インド映画でちょっと休憩

インドに愛を込めて

7G Rainbow Colony(レインボー団地7/G号室)

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2004年公開

出演:ラヴィ・クリシュナ

   ソニア・アガルワール

監督:セルヴァラーガヴァン

言語:タミル語

時間:185分

媒体:ネット配信(Sun NXT)

 

あらすじ

落ちこぼれ学生のカディル(ラヴィ・クリシュナ)は、近所に暮らす友人たちと喧嘩したり授業をサボったりしていたが、大学の定期試験に一人だけ落ち父親から見放されるなど鬱屈した精神でいた。そんな時、同じアパートに越してきたアニタ(ソニア・アガルワール)のことが好きになる。しかし彼女の家は事業に失敗したためにこのアパートに越してきただけで、元々は裕福な家で親の決めた婚約者もいた。またカディルはなにかと彼女にちょっかいをかけてしまっていて、好かれるどころか嫌われていた。さらにかカディルのアプローチ方法が悪かったため制裁も喰らい、ついにカディルは恋を諦めようとするが…。

 

いろいろ

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男の子の片思いを中心としたラブストーリーです。

 

素行も顔もあまりいいとは言えない男の子が、高嶺の花ともいえる女の子に無謀な恋をし、砕けて…その先はお楽しみに。(顔はべつに悪くないと思うんだけど台詞がそうなってた)

たまたま同じアパートに引っ越してきただけど女の子は本来もうちょっとハイクラスな人で、言わば環境の違う人に恋をした形です。ちなみにカーストは特に関係ないです。

 

カッコいいヒーローはいません。

片思いの時間が常識的に考えて真っ直ぐな気持ちからくる行動としては受け入れがたい、あのストーカーっぽい"インド映画式アプローチ"がちょっと多いです。不器用な恋からくるもどかしい気持ちよりもそっちの気質が強くて、やりすぎで引いてしまうところがあります。

なのでちょっと映画そのものも受け入れづらいところあるかもしれない。

擁護するなら、作品のスタンスとしてもストーカー紛いのアプローチはよしとしてなくて、結局糾弾される展開になります。最初は2004年の映画だからストーカー紛いの描写も仕方ないのかな~受け流そうかな~って思ってたんだけど、糾弾されてるの観て単純にアプローチとして描こうとしてたんじゃないんだとわかりました。

これがアプローチされる側も最初からまんざらではない、だったら他の映画と同じくスルーされてたかなw

 

  

まぁ…それだけじゃないんですよ…。

監督が…セルヴァラーガヴァンなんですよ…。『Kaadhal Kondein』『NGK』などすさまじいストーリーを描く監督です。

鑑賞前に検索しちゃったせいで終盤あたりのネタバレを踏んでしまってたから、そのシーンに驚きはなかったんですよね。知らなかったらかなりショックを受けてしまっていたから、逆に心の準備ができてよかったような、やっぱり知らずに観たかったような…。

しかしその後もなかなかすごかった。

最後の頃、↓このシーンは感服した…。正直ここの前まではなんでそういう展開にしたんやって思ったんだけど、もしかしたらこのシーンを入れたくてそうしたのかな?って思うくらい印象的なところでした。

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さすが セルヴァラーガヴァン監督…もう私はあなたに頭が上がりません…。

この監督の描く愛ってすさまじいんだよ…ホントもう…。正直最後のあたりを観てほしいがために必見と言いたい作品です。

インド映画って淡い恋心から運命的であったり倒錯した愛とか、いろんな形の愛が描かれてきたと思うんですが、今回もまた一つの形の愛を見せてもらったぜ…って感じです。一つの映画の中に、欲だけの愛から性愛と秘密の愛と相手を想う愛と、色々な愛が出てきました。

 

片思い系ラブストーリーだとやっぱ切ない気持ちを味わうのが醍醐味だと思うんですが、片思い系と言いつつそれは通過点の一つで、最後まで観た後はそれよりもっとでかい感情が残る映画です。

 

リンク

今回歌のシーンの動画アップされてなかったのでなしです

 

おまけ

ちなみにネタバレシーンはそこまで映像化せんでええやろ…SAN値下がってしまう…って感じでしたw