インド映画でちょっと休憩

インドに愛を込めて

Raees(ライース)

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2017年公開

出演:シャー・ルク・カーン

   ナワーズッディーン・シッディーキー

   マヒラー・カーン

   ムハンマド・ジーシャーン・アイユーブ

監督:ラーフル・ドーラキヤー

時間:142分

言語:ヒンディー語+英語字幕

媒体:スクリーン(@スペースFS汐留)

 

あらすじ

禁酒州として知られるグジャラート州。この州で酒は違法な存在であり、それを扱うのは専ら"ならず者たち"の仕事であった。

貧乏なイスラム教徒家庭で育った少年ライースは、子供ながらの方法で仕事を得、雇われるようになる。

いくつかの年月が経ち、大人になったライース(シャー・ルク・カーン)は、実業家として独立することを考え、ムンバイのマフィアの後ろ盾を得る。彼は酒の密売をスタートし、のし上がっていくが、そんなライースに警察・特にマジュムダール(ナワーズッディーン・シッディーキー)が目を付け始める…。

 

いろいろ

お酒とマフィア、そして一人の男の物語。

 

シャールクが渋マフィアでした。

ヒゲに眼鏡…年齢に無理せず、今の51歳(撮影時は50歳?)の状態で出せる最大限の魅力を引っ張り出してきた感じでかっこ良かったです。

このシャールクならイケる!…そう思いました。

彼が演じるのは酒の密売人として暗躍するライース。頭の切れる男で、ボスは彼を恐れてか「独立したい」と言われた時無理難題を吹っ掛けるものの、逆にそれをアイデアと運で乗り越え、さらにはムンバイマフィアの後ろ盾も得るという、なかなかすんごい男でした。

一方で、少年時代に母親に教えられた「どんなビジネスも良いビジネス、そしてビジネスより偉大な宗教はない」「誰も傷つけない」(どっちもたぶん訳)という言葉を信条とし、同じ街で暮らす庶民には手厚く世話をし絶大な支持を得ている、と、犯罪ビジネスにかかわっているだけではない人間であるというのがミソですね。ただ、この辺りが後半彼を追い詰め、苦悩させることになるんですけど…。

 

…と言いつつも、私が注目したのは脇役の方でした。

まずはライースの友人サディーク役ムハンマド・ジーシャーン・アイユーブ。サディークはライースより若干若く見えましたが、少年時代からの友人なので実際は同じ年かそんなに離れてない…はず。

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(画像出典:www.youtube.com)

ムハンマド・ジーシャーン・アイユーブ『Raanjhanaa』でクンダンの親友としてアレコレ駆け回ってたあの彼です!あともうちょっと最近だと『Tanu Weds Manu Returns』にもいたね!今回は髭が生えてて素敵度マシマシ!きゃー♡

私昔は「ヒーローの友人て損なポジションだなあ」と思ってたんですが、今は「意外とオイシイキャラクターなのかも!」と思っています。

 

次はライースの彼女(後に妻となる)アーシヤー。

パキスタンから呼ばれた女優マヒラー・カーンです。

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(画像出典:www.youtube.com)

以前からメディアでたまに見かけてて、パキスタン映画『Bol』でも観ました。実際のところは分からないですが、パキスタンではトップというか上位の女優さんですよね?ボリウッド初作品ですが、TVや映画のキャリアがあるだけさすがのこなれた感。

今回はグジャラートの田舎の女性だったからか画面映りがそれなり、な印象でした。次回は是非都会のラグジュアリーな女性役で観てみたい!って思ったんだけど、パキスタンとインドの関係がアレだからしばらくボリウッドではないかも…。そいえば印パ関係どうなったんですかね~~~??

とりあえず次回作は『Bol』と同じショエーブ・マンスール監督のパキスタン映画『Varna』だそうです。

ラグジュアリーだとこんな感じ→Youtube

 

そしてそして!ナワさん…!!

もうこの人が警察官だと何かが起きる予感しかしない!!

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(画像出典:www.youtube.com)

ネタバレじゃないけどこれから観る人は読み飛ばしてゾーン-----

この『Raees』の結末は、彼とライースとの闘いが「勝利」であるか「敗北」であるかなことも大きな意味を持つのかな~なんて思ってます。が、いかんせん英語字幕だったので、最後の方2人が語っていたものを「勝利」「敗北」でくくると実際とは論点がずれてしまうのかも…って思ってちょっと自信がないw…ので伏せました。一応、私の中では片方で決まってます(内緒)。

(↑白文字なので反転したら読めます)------------------

 

マフィア絡みの物騒な展開だけでなく、ヒロインとの恋愛をはさんだり、ダンスシーンを多く入れてきたりと、前半は特に盛りだくさんで楽しめました。後半は主人公が苦悩する分どうしても難しくなりますが、まぁそのあたりは仕方ないかな、と思います。結末について詳細は伏せますが、個人的にはあれで納得でした。

 

アクションは、インド映画的な車が飛ぶ!人も飛ぶ!なド派手なのはないものの、バリエーションに富んでいて飽きなかったです。

山羊の肉が武器になってたのはびっくりしたし面白かった…wあと眼鏡ですら武器に!(ていうかあの眼鏡、モダンの部分がなかったんだけど…???)

\銃は派手にぶっ放すよ!/

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(画像出典:www.youtube.com)

 

「Battery Nahi Bolneka(訳:メガネ君て呼ぶんじゃねぇ)」のセリフが印象的。

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(画像出典:www.youtube.com)

 

ウィキペディアによると、アブドゥール・ラティフという実在の人物をベースにしているとかしていないとか。似ているところもあるし、全く違うところもあるようです。ベースにしたとしても、実話物というよりはエンターテイメント性が高いものでした。そう言った意味でも映画・フィクションとしての醍醐味を味わえる仕上がりだったので、とても楽しめました。

あと、グジャラート文字&ウルドゥー文字?&デーヴァナーガリーの三つ巴で文字オタの私発狂!もんのすごくグジャラートに行きたくなりました。

力作の映画です。これから観る方、是非楽しみにしてください。

 

リンク

「Udi Udi Jaye」

メインストーリーが緊迫しているので、こういう曲が入ると精神的休憩があっていいですね。

凧上げのシーン、ちょうど最近Netflixで凧上げのドキュメンタリー観たばっかりなのでテンションあがりました。

 

「Dhingana」

ライースさんのお酒ビジネスがよくわか~るシーン

 

「Laila Main Laila」

アイテムガールはサニーちゃんだよ!派手にやっちまいな!

こちらとの聞き比べも是非!→「Laila O Laila」

 

 

おまけ

Spacebox Japanさんでの上映会でした。他にも撮った写真あるよ~

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↑大きめ看板!人が前に立って普通に記念撮影できるサイズ!

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↑ポスターはわんさか!(…の一部。)

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↑インターミッションはサモサとチャイ!サモサおかわりしたかった!