インド映画でちょっと休憩

インドに愛を込めて

Hum Dil De Chuke Sanam/ミモラ 心のままに

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1999年公開

出演:サルマン・カーン(サミール)

   アジャイ・デーヴガン(ヴァンラージ)

   アイシュワリヤ・ラーイ(ナンディニ)

   ヘレン(特別出演)

字幕:英語字幕

時間:180分

 

私の初ボリウッド作品(初インド映画はムトゥ)。なのでレビューに邪念が入ることをお許しください。

日本公開タイトル『ミモラ 心のままに』は当時物議を醸した…らしいです。

 

あらすじ

インド。高名な声楽家を父に持つ18歳のナンディニ(アイシュワリヤー・ラーイ)は、イタリアからインド音楽を学びに来た魅力的な青年サミール(サルマーン・カーン)と恋に落ちる。しかし、青年弁護士ヴァンラジ(アジャイ・デーヴガン)もナンディニを見初め、両家の間には縁談が持ち上がる。サミルは、二人のことを師匠に話そうとするが、その前に見つかり、帰国させられる。ナンディニは失意の中、自殺を図るが一命を取りとめ、ヴァンラジの元に嫁がされる。夫もその家族も彼女に優しく接したが、サミールを忘れられないナンディニの心は沈むばかり。彼女の心を知ったヴァンラジは激しく動揺しナンディニを責めるが、「僕の愛は自分の幸せよりも愛する人の幸せを望んでいる」と気付き、彼女を連れてイタリアにサミールを探しに行く。

 

いろいろ

監督はサンジャイ・リーラー・バンサーリー。監督作に『Devdas』『Black』『Saawariya』等があり、徹底した世界観を作る監督として有名です。本作も舞台セットから徹底的に作り込んだ『Devdas』にはバンサーリー色が薄まってはいますが、前半は特に綺麗な映像でインドの世界をこれでもかと見せてくれます(室内ばっかりですけど)。

 

 

あらすじを話そうとするとどうしてもネタバレの方向になってしまうので(とか言って他のサイトではこの映画かなりネタバレしてる)、以下は歯に物が挟まったような書き方になります。

この映画、インド映画を見慣れていない日本人には少々難しいかもしれません。

当時中学か高校生だった私がレンタルビデオで借りた映画だったのですが(当時まだビデオテープだった)、結末は若干トラウマになりました。というか、感情移入する相手を間違えたもしくは応援する相手を間違えたのが原因です。以後インド映画・洋画に限らずこういった3角関係モノの見方が変わりました。ストーリー展開は当時のインド映画の標準的なルールに則って結末を迎えるので今だったら普通に理解できたかもしれませんが当時はちょっとモヤモヤしてました(笑)。

 

ちなみに私のアイシュ信仰はこの映画から来てます。

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なんかすんげぇ美人がいるよ…と思いました。彼女は初めてファンになったインド人。

本作では最初から最後まで出ずっぱりです(でもクレジットは3番目なのよね)

着ているインド服もきれいなのばかり。はー、目の保養www

前半は天真爛漫で少女っぽく(設定は18歳)、後半は落ち着いた雰囲気でドキッとするくらい大人の女性に見えます。前後半で老けた?っていうくらい違うかもw

彼女、コメディとかより真面目系暗め系作品が多いので、必ずしも彼女の出てる映画は好きではないのですが。

 

 

サルマンは前半メイン、アジャイは後半メインで出てきます。

2人どちらか目当ての鑑賞…になると出ないシーンも多いので物足りなくなるかもしれません。

サルマンは人相が悪くなる直前くらい?ちょっと目のクマが増えてきた頃のように見えます(今超目つき悪いもんねぇ)。

イタリア人とインド人のハーフで、歌の修行でイタリアから来た、という設定。まぁイタリアっぽさがあるかないかは別として、なんともまぁ自由なキャラクターです。相変わらず脱いで上半身の鍛えっぷりを披露してます。

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脱ぎたいのか脱げと指示されたのか…

 

アジャイは序盤ぼーっとしてます。本人はナンディニの美しさがどうのこうの…とか言ってました。かなり優しい男性役です。照れるところとか地味にかわいいです。優しすぎて「おいおいそこまでやるのか?」って感じもしましたが、惚れた女には弱いのでしょうか(彼に演歌を歌わせたい)

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インド人白スーツ好きだよね

 

肝心の日本語版ですがタイトルは『ミモラ 心のままに』。

自分が初めて見た時はすでにビデオ化されたあとなので特に不思議に思いませんでしたが、

「ミモラ」は挿入曲「Nimbooda」から拝借、しかも「ニンブーダ」が「ミモラ」と聞こえるという空耳で、リアルタイムのファン(日本公開は2002年?)からするとなんちゅータイトルや…と不評だったそう。

見事インド映画邦題黒歴史にその名を刻んだのでした…。

 

もう一時代(二時代?)前の作品なので、ストーリー・演出的にも今改めて観る必要性はあるかはわかりませんが、

かなり手の入りにくい日本語DVDが手に入る状況でしたら買っておいて損はないと思います(というか自分が欲しいからよこせ)。

最初から最後までラブストーリーです。コメディ要素も少ないのでしっとりした作品です。大人向け。

綺麗な映像好き、バンサーリー監督好き、アイシュワリヤ・ラーイ好きな方は楽しめるかと。

 

以下ネタバレ。※PCだと反転すると文字が出ます 今回改めて2回目鑑賞で、アジャイさん良いオッサンやなと感じました。と、同時にサルマンの方は自分から愛を勝ち取りに行くというくだりがなく後半全然活躍しなかったので、たしかにこういう結末の方がしっくりきます(笑)。今見たらサミールがすんげぇ子供っぽい。当時はとにかくサルマン=イケメン、アジャイ=もそっとした人くらいの目線で見てて、また愛は1つを貫いてナンボだろという感覚だったので(日本だとそういうの多いから)、最後のサミールの泣きっぷりがかなりかわいそうに見えました。最後のサミールは今でもちょっと可哀想に見えますけど。

でも、もっと先にこの結末を予感させるようにヴァンラージのダンスシーンを増やすとか、終盤サミールとヴァンラージの偶然の出会いで歌ってる歌をなくすとか、サミール側に期待させる場面を減らしておいてくれたらなぁ…とも思いました。

Youtube公開動画とかメインの曲にサミール&ナンディニいちゃいちゃシーンが多いので、記憶が抜けている本編はどんだけいちゃいちゃシーン多いねん、と思ったのですが意外と少なかったような気も。2人の気持ちが通じ合ってから状況が暗転するまで意外と早いと感じました。

ネタバレ終わり。

 

リンク

音楽は秀作揃い。インドの舞台はラージャースターンです。

ちなみに振付師が監督を含め6人くらいいてビビりました。1曲に1人いるかも。

 

「Nimbooda Nimbooda」邦題の元ソング。楽しくて好きです。

「Aankhon Ki Gustakhiyan」アイシュがめちゃくそ綺麗。

「Dholi Taro Dhol Baaje」

 

アジャイさんのタイトルソング載せたいんだけどちょっとネタバレなんだよなぁ~(-_-;) あとお気に入りの凧揚げソングがあるんだけど見つからないのでそれは本編で確認してください →公式ありました。コチラ(youtube)

  

おまけ

『スタンリーのお弁当箱』に出演していた理科の先生(細身で生徒にキツめの先生)が、ヴァンラージの妹(もしくは姉)役で出ていました。役者なので他の映画に出てても何ら不思議ではないのですが予想もしていないところで予想もしていない人に出会うとテンションが上がりますねww