インド映画でちょっと休憩

インドに愛を込めて

AK vs AK

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2020年公開

出演:アニル・カプール

   アヌラーグ・カシュヤプ

   ヨーギター・ビハーニー

   ソーナム・カプール

   ハルシュワルダン・カプール

   ボニー・カプール

監督:ヴィクラマディティヤー・モートーワーニー

言語:ヒンディー語+日本語字幕

時間:108分

媒体:Netflix

 

あらすじ

2007年に『Allwyn Kalicharan』の企画がとん挫して以来、アニル・カプール(アニル・カプール)とアヌラーグ・カシュヤプ(アヌラーグ・カシュヤプ)には確執が続いていた。特にアニルに出演を断られたアヌラーグは彼に対して苦々しい気持ちを抱いていた。とあるトークイベントで映画に対する考えで意見がぶつかった2人は、そのままお互いのキャリアについて侮辱し始める。アニルがアヌラーグの足に水をこぼしてしまったことでアヌラーグはとうとうブチ切れ、アニルの顔に水をぶっかけてしまう。このことで映画界人から一斉に批判を浴びたアヌラーグは、業界から干されてしまう。

怒りの収まらないアヌラーグは、彼に復讐することを決める。その計画は、アニルの娘ソーナム(ソーナム・カプール)を誘拐し彼に夜明けまで捜索させ、それを映画に仕立て上げるというものだった。アニルの誕生日12月24日にソーナムを誘拐したアヌラーグは、映画撮影をしていたアニルにこの企画を持ち掛けるが…。

 

いろいろ

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実際に存在する人物による"実録型"ブラックコメディー

 

ボリウッド映画界のスターで映画賞受賞歴もありハリウッド映画にも出演している俳優アニル・カプールと、エッジの効いた映画作りと自ら演技もこなす映画監督アヌラーグ・カシュヤプが、本人役でリアルを織り交ぜながら弩級の火花を散らす!

もうここまでの設定段階でネタとしては優勝!って思ったんですが、それから期待して観た本編もこれまためちゃめちゃ面白かったです。詳しく書いちゃうと楽しみが減っちゃうから書かないでおきますが、最後の最後まで目が離せないストーリーと思っていただいて大丈夫だと思います。ほとんどは復讐にキャッキャするアヌラーグと焦るアニルって構図でそれはそれで面白いんだけど、特に終盤は底の見えない怖さも加わり…。

 

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実在する人物本人たちによる罵倒合戦で痺れるほど面白いのが、ガチで侮辱になってる点。と書くと性格悪い…(笑)。アニルは「落ち目なことに気付いてない俳優」「今年『Mr.India』になった(=アニルが"透明人間"になる映画)」と言われ、アヌラーグは「ヒット作なし」「全作品を合わせても弟の失敗作に及ばない」なんて言われて…。まぁそれ言われて普通にキレはするんだけど、これ演じてる本人は傷つかないんかな?ちょっと心配w

本作の監督は『Lootera』やドラマ『聖なるゲーム』のヴィクラマディティヤー・モートーワーニー。脚本は監督たちによるものですが、台詞にアヌラーグも参加。アヌラーグは自分の悪口自分で書いたんかな…?(「『血の抗争』を作るやつなんて精神科行きだ」は本人も言いそうw)

 

12/24公開でクリスマス映画&アニル・カプール誕生日映画(日本は時差で12/25公開だったかも)。クリスマスにそぐわない雰囲気のお話だけど(笑)、誕生日パーティーを祝おうとしていたカプール一家にアニルが事件をごまかしながらソーナムを探してムンバイ中を走り回るシーンや、疑わしい人物を追ってクリスマスイベントが行われている会場に踏み込んだりなど、この日に合わせて話を作ったんだろうなっていうクリスマス&誕生日っぽい雰囲気は十分にありました。あえてこういうヤバい作品をクリスマスに観るという大人な遊びにちょっとテンション上がったことを正直に申し上げます…。

 

"アヌラーグのアシスタントによる手持ち撮影"という設定なので、映像がいつも若干揺れています。映像に酔いやすい人は少し注意かな。ライティング含め綺麗すぎない撮影で、不穏さと不安を煽る"実録モノ"っぽさが出ててめっちゃよかったです。
何が起きても手持ち撮影が停止されないけど、うっかり「カメラを止めるな」みたいな便乗サブタイトル付かなくてよかったなw

 

アニルとアニルとアヌラーグを知っていればかなり楽しめると思います。知ってる人は必見。それにボリウッドが好きな人も。ここまで色々書いておきながら今更ですが、やはりあんまり情報入れないで観るのがサプライズ感あってよろしいかと。

もちろん映画ネタもたくさん、アニルの出演作タイトルはめっちゃたくさん、それに日本語字幕に出てこないネタもありました。ひいてはアニルの息子ハルシュが自身の主演映画『Bhavesh Joshi Superhero』の台詞言ったりとか(笑)。『Bhavesh Joshi Superhero』はヴィクラマディティヤー・モートーワーニー監督の作品でもあります。

 

Netflixボリウッド映画の中では必見の部類です。おすすめ!

 

リンク

予告編

 

お互いのお宅探訪(悪口付き!)

アニルのお家は本編に出てきたのと同じところのように見えます。アヌラーグのお家は動画と違うのが出てきました。アヌラーグはそれを「実家」と言ってたのでそれはそれで本当の家かもしれないし違うかもしれないw

 

「The Anil Kapoor Diss Track」この曲出てきたっけな?w 

 

おまけ

アヌラーグvsシャーヒドのお話が2013年にあったらしいけど、なくなって今回の映画になったらしい。シャーヒド版はどんなストーリーなんだろうちょっと観てみたい…と思いつつ、アニル版の本作は父親の面が活かされた話だったので、それが当時のシャーヒドではリアルとしてあり得ないからそういう意味ではアニルので良かったかな~って思いました。そしてどっちみちアヌラーグは健在なのねwww