2020年公開
出演:ジャーンヴィー・カプール
パンカジ・トリパーティー
アンガド・ベーディー
ヴィニート・クマール・シン(特別出演)
マーナヴ・ヴィジュ
ヨゲンドラ・シン
監督:シャラン・シャルマー
言語:ヒンディー語+日本語字幕
時間:1時間52分
媒体:Netflix
あらすじ
幼いころからパイロットに憧れてきたグンジャン(ジャーンヴィー・カプール)。しかし航空機パイロットの夢は学校入学前に経済的理由で絶たれてしまう。その代わり、ちょうど募集開始された空軍の女性パイロット試験に応募し、見事合格する。
しかし、インド空軍初の女性戦闘機パイロットである彼女にとって、男だらけの軍に入隊してからが本当の試練の始まりだった…。
いろいろ
カールギル戦争に唯一参加した女性パイロット、グンジャン・サクセナの半生を映画化した伝記ドラマです。
軍を中心にして実在の人物・事件を扱っていますが、全体的にシンプルです。アクション要素も少なめ。ほかの伝記ものよりあっさりしていると思います。個人的にはインドの伝記映画は知らない人が主人公な場合が多いので、シンプルな方が助かる(笑)。濃いドラマを求めている人には大人しすぎて物足りないかもしれないけど、2時間に満たない長さなので、気軽にチャレンジできる映画に分類できると思います。特に序盤はコメディタッチでとっつきやすかったです。
少々驚いたのは、軍に入隊する主人公がヒーローのような"ザ・愛国心"を持っていなかったこと。だからといって反国家的では全くないんだけど、彼女が軍に入る動機は完全に"操縦したい"から来るもので、軍や戦争が出てくるインド映画としてはかなり珍しいなと思いました。その件については父と娘の会話で完結していて納得。私個人としては「国のために命を捧げる」なんてことは微塵も思ったことがないので、盲目的に愛国心持ったキャラクターより彼女のような人の方がナチュラルに受け入れやすかったです。インド人的にはどうなんだろう。
主演はボニー・カプールとシュリデヴィ夫婦の長女ジャーンヴィー・カプール。ネット配信を含めると本作が3本目の映画出演でした。
注目したいのは脇役たちだな。
グンジャンとパパの関係がとっても良かったです。娘の一番の味方がパパってすごくいい。インドは家父長制だからどうしても厳しい父親像ってのが多くて女性の夢を持とうとすると妨げとして描かれちゃうことが多いけど、このパパは娘を後押ししまくってた。最高。2人は仲もいいよ。パンカジさんがやるとちょっとオトボケな人になるのも好き。
基地に配属になったグンジャンの厳しい上官にマーナヴ・ヴィジュ。見覚えあるなぁ思い出せないなぁ~ってずっとモヤモヤしてしまったよ『盲目のメロディ』の浮気男です。渋みが増してる!!!!厳しいながらも余計なフィルターを持ってない人でよかったです。
基地にやってきた初めての女性グンジャンをなかなか受け入れられない男性陣の代表的な上司にヴィニート・クマール・シン。この人は『Mukkabaaz』観てから地味に注目している。
ちょっと嫌な役どころだけど何だろう、軍人だからかキリっとしてていつもの役との変化っぷりがさすが役者さんだって思いました。普通に溶け込んでた役だけど特別出演枠だそうです。どの辺りが特別出演扱いだったんだろうかw
あとこれは注目度的には超個人的な趣向なのだけど、『Saand Ki Aankh』に出ていたヨゲンドラ・シンが出ててキャーッってなりました。あれからこんなにすぐ再会できるとは思ってなかった。写真がないな…基地の同僚で一番イケメンなモンティさんて名前の人を探してくださいw
女性が夢を切り開いていくジャンルの中では比較的オーソドックスな作りの映画です。特筆するような目新しいところはないかもですが、凝りすぎず好感の持てる作品でした。インドの一面を知るきっかけや元気が出るガールズムービー的なものとしてオススメです。
リンク
予告編
これはリアル グンジャン・サクセナの解説
「Bharat Ki Beti」インドの娘
「Dori Tutt Gaiyaan」