2016年公開
出演:ナワーズッディーン・シッディーキー
ヴィッキー・コウシャル
ソービター・ドゥリパラー
監督:アヌラーグ・カシュヤプ
言語:ヒンディー語+英語字幕
媒体:DVD
時間:127分
邦題(IFFJ):ラマン・ラーガヴ2.0~神と悪魔~
邦題(DVD):DEVILデビル
※このレビューは日本語版が出る前に鑑賞したものです
あらすじ
1960年代半ばのインドに、ラーマン・ラーガブという連続殺人鬼が実在した。彼は41の殺人を犯したと証言し、死刑を宣告された。最終的に彼は精神状態が正常でなかったとして終身刑を言い渡され、1995年に獄中死した。
-これは、そんな彼とは別のお話-
2013年 - ムンバイ警察で働く若き警官ラーガヴァン(ヴィッキー・コウシャル)は、ある夜訪知り合いの家で人が殺されているのを目の当たりにする。
間もなく、ラーガヴァンのもとにラーマナー(ナワーズッディーン・シッディーキー)と言う男が現れる。彼は今まで9つの殺人をしたと語り、また昔実在した殺人鬼ラーマン・ラーガブを模倣していると話した。奇妙なことに、ラーマナーはラーガヴァンに対し異様な興味を示していた。警察により人気がないビルに閉じ込められたラーマナーであったが、偶然居合わせた一般人に解放され、そのまま行方をくらませる。逃亡中も殺人を犯すラーマナー。そして密かにラーガヴァンの周囲をうろつくラーマナー。彼の目的は一体…
いろいろ
夏の夜長に、背筋が凍るサイコスリラーはいかが?
異色俳優として日本のファンも多いナワーズが連続殺人鬼、それを追う警察官に若手注目株ヴィッキー・コウシャルという組み合わせ。監督は何かと話題作を多く手掛けているアヌラーグ・カシュヤプです。
なんだかね、ここ最近アヌラーグ・カシュヤプが絡んでる映画を見るのが連続してて、あの「fuh se phantom!」っていうクレジットをやたらと観てしまっていますw
↓これ
…んなこたあどーでもいいですねw
サイコスリラーというと、恐いとか怖ろしいとかが先行していつもなら真っ先に避けるジャンルの映画なんですが、今回はPhantomのTwitterをフォローしててまだたびたび見かけるせいとか、ヴィッキー・コウシャルとりあえずチェックしておきたいとか、まだ日本語レビューが少なくて映画のあらすじもわからないとか色々と理由があったので手を出してみました。
殺人鬼とそれを追う警察の攻防戦か…と想像していたのですが、蓋を開けてみるとあんまりその要素は少なめで。正直後半に入るまではこの映画が何をしたいのかあんまりわからなくて、もともと苦手なサイコスリラーだし面白味がわからん…と思ってたんですが、後半というかクライマックスあたりで「そうくるのか!」と、納得。
ぶっちゃけ最後はマジで背筋凍りました。演出と音がそのへんのしょぼいホラーよりもこわい!!サイコスリラー慣れしてない私にとっては心臓に悪かったですw
ナワーズさんのすごいのは、どこまでが正気か、どこまでが計算か、どこからが狂気か”境界”がわからないキャラクターを見事にやってのけるところですね。
こういうポーズも読めない。
ラーマナーのキャラクターは、『Badlapur』のリヤークと何となく似ていました。どちらも人を煙に巻くのが上手そうなキャラクター。リヤークの方が目的が明確でわかりやすいかも。ラーマナーは喋るときはめっちゃ喋るんだけど、真の目的が明らかにされないので非常に謎めいてました。ぶっちゃけナワーズさん好きの方にはうってつけだと思いますw
もうひとりの主人公ラーガヴァン役のヴィッキー・コウシャルは、すらっとした長身で好青年のイメージがあったんですけど、今回はコカインに依存する自堕落な警察官という、クリーンとはほど遠い役。
パフォーマンスはさすがにナワーズさんと比較するとアレなんですけど、チノパンぽいの穿いてたりするファッションはかっこよくてイカしてました。若いながらも年上の部下を数人従えてたので、エリート警官なのかな?
ちなみに以前みたのは『Bombay Velvet』でケイ・ケイ・メノンの部下役。台詞はあるかないかくらいのチョイ役でした。
もう一人ちょっと気になるのが、ラーガヴァンの恋人のシミー役のソービター・ドゥリパラー。
ゴージャス系美女さん。これがデビューのわりに堂々としてました。堂々としたキャラクターでもあったんですけどw ソービター・ドゥリパラー(聞き慣れないお名前w)はミスアース2013インド代表だったそう。今回は踊ってなかったですが、バラタナティヤムとクチプディをやってたらしいので、どっかでダンスする姿も観てみたいですね~。
2人の主人公、ラーマナー(Ramanna)とラーガヴァン(Raghavan)、とガールフレンド・シミーの名前をまじまじとみて「ラーマーヤナ」を連想するなぁ…と思ったらやっぱり出てきました。
どういう風に出てくるかはお楽しみ。この映画の中の「ラーマーヤナ」をどう解釈するか考えると面白いかも。
予告編にもチラっと出てきたので、ラーマーヤナを連想してねって事だと思う。
インドの実在の人物や神話を上手く絡めた、非常にインドらしいサイコスリラーに仕上がった作品だと思います。
ぜひ部屋を暗くして音量大きめでご賞味ください。
リンク
ダンスシーンはほぼないですが、音楽は結構かっこよかった印象。
「Raghav Theme」
「Paani Ka Raasta」
「Qatl-E-Aam」
プロモ映像が似ちゃうのは、ダンスシーンがないせいかね。
出てこないけど、オープニングクレジットが凝ってていいですよ~。