2021年
出演:メーガー・マートゥル
ムザッファル・カーン
シヴァン・スペクター
監督:リテーシュ・シャルマー
言語:ヒンディー語・英語・ヘブライ語+日本語字幕
時間:97分
あらすじ
セクシーダンサーのラニ、ムスリムの手織りサリー職人シャダブ、彼らを取り巻く家族や恋人、旅行者たち。バラナシで生きる人たちに起きる事件を描いたドラマ。
いろいろ
東京国際映画祭で上映された社会派ドラマです。
苦手な社会派としては、案外楽しめました。生き死にの哲学的なものだったら多分合わないのでしんどかったけどそうではなかったです。
ダンサーのラニはバラナシの小さな舞台でセクシーなダンスを踊る人。シングルマザーで娘を寄宿学校に行かせようと頑張っています。ラニは女性の辛いところを凝縮したような人で、ぶっちゃけ観ていて辛かったです。
手織りサリー職人シャダブは、貧しくはありつつもムスリム社会の中で淡々と暮らしている独身男。病気がちな叔母と暮らしていますが、年齢的に結婚の圧力がかかっています。そんな彼はイスラエル人の女性旅行者と出会いますが、生き方が違いすぎる彼女に戸惑いながら彼女を意識し始めます。彼は彼で両親が死んでしまった過去の事件で深い傷を負っている人物です。
序盤は生活中心の静かな様子だったのが、終盤は気付けば大きな渦に巻き込まれていた様相がありました。群像劇の登場人物たちが最後リンクするのはよくあるパターンなのでいつかは繋がるんだろうなとは思っていましたが、あり得そうでありつつ衝撃的な事件で考えさせられました。
以下は、解説代わりのトークサロンを観たうえでの感想。
監督としては、ヒンドゥー教の聖地として有名なバラナシでイメージが先行していることに対してリアルな部分を見せたかったということで、ムスリムであったり、神聖とは言えない職に就いている人を主人公に据えたとの意図がありました。
ここが意外性として捉えられたみたいなんですが、しかし個人的には、少数派とはいえ主要都市に限らずいろんなところにムスリムほかヒンドゥー教徒ではない人が暮らしているのは知ってるし、そこについてはあまり新鮮味はありませんでした。
あとは、メジャー路線のインド映画がフィクションであることは当たり前だとして、この社会派作品もフィクションであることは忘れてはいけないかなと思いました。「社会派作品こそリアル」に見えてしまう時もありますが、ここに出てくるバラナシも監督の物語というフィルターを通した一面でしかないかなと。
リンク
予告
トークサロン