東京国際映画祭インド映画3本めはマラヤーラム映画です
2017年
出演:ラージャシュリー・デーシュパーンデー
カンナン・ナーヤル
スジーシュ・K・S
ヴィシュヌ・ヴェード
監督:サナル・クマール・シャシダラン
言語:マラヤーラム語+日本語字幕
時間:86分
媒体:スクリーン@TOHOシネマズ六本木SCREEN9(東京国際映画祭)
あらすじ
(東京国際映画祭公式サイトより引用)
北インド出身女性のドゥルガと、ムスリム男性のカビールが無人の夜道を歩いている。駅まで車に乗せてもらおうとヒッチハイクをすると、いかがわしい車に乗せられてしまう。一方、近郊の村では女神ドゥルガを称える祭が行われており、身体にフックを突き刺す肉体的苦行を捧げる儀式に見物客が群がっている…。
いろいろ
↑規制かかったため本国では「S Durga」のタイトルになったそうです
日本だとまだまだ珍しいモノ扱いのマラヤーラム語映画が東京国際映画祭に登場。あまりそそられるテーマじゃなさそうだったんですが、これを逃すと一生観られないような気がしたので観てきました。
監督サナル・クマール・シャシダランはいままでクラウドファンディングで短編3本と長編1本を撮っているそうです(公式サイト情報)。これもインディーズ系なんでしょうかね?
いままで観てきたインドの社会派・アート系作品のイメージそのままの映画でした。
はっきりとしたテーマがあるんだけど、つかみどころのない感じ。まぁ私の苦手とするところwww
正直、事前にこの批評みたいな解説を読んでなければもっと悪い感想で終わってしまうところだったかも。
インド社会において、女性は女神にも搾取の対象にもなりうるという、その二面性を描く作品である。しかし、本作の見どころはシャシダラン監督の特異な作家性だろう。男女が車に乗った瞬間から不条理な悪夢のループが始まり、とても目的地には辿りつきそうにない。そして平行して描かれる祭の様子は、優れたドキュメンタリー作品のような趣きである。ラストに流れるヘビメタのBGMも印象に残る。ロッテルダム国際映画祭タイガー・アワード(最高賞)受賞作。
「~その二面性を描く作品である」ってところは、監督の意図するところなのかはちょっと私だと分からないんですけど(インタビュー見たわけじゃないし)。もしかしたら国語の授業「ここの箇所の作者の気持ちを答えなさい」系かもしれない……なわけないかw 私ここは「二面性を~」って言われなきゃ気付かなかったかもしれないw
そうそう、お祭りのシーンがすごかったです。凄かったってのは、インドのお祭り見慣れた人ならそこまで感じないかもしれないレベルでって意味で。っていうのは私なんだかんだいってリアルなお祭り映像でも生でもほとんど見た事なくて…。トランス状態に入った男性とそれをがっしりを押さえてる男性とか、上記のとおりのフックで吊られた男性とか(見てるの痛い)、
この映画に出てくるお祭りは、台詞とか物語とかを混ぜずほんとただずっとお祭りのシーンを映してました。ほんと言われる通りドキュメンタリーみたいでした。映画のためにお祭りしたのか、どこかでお祭りやってたのを撮りに行ったのか、映像では判断つかなかったです。
見ごたえありました。
一方でドゥルガとカビールが出てくるのはずっと夜のシーンで、ジットリと怪しい趣き。ドゥルガとカビール、きっと多分絶対駆け落ちなんでしょう、ドゥルガが大きい鞄を持って、カビールが友達のバイクに乗ってきて待ち合わせ、そのまま長距離列車に乗れる駅に向かうんですが…
通りがかりに載せてもらったバンの運転手たちは、2人にちょっかいを出すし、ずいぶんと詮索してくるし、ドゥルガのことをじろじろと見てくるしですぐに不安を感じるドゥルガとカビール。途中で降りようとしてもなかなか降ろしてくれないのでちょっとの隙をついてバンから逃げる2人だけど…。
淡々としつつも危機が背後にぴったり付いてくるこの感じ…心臓に悪い…好きではない…。好きではないんですが、大きな事件は起きないのにずっとハラハラしっぱなしで、そういうの好きな人にはうってつけかも?感情を揺さぶられたのは認める!
この感じ、カナザワ映画祭2015のテーマだった田舎ホラーものだ!と途中で思ったのでした。(カナザワ映画祭2015って『NH10』が上映された映画祭です)
私、マラヤーラム映画だと威勢よくマラヤーラム語を捲し立ててるシーンが好きなんですけど(酔っ払いが怒鳴り散らす感じがw)、この映画は淡々としてたから?あんまりなかったですw警官が交通違反者に脅し気味に話してた時くらい?
86分なので普段見るインド映画からしたら超短かったです。が、しかし!途中ドゥルガが「トイレ行きたい」と言い出したタイミングで私もつられてトイレ行きたくなってその後がすごい長く感じましたw 86分だから油断してたw 86分でも長いと感じてしまうとは…orz
ヨーロッパの映画祭でアート好きにウケそうなのは何となくわかる、というかそれ系によくありそうな映画祭向けな映画でした。多分好みはハッキリ分かれると思います。私はマラヤーラムの明るい映画でお口直ししたい…
リンク
東京国際映画祭作品ページ
これってずっとページ残るのかな?
プロモーションビデオとかは見つからず。