インド映画でちょっと休憩

インドに愛を込めて

ライトニング・ムラリ(Minnal Murali)

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2021年公開

出演:トヴィノ・トーマス

   グル・ソーマスンダラム

    アジュ・ヴァルギース

   シェリー・キショール

監督:バシル・ジョセフ

時間:159分

言語:マラヤーラム語+日本語字幕

媒体:ネット配信(Netflix)

 

あらすじ

クルッカンムーラ村の仕立て屋ジェイソン(トヴィノ・トーマス)は、外国かぶれの目立ちたがり屋。彼はビッグになって彼女と結婚しようと、米国移住の準備をしていた。しかし、彼女ビンシー(スネーハ・バーブ)はアニーシュ(ジュード・アーンタニ・ジョーセフ)と婚約しジェイソンを裏切ってしまう。

意気消沈するジェイソン。クリスマスの夜、3つの惑星が三角形に並び発生する雷が村に落ちてくる。落雷はジェイソンに直撃するが、奇跡的にジェイソンは無傷で生還する。しかしその直後から、彼の身に異変が起こり始める。

一方、村ではもう一人落雷に遭遇していた人がいて──。

 

いろいろ

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Netflix公開となったマラヤーラム語のスーパーヒーロー映画。

世界同時で日本語字幕もついてるから最初からNetflix制作なのだと思ってたら、元々は劇場公開を予定していたけどコロナの影響で切り替わったそう。日本語字幕が付くインド映画の基準がわからないw(そういえば『トリッキー・ワールド』もそうだった)

 

インドでアメリカのスーパーヒーローものの人気が定着してきたことに影響を受けてか、ここ近年にわかに盛り上がっているインドのスーパーヒーロージャンル。全国区のヒンディー映画はもちろん、各地ローカル映画でもいくつもの作品が世に出てきました。秀作も多く、期待値は上がる一方。

ローカル作品で一番期待したいところは、昨今のヒーロー要素を備えつつもローカルの特徴を生かした、ミックス的個性が光る内容。本作もマラヤーラム語映画の牧歌的な雰囲気はそのまま、アメリカンスーパーヒーローに対しわかりやすいオマージュを加えた作品になっていました。最高かな。

ちなみにスーパーヒーロー映画は本作がマラヤーラム初ではないそうです。初はアンソン・ポールの『The Gambler』らしいです。しかしそっちは評価的にはあんまりスーパーヒーローしてない、らしい。逆に気になるw

 

オリジンストーリーとして、主人公がヒーローとして立ち上がるところがメインのお話となっています。それに加えて村の人間としてのアイデンティティとか、庶民的な部分とかが多いので、ヒーローがヒーローらしくあるのはわりと後半にかけてになります。しっかりしたコスチュームが出てくるのは最後の方だし、さっさとヒーローの活躍を観たいという人にはちょっと物足りないかもですが、マラヤーラム映画の味を出すなら私はこれで十分だと思います。

 

やはりスーパーヒーローものは得た力をどう使うかが問題になってきますね。この辺『ライトニング・ムラリ』ではヒーローとヴィランの力の種類も技量もあまり大きな差がないので、より顕著になっている気がします。

同じ村に暮らす庶民だし、力を得た経緯が同じだし、恋に苦悩してるし、心に傷を負ってるし。ヒーローだって一歩間違えればヴィランになりうる。今回の違いは主人公とヴィランが精神的に孤独だったかそうでなかったかの違いかな~。

 

甥っ子めちゃかわ!甥っ子が親友兼サイドキックのポジションです。甥っ子ちゃんは雷に打たれないので超能力はないですが、ちょっとおバカな主人公の頭脳担当っぽいところはあります。主人公にアメコミヒーローを教えるとか。活躍はしないですけど居るだけでいい。とにかくかわいい。そういえば主人公に同年代の親友がいなかったな。いやきっと友人は居るだろうけど。

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序盤のジェイソンのファッションがとてつもなくダサい(笑)。本人はカッコいいと思ってるのがさらにダサい。しかしここは終盤にかけてちょっとミソになっててそこ好きですね~。

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服装といえば、サンタクロースの定番の赤い服って上半身長めだったりするじゃないですか。あれもルンギみたいにたくし上げてて笑いました。なんでもたくし上げるのね!!

 

ゆるっとしつつエモくもあり、いい味したヒーロー映画でした!とっても続きが観たい!

 

リンク

「Ravil」ヴィランのストーリーがしんどい

 

「Thee Minnal」ノリノリなやつもね!

 

おまけ映像3部作?公開前からしっかりドラマっぽく作ってあるおまけ映像珍しいし、ゲストもいるし、いろいろと豪華。

↓日本でもプロレスファンなら知ってるかな?ザ・グレート・カリ(ジャイアント・シン)として活躍するプロレスラーがゲスト

↓クリケットのスター、ユヴラージ・シンがゲスト

 

おまけ

ヴィランは念力を得意としつつも主な攻撃が火だったんだけど、火であることになにか意味はあったんだろうか…。この映画全般的に火がミソになっている。