インド映画でちょっと休憩

インドに愛を込めて

Jilla/ジッラ 修羅のシマ

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2014年公開

出演:モーハンラール

   ヴィジャイ

   カージャル・アガルワール

   スーリ

監督:R. T. ネーサン

時間:176分

言語:タミル語+日本語字幕

媒体:スクリーン(キネカ大森スクリーン1)

 

あらすじ

マドゥライの地を牛耳るシヴァン(モーハンラール)には、血は繋がらないが信念は繋がる息子ジッラことシャクティ(ヴィジャイ)がいた。彼はその昔シヴァンを助け命を落とした運転手の息子だった。ジッラはシヴァンの子供たちと一緒に家族同然に暮らしていた。

ジッラは実の父を殺した人物が悪徳警官だったため警察官が大嫌いで、警察官の制服のカーキ色にアレルギーを起こすレベルであった。街で警察官を叱咤していたシャンティ(カージャル・アガルワール)に強く惹かれるが、彼女の家を訪ねた際に彼女の職業が警察官だということを知り、この恋はなかったことにする。ジッラ勝手にお見合いに来て勝手に帰っていったせいでシャンティの評判に傷が付いたため、恥をかいたシャンティはジッラに怒りを募らせる。

向かうところ敵なしだったシヴァンのもとに、新しく着任した総監がやってくる。総監はシヴァンを侮辱し憤らせ、「警察は犯罪者の思考がわかるが、犯罪者は警察の思考はわからない」という言葉を吐き捨てる。これに対抗するためシヴァンはあろうことかジッラを警察官として送り込もうとする。ジッラはもちろん拒否するが、権力者をを従えるシヴァンたちにとってジッラを警察官試験でパスさせるのは朝飯前だった。

警察官としてマドゥライに着任したものの、やる気が一切ないジッラ。しかし、自分の与り知らぬところでシヴァン一味がガス爆発事故を起こし、多数の死傷者を出す。惨状を目の当たりにしたジッラはシヴァンたちが行っていることは犯罪であり起きてはならないとしてシヴァンに直談判するが、自分は変えるつもりはないとシヴァンは拒絶する。街の人々、ひいてはシヴァンたちも守るため、やむを得ずシヴァンと対立するジッラ…。ヤクザと警察、父親と息子の全面対決が勃発するが…。

 

いろいろ

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以前観てたけど感想書き損ねてたシリーズです!

Kaththi』の公開前に予習として観た本作が、私の初ヴィジャイ映画でした。なのでちょっと記念作品的な思い入れがあります。今までTwitterにちょこちょこ書いてはあったんですが、今回インディアンムービーウィークで日本語字幕付きを観る機会があったので、せっかくなので改めてちゃんと感想書きます。

 

アクションコメディ映画です。

終盤こそシリアスになりますが、結構コメディの占める割合が高めです。なんといっても主人公ジッラがかなりおちゃらけた性格なのでw 喧嘩がめっちゃ強いけど同時にちゃらんぽらんっぷりも相当です。シヴァンのお家で自由に育ったんだろうなぁ~w

本作は近年のヴィジャイ作品と比べると、社会的メッセージは薄め(比較的、です)なんですが、私としてはこっちの方が親しみやすくで好きですね。

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社会的メッセージは薄めですがストーリーも薄めってことは全然なくて、ヤクザ社会を血のつながらない親子対立という構造をもって内側から変えていく設定はなかなか練られたものだと思います。まず警察嫌いのヤクザが警察になるっていうところでもう勝利宣言。それに血の繋がらないという要素が根底にあるので、血が繋がらないこそ強い絆が効いてるのと同時にいつでも他人になりうるという危うさもあり…、血の繋がっている親子だったら対立はできてもこういうストーリーにはならなかったでしょう、きっと。

マラヤーラム映画界の重鎮ラルさんとタミルスターヴィジャイのガチンコぶつかり合いが最高ですね。年齢とキャリア的な差が親子関係に比例しててバランスがいい。父親がラルさんじゃなくてヴィジャイよりネームバリューが下がるタイプの俳優さんだとそうはいかない。

 

アクションシーンのカメラワークが最高だなって思います。
ヴィジャイとラルさんを並べて戦わせて遠近で撮るとか、警官の制服脱がせて上に飛ばして上から撮るとか。凝ってます。映像で観たらわかりますが実に凝ってます。

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あと車運転中にハンドル回転多いときに映像もぐるぐる回るのおもろかったw

 

個人的に注目な点

かわいこちゃんマハト・ラーハヴェーンドラくんがジッラの弟

今はメインヒロインや主演をやってるけどこの時はまだ脇役だったニヴェーダー・トーマスちゃんがジッラの妹

で出ています

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ちなみにニヴェーダーちゃんは『Kuruvi』でもヴィジャイの妹として出演しています。そっちは子役出演でした。お顔が幼いかわいい。

マハトくんは特に今ブレイクしてるとかじゃーないんですが、個人的に好みの顔&童顔&意外と低い声が気になる存在ですw最近観たのは『Mankatha』。

 

 

『Jilla』はコメディでありながらヤクザ映画として骨太であり、家族愛・恋愛・アクションと十二分に楽しめるマサラ映画です。ヴィジャイ映画の中でも観やすい部類なのでオススメ~!

 

リンク

「Kandangi(美しいサリーをまとった君)」

日本人としてはなんといっても日本ロケがあるのが注目ですよね~!これはヴィジャイが当時腰痛がひどくて急遽場所が変わったとかいう話もあり…。でも結果的にすごい綺麗なシーンでめっちゃいいと思います。この時出演したから映画観たいって言ってたお笑い芸人さんがいたんだけど、結局映画観れたんかな…?

この歌は歌詞もよい。

 

「Pattu Onnu」途中登場するのは愛しのジーヴァ君だよ!

 

「Verasa Pogayile」これがふざけてて最高にいいですね

 

本編はYoutubeで無料公開してます(公式)

日本語字幕は機械翻訳になりますが、Youtube上の設定で見れます