようと考えた2人は最終的にはタークルを病院に連れて行きます。 

その直後、結局はバイクを盗み逃げていく2人ですが、タークルはこの一件以来2人の事を認めていたようで、自分の村を襲ってくるガッバル・スィンとその一味を捕える事を依頼してきます。 まーその依頼してくるまでが可笑しくて突然チャップリンもろパクリの刑務官が出てきたり、それを脅してサクッと脱獄したり、また捕まってたり…この一見本筋から見たら余計そうなシーンもインド人的には欠かせない雰囲気…。

タークルの村にやってきた2人は、それぞれ村の女性に恋をします。ヴィールはバサンティ(ヘーマー・マーリニー)、ジャイはラーダー(ジャヤー・バードゥリー)に。映画本編はガッバル・スィン討伐が三分の二、恋愛パートが三分の一ほど(計ってはない)、結構ピリピリしてないといけないタイミングの割にはのほほんとしてたりして何ともいえない感じ(笑)。おちゃらけキャラのヴィールが何かやってる側で物静かなジャイが「あ~あ、またアイツ何かやってるよ…」的な顔で見てるのもまた面白い。

 

 

序盤は過去と現在が前後したりするので、(英語字幕だし)「えっ今何してんの?」って感じで時々ついていけないときもありますが、まぁ我慢してたら段々わかってくると思います(←投げやり)。

 

中盤から登場のガッバル・スィン、演じるアムジャード・カーンは新人とは思えないワルっぷり。残忍で迫力がありました。手下にも容赦ない。ひ~、怖っ!

 

 

因みにヴィール役ダルメンドラとバサンティ役ヘーマー・マーリニー、またジャイ役アミターブとラーダー役ジャヤはそれぞれ私生活でもカップル。

ダルメンドラは既婚なのに…という何ともけしからん状況ですが。

ジャヤーは『Sholay』クレジットでは「ジャヤー・バードゥリー」ですがその後は「ジャヤー・バッチャン」に。今はこっちの名前の方が馴染みあるかな。

 

結末は2バージョンあるようで、今手に入るのは両方なのかどちらかだけなのかはわかりませんが、自分が見たのは改訂版。最後の最後が違うみたいです。大筋はほぼ一緒なので(ハッピーエンドバージョンとサッドバージョン程の違いはない…という意味で。)、とりあえず見てみるにはあまり気にすることはないかと。

 

不朽の名作…とは言っても約40年前の作品ですので、古い…。古いのは良いんだけど馴染みのないスターや映像は色々見辛いw

なので必ずこれを観ろ!といった感じではお勧めはしません。今だって黒沢明観ないでも映画は楽しめますし(とか言ったら邦画ファンに怒られるかなw)。

ただ、インド映画をたどる上で必ず出てくる作品ですし、国民的人気映画なので、上記の数々のパロディの元ネタに興味があったり、インド映画をもっと知りたい!という人は見ておくべきだと思います。

 

リンク

有名なバイクシーン「yeh dosti」

 

アイテムガールはヘレン。「mehbooba mehbooba」

 

ガッバル・スィンがバサンティを脅して踊らせるシーン「Haa Jab Tak Hai Jaan」