2015年公開
出演:リテーシュ・デーシュムク
プルキト・サムラート
ジャクリーン・フェルナンデス
クムド・ミシュラー
監督:カラン・アンシュマン
言語:ヒンディー語+英語字幕
時間:135分
媒体:DVD
あらすじ
とある海に浮かぶ島には、イスラム教の国北バンギスタンとヒンドゥー教の国南バンギスタンが存在した。隣接した2つの国はお互いに憎み合っていた。
それぞれの地では、敵対する宗教のイメージを貶めるため、相手側の信仰者になりすまして自爆テロを行うという計画が立てられる。北バンギスタンでは英語が話せるハフィーズ・ビン・アリー(リテーシュ・デーシュムク)がヒンドゥー教徒イシュワルチャンド・シャルマーとして、南バンギスタンでは劇俳優のプラヴィーン・チャトルヴェディ(プルキト・サムラート)がイスラム教徒アッラー・ラカ・カーンとなる。徹底的に"向こう側"の宗教を学び、習俗を身に付けたこの若い2人は、世界宗教会議でのテロを狙って開催国であるポーランドに降り立つが…
いろいろ
ちょっと後回ししてたら公開されてから5年も経っちゃいました、ほんとはもうちょっと早く観るつもりだった~
"つっこんだら負け"なめちゃめちゃザルい設定とユルいぬるま湯コメディ。
同じような対テロものを土台とする『India's Most Wanted』と同じ国が作った映画なのか…と思えてしまうくらいテイストが違う~!
バンギスタンは架空の国だけど、説明しなくてもみんな連想するイ○ドとパキ○タン的なやつ。
宗教指導者的なトップの人は密かにスカイプする仲だけど民レベルでは軋轢しまくりでトップの悩みの種という設定。テロを仕掛けようとする民レベルの宗教組織はまぁどちらもトップとの関係が薄そうな感じ。ちなみにこの組織を率いるリーダーを両方クムド・ミシュラーが二役で演じると言うオモシロなキャスティングでした。オモシロなんだけど、敢えてリーダーを同一人物がやることによって役者イメージや演技での偏りが起こらず、2つの宗教組織をフラットに並べられるという利点がありました。もしかしたらそれを見越してたかもしれないししてないかもしれない。
しょうみな話、コメディに振り切ってるのでリアリティー派の人は憤慨しそうなくらい都合のいい処理が多いんですよ。世界の注目が集まる会議のセキュリティがザルすぎるとか、ポーランドの農場の地下に爆弾取引所を持つロシア人とか。これはもうクオリティの粗ではなくコメディであるが故の造りだと思うので好みかそうでないかで処理するとして(私はコメディである限りは大好き)、それ以外の部分はけっこう深いと思いました。空港でムスリム(実はヒンドゥー教徒)が荷物チェックされてるの見て怒るヒンドゥー教徒(実はムスリム)とか、なりすますためにたくさん勉強してきた2人だから、バガヴァッド・ギーターを説く偽ヒンドゥー教徒にジハードを解説する偽ムスリム、それぞれ熱弁してしまって勝手に気まずい感じになってたりとか(お互い正体は知らない)、反転的な掛け合いの面白さよ。いがみ合うのは、お互いを知らないからなのでは。
紐解くとさらに闇が深い部分が見え隠れしてて。組織のリーダーは指示するだけで、テロを実行するのはこの先可能性を持つ若い青年という図式が辛い。犠牲になるのは若い人。盲目的な彼らは駒でしかなく、切り捨てだってあり得る。彼らに歪んだ敵対心を植え付けたのは、リーダーなんじゃないか。お互いの正体を知らなかったら肩並べて歩けてたじゃん。なんだかもうさすがテロも宗教も身の危険が近い国は違うな…って思いました(日本もテロが無いとは言わないけど…っ)。
↑プルキトが連れてるのは羊です
最初の方から友好路線のテーマがちらつくのでストーリーはある程度安心して観られるものです。しかしクライマックスは不覚にも泣かされた~!彼らが気付いてしまった本当のこととか、置かれている立場とか、テロリストのイメージが付いてしまったイスラム教徒のことだけじゃなくてここに至るまでに2人は2人なりに辛いこととかあったんだろうなっていうのも重なって、こみ上げてくるものがありました。この映画、もうちょっと評価されてもいいと思う。
リンク
キャッチーな曲多いよ
「Saturday Night」ジャクリーン・フェルナンデスは特別出演以上ヒロイン未満
「Ishq Karenge」これはプロモ用
「Hogi Kranti」なりすます準備してるとこ