2010年公開
出演:ヴィヴェーク・オベロイ
スーリヤ
シャトルガン・シンハー
プリヤーマニ
スディープ
ラーディカー・アープテー
アビマニュ・シン
スシャーント・シン
コータ・シュリーニヴァーサ・ラーオ
監督:ラーム・ゴーパル・ヴァルマー
言語:ヒンディー語、テルグ語+英語字幕
時間:二部構成
2019年に出した同人誌『インド映画でちょっと休憩』で書き下ろしたものの再録になります(加筆あり)。
あらすじ
アーンドラ・プラデーシュのアナンタプル地区は、絶え間ない殺戮と報復が続いていた。これは、その土地で実際に起きた事件を基にした、政治と復讐の物語。
【1】
大学生のプラタープ(ヴィヴェーク・オベロイ)は学業の為家族と離れて暮らしていたが、突如故郷に呼ばれる。地元の有力者レッディ家に仕えていたプラタープの父が、ナガムニ・レッディ(コータ・シュリーニヴァーサ・ラーオ)によって殺されてしまったからであった。父が進める被抑圧階級の政治活動がレッディ家に訝しまれたことが原因で、実際は言いがかりだった。プラタープ、プラタープの兄、そして元々父親を慕っていた一派は、レッディ家に復讐を誓う──。
【2】※1のネタバレあり
復讐の最中政治家に転身したプラタープは、今や大きな権力を握る人物となっていた。そのプラタープの命を狙う男―スーリヤ(スーリヤ)は、プラタープが乗る車を狙った爆弾テロを行うが、失敗し逮捕されてしまう。刑務所の中でもプラタープへの復讐の機会を模索するスーリヤのもとへ、野党の政治家が訪ねてくる。復讐を成就させるには、力を持つプラタープに対抗できるよう自身も力を付けなければならない、という話を聞いたスーリヤは、妻バヴァーニ(プリヤーマニ)を選挙で野党として立候補させることを決める。スーリヤはなぜプラタープを狙うのか、そして彼らの運命は──。
いろいろ
ラーム・ゴーパル・ヴァルマー監督によるヒンディー語・テルグ語バイリンガルとして製作された話題作。前編・後編に分かれていて、前編の主人公は主にヒンディー映画で活躍するヴィヴェーク・オベロイ。後編の主人公がタミル映画俳優のスーリヤです。私はテルグ語版で鑑賞しました。ヒンディー語版とテルグ語版が同時に撮影され、タミル語版は吹替で製作されたそうです。
※多言語版というわけでタイトルアルファベットに表記ゆれがあります…『Rakhta Charitra』『Rakht Charitra』とか…
とても面白かったです。
命がけの復讐によるスリルと強烈な個性のキャラクターたち、交錯する各々のドラマなどに圧倒される映画です。
とにかく圧が強い! 眼力といい、凄みといい、音といい、スローモーションといい!!
そしてめちゃくちゃバイオレンス度が高いです。登場人物みんな一回は血を被ってそうな程の凄まじさ。それがこの映画の面白いところであり醍醐味なので、血みどろは苦手という方にはあまり向いていないですが、逆にこれを観て感覚を麻痺させるのもアリかも。実際私は序盤はちょっと引き気味に観ていましたが、いつのまにか血を見ても引かなくなるどころかテンションが上がっていました。これはぶっ飛んでいる…。
バイオレンス度が高いのには一応の背景があって、このアナンタプルを含むラーヤラシーマ地域を舞台にしたテルグ映画に土地柄を背景とした特殊なジャンルがあります。ここが舞台の映画はよく復讐・過剰なバイオレンスを主軸に家族の物語やラブストーリーとなることが多いです。
スーリヤは復讐に燃える男。土まみれになるやらムショ生活送るやら、復讐の前は普通の好青年だったので1つで2度おいしい。もしかしたらこの辺から筋肉萌えが始まったのかもしれん。ムショ内で命狙われて半裸でキレつつ戦うところがたまらんすね。
野性味あふれるターバンもどきの姿が観れるのはこの映画だけだった気がする…
二部作ということで、通して観たら二面性を楽しめる作品です。1作目の主人公が2作目では敵役の立場になり、1作目では見えていなかった面が現れます。ここまで観たらまさに血で血を洗う復讐譚の真の意味が分かるヤバさ…。
あらすじでも触れましたが、実在の政治家パリターラー・ラヴィンドラという人物をプラタープに置き替えた、実話ベースのエンターテインメント作品です。エンタメに沿っているので実際の背景を知らなくても楽しめますよ。
リンク
あんまりダンスシーンはないです
タイトルソング この曲は劇中よく流れてたね~
公開時期的にYoutubeに予告動画もなかった
おまけ
止まらない抗争&ヤクザ&実話ベースでいうと、『Gangs of Wasseypur』が少し似てる。
こっちもおもしろい