インド映画でちょっと休憩

インドに愛を込めて

ラーンジャナー資料集

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いままで断片的に収集してた資料をまとめてみました

※ネタバレあり!!!!

日本で上映歴

IFFJ2014

IMW2019/2020/2021

ストーリー的解説があるもの

 

映画の引用

だいたいが『ラーンジャナー』のシーンとリンク

少年時代映画館で見ている映画『Saajan』

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【あらすじ】片足が不自由なアマンは、天涯孤独の身。しかし彼にはアーカーシュという親友が居た。彼の両親もアマンを実の息子のように優しく接してくれていた。おかげでアマンはアーカーシュの父親の会社で働くことになる。一方でアマンは、サーガルの名前で詩人として活動していた。そんな彼のもとにプージャという女の子からファンレターが届く。同封されていた彼女の写真を見て、彼は恋に落ちる。偶然にもアマンは出張で来ていた街の一角で本屋を経営していたプージャと出会い、2人は仲良くなる。しかし一方で、アマンの親友アーカーシュもプージャと出会い一目ぼれしてしまう。自分より恵まれたアーカーシュがプージャと恋仲になった方が彼女が幸せになれると考えたアマンは、アーカーシュにサーガルのフリをさせることになるが…。

──好きだった女の子があとから現れた男に奪われそうになる…という引用

 

冒頭に流れる曲(クンダンの独白と一緒にかな?)

『Aashiqui』(1990年)から「Ek Sanam Chahiye Aashiqui Ke Liye」

超有名恋愛映画。

 

 

クンダンの少年時代、小躍りするシーンで流れる曲

『Coolie』(1883年)から「Hamka Isak Huwa Hai Yaaro」

イスラーム教徒の男性がキリスト教徒の女性と恋に落ちるエビソードがある

ベースとなった「ヒールとラーンジャー」についての記述

前提:『ラーンジャナー』は「ヒールとラーンジャー」の「ラーンジャー」のこと。

 

「ヒールとラーンジャー」物語

の中のこれ↓

003_パキスターン民話.pdf - Google ドライブ

 

インドの宗教的慣習

基本事項:異教徒同士は結婚が難しい(保守的なら特に)

信者の証1 名前

クンダンが「リズワン」ととっさに名乗るのは、ゾーヤーがイスラーム教徒であるのに対しクンダンがヒンドゥー教徒で、相手にされないと考えたため。リズワンはイスラーム教徒の名前。「アクラム・ザイディ」もイスラーム教徒に使われる名前。名前・苗字である程度宗教がわかる。「ジャスジート・シン・シェールギル」はシク教徒。

ゾーヤーはクンダンの例もあり両親含め結婚を家族に反対されることはわかっていた。しかしジャスジートがシク教徒であれど愛を優先して結婚しようとした。

信者の証2 身に着けるもの

クンダンはシャツの中に身に着けていた聖紐でヒンドゥー教徒だとバレる。聖紐はウパナヤナの儀式の際に身に着けられる。左肩から右脇の下に掛けるもの。聖紐を身に着けるのはバラモンで、この紐がある=ヒンドゥー教徒のバラモンという証拠になる。ちなみに映画でムラーリーが沐浴してるときこの紐を身に着けたままゴシゴシ洗ってるシーンがある(はず)。

 

クンダンがシク教徒を指して「彼はヒンドゥーだ」と暴露した件について

インド憲法第25条が、シク教、ジャイナ教、仏教はヒンドゥー教の宗派であるとみなしている

https://www.moj.go.jp/isa/content/930002583.pdf

そのことから、ヒンドゥー教徒の立場であるクンダンは、イスラーム教徒と結婚しようとしているシク教徒もまた自分と同類であるという趣旨の暴露をした、と考えられる。もちろん「彼はシクだ」でもおそらく大差はないけど、ヒンドゥーにひっくるめたほうが「俺はヒンドゥー教徒だからイスラーム教徒のゾーヤーに断られたのに、彼が断わられないのはおかしい」という主張が強調できる。(クンダンは自分がヒンドゥー教徒だったからゾーヤーと結ばれないと考えている)

シク教・ジャイナ教・仏教側からしたら、ヒンドゥーの類にされていることを嫌がる人もいる。

 

スポット

ここはシク教の寺院

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こっちはイスラーム教(スーフィー信仰)の聖者廟

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この時クンダンは罪悪感でいっぱいでなんでもいいから縋りたかったのかな。自分のアイデンティティの宗教以外なんて…っていう人もいるくらいだけど、クンダンは信心深くはなさそげ



ほか小ネタ

「クンダン」は金(Gold)という意味

「ムラーリー」はクリシュナの別名

 

ロケ地