インド映画でちょっと休憩

インドに愛を込めて

Soorarai Pottru(勇者を称えよ)

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2020年公開

出演:スーリヤ

   パレーシュ・ラーワル

   アパルナー・バーラムラリ

監督:スダー・コーングラー

言語:タミル語+英語字幕

時間:2時間29分

媒体:ネット配信(Amazon Prime)

 

あらすじ

仲違いしていた父が危篤になり、急遽遠方から実家に帰ることになった空軍士官ネドゥマーラン(スーリヤ)。しかし、乗ろうとしていた飛行機のエコノミー席は満席だった。彼が工面できたのはエコノミーチケット代だけだったため、それより高い席には乗れず、その2日後の飛行機に乗るしか手立てがなかった。彼が実家に着く頃には、父はもうこの世にいなかった。

 

早期にインド軍を除隊したネドゥマーランは、金持ちの乗り物と言われていた飛行機を安いチケット代で乗れるような事業を興そうとしていた。

当時の常識からかけ離れるその計画は世間からは鼻で笑われ、この事業に投資しようという人はなかなか現れなかった。しかしネドゥマーランは、自分の身に降りかかったことが二度と起きないように、庶民やお金に余裕のない人のためのこの格安航空サービスを諦められなかった。

ネドゥマーランは大手航空会社JAZの代表パレーシュ・ゴースワーミ(パレーシュ・ラーワル)に会う。しかし限られた階級に許された乗り物に低所得者たちが同席することを嫌がった代表は、アイデアを評価しながらも彼を足蹴にする。それだけでなく、代表はことあるごとにネドゥマーランの活動を妨害し始め─。

 

いろいろ

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スーリヤさんの新作映画です。2019年末に公開予定だったのがコロナなどで何度か延期されたあと、Amazon Primeでリリースとなりました。

監督は『Irudhi Suttru(ファイナル・ラウンド)』のスダー・コーングラー。

 

インドで初めての格安航空会社エア・デカンとその創設者G.R.ゴーピナートがモデルになったお話。ベースとなった本「Simply Fly: A Deccan Odyssey」はG.R.ゴーピナート本人による著作です。映画は真面目でリアルな作風から伝記のようにも感じ取れますが、実際はインスパイアされたフィクションと捉えたほうが正しいかと思います。モデルの人物の故郷の地はマイソール州(現カルナータカ州)ですが、映画の方は言語に合わせてタミル・ナードゥ州に置き換えられました。また、登場人物たちの名前や事象は変更してあります。エア・デカンをデカン・エアに軽く変更したものから、原型がないくらい完全に違う名前にしたものまで。

 

 

新規事業を立ち上げるストーリーなので鉈や銃が出てくるようなアクションはなく、必要なことの多くは事務的なものだったり人との会話だったりするのに、これほどまでにドラマチックになるのかといくらい色々なことが起きます。これまで誰もやったことなかった新規事業が大変なのはわかるが…それにしてもすごいな!

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特に既得権益に固執する階級からの妨害が主人公たちのあらゆる壁として立ちはだかり、何度も彼らの心を折ろうとしますが、そのたびに小さな糸口から光を見つけ這い上がる様はかなり熱くなるものがあります。そのいくつかはあるある"映画的"な展開なんですが、なんだろうね、わかってても見入ってしまうね。

ライバル会社との争いに関連して、ネドゥマーランが繰り返し立ち上がるたびに、彼がここまでこの事業に固執する理由がはっきり理解できるようになります。遥か昔は伝記が、その後は車が金持ちの特権から庶民にまで広がっていったのと同じく、飛行機だって庶民が乗る権利がある。それを開放して誰もが技術の進歩を享受できるようになるべき、というのが彼のポリシーだったかな。そういった信条が次第に理解されて、彼に感化されて、田舎から始まり次第に彼を支持する人が増えていき、それがネドゥマーランの力になっていくのも胸を打たれるエピソードでした。お互いがお互いの力になる。結局は周囲の人の助けがあって成り立つんだこういうのは…。

伝記でなくフィクション映画なんだけれども、どれかは現実に起きてたりするから、どこまでがリアルだったのか気になる…。本を読んだらわかるんだろうか?そしてあの妨害してきた航空会社はどこがモデルなのか気になるw ちなみに飛行機飛ばす日がいくつか字幕のように出てきますが、おそらくあれは本当の日付かなと思います。

 

 

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アクションはほぼなかったですが、ダンスは案外ありました。特に前半。

華やかさはあえて抑え、田舎を背景にしたものや、どこかアーティスティックなものなどがメインでした。

 

役者の中では、主人公の奥さんボミ役のアパルナー・バーラムラリが白眉。事前に公開されていた動画から何となくわかる感じそのまま、強くてたくましい女性で、惚れてしまいそうでした。

結婚前からパン屋を開いている彼女は、なかなかうまくいかない主人公の飛行機事業の一方で、主人公の周囲の身近な成功例となっている人。ただサポートするだけの奥さんじゃなくて、主張することは主張するし、信念は曲げることないし、めちゃめちゃカッコイイです。

主人公のすぐ傍でいつもモチベーションを支える存在でした。

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ネドゥマーランとボミが結婚前の約束をするシーンは見どころのひとつ。ボミが宣伝カーに乗って街中を走っているときに乱入したネドゥマーランが周囲を気にせずマイクを通して結婚の契約のような話をするんだけど、なぜかあんまり甘すぎないシーンっていうw

強気夫婦でめっちゃお似合いです。ラブラブ夫婦です。

 

 

リアル志向だけど胸アツになる映画でした。

役所でてきたりするところがちょーっと難しいかもですが、オススメです。

 

 

リンク

予告かっこいー

 

「Veyyon Silli」アーティスティックだなっておもったやつ

 

「Mannurunda」もしゃスーリヤ

 

余談

軍人さんの剃り込みアリのビシッとしたヘアスタイルは2割増しにイケメンに見えますね☆