インド映画でちょっと休憩

インドに愛を込めて

ジャッリカットゥ 牛の怒り(Jallikattu)

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2019年(日本公開2021年)

出演:アントニ・ヴァルギース

   チェンバン・ヴィノード・ジョーズ

   サーブモーン・アブドゥサマド

   シャーンティ・バーラクリシュナン

監督:リジョー・ジョーズ・ペッリシェーリ

言語:マラヤーラム語+日本語字幕

時間:91分

媒体:スクリーン(シアター・イメージフォーラム シアター1)

 

あらすじ

食用の水牛を屠殺しようとした肉屋の従業員のアントニーたちだったが、水牛は振り切って逃げだしてしまい、山の中の小さな村ではこれが大騒ぎになる。自分が捕まえようと男たちは水牛を追いかけ始めるが…。

 

いろいろ

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2019年公開作。日本では2020年の福岡国際映画祭で上映され、2021年に劇場公開となりました。

 

村の男たちが牛を追いかけるさまはまさにジャッリカットゥ(牛追い祭り)。これが序盤にスタートしてずっとわちゃわちゃ…ほんとずっとわちゃわちゃで、観ているこっちもだんだんハイになってくる。なんか日本で時代劇で合戦が行き過ぎるとこんな感じになりそう。91分と一般的なインド映画としては短い方だしストーリーもシンプルなのに、めちゃめちゃ濃い。

セリフより雄叫びが多い印象なのと、野性味を超えて野蛮度が上がっていくさまとか、楽しかったです。色々な意味で生々しい。しかしあまりにもセリフがないシーンは下手すると眠くなるので、ランチの後と仕事終わりは気を付けてください(笑)

 

「異色の」って修辞したくなるくらい個性的な作品だと感じました。追いかけっこに乗れるか乗れないかでハマる人ハマらない人分かれるかな?私は結構好きです。説明は少なく、人間のプロフィールと人間関係は行間と会話で読み取ってくれっていう勢いですが、実際そこまで深く理解しようとしなくても何とかなると思います。だってメインは牛追っかけるところなので。

アート寄りな暗喩のような効果音と、色々煽るような曲と、シーンが重なるごとにどんどん濃さが増していく密な映像がよかった!あまりVFXは使わなかったそうですが、CGならではの違和感がなくて自然に受け止められました。パンフレットに、撮影に使われた牛は今監督の家の草原で草食べてると書いてあってほっこり。

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芸術的な夜の構図もグイグイ刺さったな~

 

マラヤーラム映画の水分たっぷりな感じは残ってました。面影以上には残ってた。3~4世代くらいのまだ古くない村で、森を切り開いて開墾した土地だそうで緑豊かで、牛さえ逃げ回らなければマラヤーラム映画でよく見るのどかな村って感じでした。インド映画に出てくる村は「生」を感じられるところが好き。

 

これはネタバレゾーンなので余談にしますが、あとアレがアレしても重くしすぎず割と淡々としてるのが好き(あれでも十分真面目にしてるけどこっちがめちゃくそダメージ受けるほどにはやらないというか)。マラヤーラム映画で見たことあるやつはアレがアレしても淡々としてるの多い。

 

肉屋のアントニくん、『Angamaly Diaries』で観たアントニくんでした。アントニくんは以前ここで紹介。『Angamaly Diaries』のあとまたどこかで観たいなと思っていた役者さんだったので嬉しかったっす。てか『Angamaly Diaries』もリジョー・ジョーズ・ペッリシェーリ監督作でした。やはり以前監督の作品に出たことある人が今回ちらほら出ているようで。

『Angamaly Diaries』のレビューは書いてないけど豚肉料理がおいしそうだったのでここで紹介。豚の次は牛ってのがホント面白い。次は鶏はヤギあたりを…。

アントニくんいかつい!!

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定期的に摂取したくなりそうなアドレナリン映画でした。DVD出てほしいな~!

 

リンク

『ジャッリカットゥ 牛の怒り』公式サイト

 

予告

 

映画に関係ないけどお祭りの方のジャッリカットゥ