インド映画でちょっと休憩

インドに愛を込めて

LUDO ~4つの物語~(Ludo)

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2020年公開

出演:パンカジ・トリパーティー

   アビシェーク・バッチャン

   アーディティヤ・ローイ・カプール

   ラージクマール・ラーオ

   ローヒト・スレーシュ・シャラーフ

   サニヤー・マルホートラ

   ファーティマー・サナー・シャイク

監督:アヌラーグ・バス

言語:ヒンディー語+日本語字幕

時間:2時間29分

媒体:Netflix

 

あらすじ

行政の手が及ばない至るところを牛耳るサットゥ(パンカジ・トリパーティー)はある夜、建設業者のビンダルを撃ち殺す。

腹話術や吹き替えなど声の仕事で生計を立てているアーカーシュ(アーディティヤ・ローイ・カプール)は、話題になっている盗撮セックスビデオを見て驚く。なぜならそれは顔がばっちり映った元カノのシュルティ(サニヤー・マルホートラ)と自分とのセックスだったから。アーカーシュはシュルティに会いに行くが、シュルティはイケメンで金持ちの男との結婚を間近に控えていた。

レストランを営む元詐欺師アールー(ラージクマール・ラーオ)は、幼馴染のピンキー(ファーティマー・サナー・シャイク)のことが忘れられないでいた。献身的なアールーは昔から幾度となく彼女を手助けしていたが、終ぞその心の内は気付かれず、彼女は別の男と結婚してしまっていた。そんな彼のもとに、結婚以来初めてピンキーが訪ねてくる。

ムショで6年を過ごし出所したビットゥ(アビシェーク・バッチャン)は怒りを抱えていた。元々サットゥの右腕だった彼は、愛する女性アーシャーと一緒になるため足を洗うが、それを嫌がったサットゥのせいで逮捕され、アーシャーは自分から離れてしまい新しい家族を作っていた。ビットゥは今少しは大きくなったはずの娘ルシに会おうとするが、アーシャーに遠回しに拒否される。さらにはビットゥの出所を知るサットゥが邪魔をしてきて…。

 

いろいろ

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4つの陣地があるすごろくボードゲーム「ルド」になぞらえて、4つのオムニバス形式の小話がリンクしやがて大きな渦になるお話。

 

ヤクザや銃が出てくるのでてっきり殺伐群像劇かと思いきや、ブラックあり純愛ありほのぼのあり下ネタあり皮肉ありのコメディでした。ちなみに殺伐もちょっとありました。

いや~しかし、オムニバスってめっちゃ多い登場人物をまとめ上げるだけでもすごいよな、って思うわ…。めちゃめちゃてんこ盛りだし。それに登場人物がめっちゃいるのにそれぞれがちゃんとした役割を持ってる。幼馴染から、普通なら出会いもしないような組み合わせまで、(恋愛に限らず)人生が重なり合うカップリングがなかなかそそられるものばかりでね、どれもこういうの好きな人いるよね!みたいなやつでした。

緩急もあってめっちゃドタバタするシーンものんびりするシーンも両方何度かっていうかそれぞれの小話に両方ありましたね。飽きさせない作り。

 

 

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死と隣り合わせの人もいる中、意外と人が死ななかったり救いようのないひどい目に遭わなかったり遭ってもそんなにひどく見えなかったり。映画の内容でスタッフの人柄決めちゃダメなんだけど、なんとなく根が優しい人が作ったみたいだなって思っちゃいましたw

展開が予想できるところと意外すぎてできないところがあって、なんだったら予想できるところも制作側の思惑で予想できるようにしたんかもしれん…なんて、ここまでうまくやられるとそんなことも考えてしまうな。

 

特定の俳優さん目当てというよりは、好きな俳優さんがたくさん出ていたので色々ひっくるめてって感じですが、久々に新作にありつけた(タイミング逃して観れてなかった)アーディティヤ・ローイ・カプールに癒されたかな…。優しい笑顔で私の中で癒し系俳優です。スタンダップコメディのような腹話術がけっこうな下ネタでwめっちゃ笑ったw海外のスタンダップコメディは話の内容が理解できるのとできないのがあるけどこれはできてよかったw 声帯模写も似てたけど声って本人…?

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ラージクマール・ラーオ演じるアールーは初っ端から女装で出てきたかと思いきや、元詐欺師で食堂経営、その中身は純情で一途に1人の女性に片思いし、泣き上戸で…っていうかなり情報量が多いキャラ。なんでも女性中心に動いてていやほんま…不憫可愛い。

一人レトロファッションだったのも相まって、「あゝ純情」ってタイトルで演歌歌ってほくなりました。

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ストーリーテラーとして冒頭から冥界の記録官チトラグプタと閻魔ことヤマが出てきます。出番としては多い方ではなく物語にもあまり大した影響はない役割ですが、メタ要素も担っていて妙に目立つ立ち位置。ヤマの方はアヌラーグ・バス監督だったみたいなんだけど…全然気が付かなかったw 禅問答みたいなことやってました。コロナ禍の話もちらっと出てきて、早いな…って思いました。

 

正直ここ最近リリースされたNetfix限定インド映画の中で一番好みに合ってて面白かったと思います。大人向けのネタが絡むのでお子ちゃまには見せられない点で万人向けではないですが、アンソロジー作品として質としてはかなりオススメしたい作品です。

 

リンク

曲は爽やかか優しい系が多いんだな

 

「Aabaad Barbaad」

 

「Hardum Humdum」

 

「Meri Tum」アビシェーク・バッチャンと小さい女の子の組み合わせが最高でな…