2011年公開
出演:リティク・ローシャン(アルジュン)
アバイ・デーオール(カビール)
ファルハーン・アクタル(イムラーン)
カトリーナ・カイフ(ライラ)
カルキ・コチェリン(ナターシャ)
ナスィールッディーン・シャー(特別出演)
字幕:英語字幕
時間:154分
第8回ラテンビート映画祭やインディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパンで上映され、日本でも観れる機会があった秀作。
個人的にちょっとインドから抜けてる時期に上映されてしまったので、タイミングを逃し今回英語字幕で鑑賞。
あらすじ
※映画祭サイトより拝借
結婚を間近に控えたカビール(アバイ・デーオール)は、親友のアルジュン(リティク・ローシャン)、イムラーン(ファルハーン・アクタル)とともに、独身最後のスペイン旅行に出かける。旅先でも仕事に追われるビジネスマンのアルジュンは、魅力的な女性ライラ(カトリーナ・カイフ)と出会い、自分の生き方に疑問を持ちはじめる。一方、お調子者のイムラーンには、スペインへ来たもう一つの目的があった…。
いろいろ
結婚を間近に控えた男性が、親友と共に独身最後の悠々自適な旅行に出かけるといういわば「バチェラー・パーティー」的映画。
第8回ラテンビート映画祭(スペイン語圏の映画祭)で何故このインド映画が公開されたかっていうと、それはほぼ全編スペインロケだから。スペイン観光局(?)の協力もあったようで、本編開始前にスペインの観光CMもちゃっかり。2000年代はボリウッドもかなり海外至上主義的なロケも多かったけど、それは大半が英語圏(イギリス・アメリカ等々)のお話。スペインが舞台なのは珍しいです。
全編スペインロケということもあり、綺麗な観光地やトマト祭・牛追い祭、はたまた定番のアクティビティ・スキューバダイビングやスカイダイビング等、これでもかとスペイン旅行の要素が。特に空から眺めるスペインの景色や海のシーンは見応えあるので、観るなら是非ブルーレイでオススメします。
旅行に出かけたくなります。旅行我慢している人は注意です(笑)。
もちろん見どころはスペインロケだけではありません。あくまでスペインは旅先という立ち位置。
本筋は3人の男性が旅行中、(意図せずですが)人生を見つめなおすところにあります。
ここで3人の紹介。
アルジュン(左) は証券トレーダーの仕事人間。今のうちに稼げるだけ稼いで40歳で引退しようと考えています。今回の旅行は初め、昔した約束として若干渋々参加。仕事道具も持ってきていました。しかしアルバイトでスペインに来ているライラとの出会いが、彼の人生を見つめなおすきっかけとなります。
アルジュンを演じるリティクがこの中ではおそらく一番人気俳優なので、中心となるシーンも少し多めです。
カビール(中央) は近々結婚を控えた男性。この旅のきっかけとなる人です。見た目は3人の中では一番地味かも(笑)。婚約者のナターシャとはよくTV電話で会話しますが、ふとした時にライラとの関係を疑われ、ナターシャが中盤で旅行に乗り込んできてしまいます。
イムラーン(右) はこの中で一番のお調子者。子供っぽくアルジュンの仕事の邪魔をしたり、何かとアルジュンとぶつかりがちなのですが、実はこのスペイン旅行にはある目的が。
カビールを演じるファルハーン・アクタルは、『DON』シリーズやその他にもヒット作を手掛ける監督もしています。この『Zindagi Na Milegi Dobara』の監督ゾーヤー・アクタルとは双子の兄妹です。あとダミ声。
女優陣。
メインはライラ役カトリーナ・カイフ。脇としてなので出演時間は多くないですが、存在感はあり目立ちすぎずかすれすぎずという感じでした。元々ハーフなので海外ナイズした役が似合います。
カルキ・コチェリンは婚約者ナターシャ役。上記の通り男だけの旅行に介入して来たり、男子目線でいくと若干ウザそうなキャラクター。でも自分は結構この人の気持ちわかりますww
あ、そうそう。スペインだけじゃなく日本も出てきました。ロケじゃないですけど。
アルジュンが旅行中、パソコンのTV電話で話してるのは「ヤマモトサン」。リティクが日本人ぽく「モシモシ」と言ったりペコペコお辞儀をしているのはちょっと面白いです。ワーカホリックなアルジュンに、同じくワーカホリックに見られがちな日本人を重ねたのだと思います。
あと、アルジュンの携帯電話を捨ててしまったイムラーンが買ってきたのが写真のピンク色の携帯電話。アルジュンが不満そうに「俺はトレーダーなんだぞ!日本の女子高生じゃないんだぞ!(こんな見た目の使えるか!)」と言っていました。よくわかってるな、アルジュン(笑)
「人生は一度だけ」というテーマ、人生を自分のために謳歌しようというテーマは最近増えてきたような気がします。昔からインドで美徳とされてるのは家族の為、来世の為にいい行いをすることであって、今の人生は戻れないんだから悔いの無いように生きようというのは最近の潮流?西洋的思考のような気もします。映画の自体が観客に夢をみせるものではありますが、あまりに観客と価値観が違いすぎたり、現実世界を舞台にしているのに非現実的すぎたりするとそっぽ向かれると思うので、そういった意味ではこういう展開が描かれた映画がインドでヒットしたというのは結構おもしろい事だと思います。
リンク
トマト祭~~~!
カフェで流れてそうな感じ「Khwabon Ke Parindey」
俳優本人たちが歌ってます。
おまけ
リティクとカトリーナのカップリングといえば、トム・クルーズとキャメロン・ディアスの『ナイト&デイ』のリメイク『Bang Bang』が来年に控えているとの情報が。『ナイト&デイ』は個人的にお気に入りなので楽しみです(アメリカで大ヒットとはならなかったのですが)。そういえば『ナイト&デイ』にも牛追い祭出てました(笑)。