インド映画でちょっと休憩

インドに愛を込めて

Peepli [Live]

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 2010年公開

出演:オームカル・ダース・マニクプリー

   ラグヴィール・ヤーダヴ

   ナスィールッディーン・シャー

   その他

字幕:日本語字幕(DVDには日本語字幕は入っていません)

時間:104分

 

アーミル・カーンプロダクションが手掛ける、低予算・社会派映画です。

インドの貧困や農村都市部の格差・ジャーナリズム・政治の腐敗が描かれています。

 

あらすじ

※ネタバレなし

ピープリー村に住むブディヤーナッターは貧しい農民で、借金が払えず土地を売らなければいけなくなっていた。困った2人は地主に借金を申し込みに行くが、門前払いを喰う。その時、借金で自殺した農民の遺族に10万ルピーが支払われる制度を知る。2人は話し合った末、ナッターが自殺することになる。

それを丁度村に来ていた地元新聞の記者ラケーシュが新聞記事に取り上げると、たちまちTVメディアや政府関係者が注目し始める。折しも村のある州では選挙期間真っ最中であり、ピープリー村は現職の州首相の選挙区であった。

瞬く間にメディアや警察がピープリー村に押し寄せ、村はお祭り騒ぎのようになる。政府関係者は自身の票がライバル候補に流れないようにナッター達に援助をするが、それは全く必要のない井戸ポンプであったり、テレビであった。TVメディアの報道合戦は加熱を増し、やらせやナッターはいつ自殺するのか等センセーショナルな内容をニュースにするだけであり、問題の本質からはかけ離れた報道をしていた。

自殺報道から数日たったある日、突如ナッターが行方不明になる…。

 

いろいろ

社会派ブラックユーモア映画。

皮肉がたっぷりで、真剣に見れば見るほど笑えない状況が描かれています。

 

娯楽作でも芸術作品でもない映画。

役者はほとんどが無名、低予算で華やかなシーンもないので、アーミル・カーンの名前がなければ、もしかしたらインドでも海外でも注目されず終わっていたかもしれません。

ただ、見る価値は充分にあると思います。

 

借金を返すために、農民が自殺しようとします。

村では他にも、競売にかけられることになった土地を少しでも高く売れるように延々と耕している老いた農民も登場するのですが 政府やメディアはこれから自殺が起こるのかだけに注目し、本来の抱える問題を見ようとはしません。

(政府は自分の保身の為にナッターに援助をしようとするが、どれも的外れ。メディアは視聴率を重視して、より注目されそうなネタに走る)

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 ↑家族たち。兄ブディヤー(左から2番目のヤギ抱えた人)には奥さんや子供はおらず、一緒にいるのは弟ナッター(中央のヒゲもじゃ)の奥さんと息子たち。あとねたきりの母親。

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 ↑届けられたポンプとテレビ(箱)。お金で困窮している彼らにとっては全くの不要物。

本筋とは全く関係ないけど、本編見てると政治家やメディアに対してこのナッターが可愛いオッサンに見えてきた。多分背が小さいせいもある。

 

結末は、意外な方向に行っていました。

これを良しとするか否とするか、どちらでもないような気がしますが、映画に出てくるあらゆる環境の登場人物と一緒で救いようのないストーリーになっているのは確か。

やりきれない感情が残ります。

 

でも、この映画見て

「だからメディアはダメなんだ。マスゴミめ」

「政治家はクソだな。国が腐敗するのも無理はない」

「日本もインドも力を持ってる人にロクな人がいない」

…と、言うのは簡単ですが、ぶっちゃけいうとそういった批判や文句だけ垂れてたら彼らと同じ穴のむじな。

インドに対してでなくても、日本の中でも何か自分も行動を起こさないといけないなぁ…と思う映画でした。

 

決して気分が上がる方向でない映画を、お金を払ってまで見る必要があるのか…と思うとオススメはできませんが(自分も娯楽映画派なので)、

インドの貧困、農村や都会を取り巻く社会環境、少しでも観光やエンタメ以外のインドという国に興味がある人は見る価値があると思います。104分なので「長いだけで疲れた」とはならないと思います。

 

リンク

ダンスシーンはありません。…予告編が見つからない。orz

 

「Des Mera」イメージ動画