2012年作品 日本公開2013年10月26日
出演:スディープ(as 建設会社社長スディープ)
サマンタ(as ビンドゥ)
ナーニ(as ジャニ)
言語:日本語字幕+ヒンディー語吹替
時間:125分
世界初!ハエがヒーローの映画が登場!
あらすじ
家の向かいに住む美人の慈善活動家ビンドゥ(サマンタ)に思いを寄せるジャニ(ナーニ)。一方、表向きは建設会社の社長で、裏ではマフィアの顔をもつスディープ(スディープ)もまた、ビンドゥに夢中だった。ある日、ジャニは勇気を出してビンドゥに告白し、2人は両思いになるが、金と権力とルックスで落とせない女はいないと思っていたスディープは激怒。ジャニをなぶり殺してしまう。やがて小さなハエとして転生したジャニは、殺された恨みを晴らし、ビンドゥを守るためスディープに立ち向かう。
いろいろ
いや~~~~、おもしろかった!
10月26日公開ですが、したまちコメディ映画祭のジャパンプレミアにて一足先に鑑賞してきました。
ハエがヒーローです。あのハエです。
元々人間だったジャニ君が、悪者に殺されてしまい、生まれ変わったのが…ハエ。
おそらく初めてこの映画を知る人は「何でハエに生まれ変わるの?」から始まると思いますが、はっきり言います。そんな疑問は邪魔なだけなので速攻捨ててください。ゴミ収集日を待たず今すぐコンビニ等に捨ててきてください。 ちなみにインドではハエが神様やその他のメタファーだとか全く関係ないです(というかそんなものないハズ)。
「生まれ変わり=輪廻」はインドでは映画によく使われるポピュラーなネタです。「輪廻」ですので前世と同じように生まれ変われるとは限りません。ハエの可能性だって大ありです。友達と「生まれ変わるなら男がいい?女がいい?」とか言ってる場合ではありません。そこのあなたもハエに生まれ変わる可能性大アリです。
↑まさかハエに生まれ変わるとは考えてなかったであろうジャニ君
…と、いうわけで、ハエに生まれ変わったジャニ君(ちなみにここで彼(演じるナーニ君)の出番は完全に終了)、スディープの事を思い出し、復讐を誓います。
公式があんまりネタバレしていないので、ここでも一応伏せておきますが、ま~色々やってました。すごいです。面白いです。
因みにインターバル(休憩)に入るシーンは超カッコイイ(ハエなのに)!!痺れるわぁ~!
虫が苦手な人は見に行くか躊躇するとは思いますが、あまり気にしない方がいいと思います。
かくいう私も虫が全般に苦手です。
ヒーローのハエは全てCGなのでいい意味で本物っぽさがなく、ディズニー作品のように人間の言葉をしゃべることはないですがキャラクター性がものすごく強く、観る側が持つ「虫としてのハエ」という見方は映画を見ている間にどこかへ消えていきます。 ハエが好きそうなウ●コとかも全く出てきません。
↑コチラ今回の悪役のスディープさん。
悪役なので若干邪念が入りますが、顔だけ見てるとかなりカッコイイです。
主な活動範囲はインドのカルナータカ州、カンナダ語映画がメインの役者さんですが、他の地域の映画にも時々出演。監督や脚本の経験もあるマルチな映画人です。
ちなみに本拠地カンナダ語映画の場合は悪役俳優ではないそうです。
悪役ですが人間として一番映画内で活躍していたのはスディープさんでした。
ハエに驚き、イライラし、翻弄され、本気で怒り、文字通り画面の右から左へと動き回り…
ヌードもございました。世のお姉さま方必見
ちょっとネタバレになりますが…、ハエに翻弄される中、クライマックス直前で1回悪役として一段階上に生まれ変わるんですよね(もちろん比喩的表現です)。それまではハエを退治しようとしても翻弄されっぱなしでコミカル要素の方が強かったんですが、ある事を境に怒りが増幅し、怒りがMAXに。ある意味これも「輪廻」なんじゃぁなかろうかと見ていて思いました。
ハエのヒーローの方に目が行きそうですが、人間の役者もとても良かったです。
ビンドゥ役のサマンタも可愛かったです。
ボランティアメンバー兼、マイクロアーティストという役どころ。
マイクロアーティスト…っていうのがめっちゃ小さい物を作ってるんですが(頼めば米粒に絵を描いてくれそうだ)、ここではとある事に役立ちます(それは映画を観てのお楽しみ)
ボリウッド好きに朗報。
冒頭の声はアジャイ・デーヴガンとカジョール夫妻があてています(音声のみ。本人たちの出演はなし)。
※映画について補足説明
コチラの映画、公開バージョンはヒンディー語ですが、元々はテルグ語映画です。
ヒンディー語版タイトルは『Makkhi』ですが、オリジナルは『Eega』。どちらも「ハエ」の意味そのままのタイトルです。
テルグ語とは何だ!!!?…という方はコチラをご覧ください。
簡単に申し上げますと、インドの南の方で使われている言語のひとつです。インドの南…というとメジャーなのがラジニカーント(『ムトゥ踊るマハラジャ』『ロボット』)の本拠地のタミル語(タミルナードゥ州)ですね。テルグ語圏はタミルの北に位置します。スディープの本拠地カルナータカ州も南インドです。
ちなみに私がメインで見てるボリウッドは北インド(首都デリー他)が主な地域です。
なんでここでテルグ語版では上映せずにヒンディー語版が上映されるのか…はかなり疑問ではありますが、事情はよくわからないので仕方ありません。
さらに挙げるとテルグ語版と同時にタミル語版もあり…というともう複雑すぎるのでここでは置いておきます。
ですので、こちらヒンディー語ですがボリウッドではないインド映画です。
春から半年くらいかけて『きっと、うまくいく』他ボリウッド4が席巻しましたが、それとはまた違う映画…ということは頭の片隅に入れておいてください。
エンターテイメントとしてかなりよく出来ているので、オススメです。
少しでも見に行こうか迷ってる方は是非。迷ってない方も是非。インド映画をまだ見たことない方も是非観てください(インドの予備知識は要りません)。
リンク
日本公開版予告編
ヒンディー語版『Makkhi』予告編
挿入曲「Aare Aare」
おまけ
ジャパンプレミアはライブアクション上映(マサラシステム上映に近い)でしたが
ぶっちゃけ映画に見入っていたので超騒いだり…というのはなかったです。もちろん笑ったりクラッカーが鳴ったりはありましたが、立ち上がって踊ったりはなかったかな。
いやだってほとんどの人が初見の映画だからそりゃ皆じっくり見たいよねぇ~
(騒いだりしてうるさい…とかそういうのに文句があるのではなく(もしそれが嫌ならもちろん通常上映を観るべき)、純粋に盛り上がりにくいんではない?って意味で)
マサラ上映的なものをやるとしたら、もうちょっと日本で上映回数積んでからの方がいいんじゃないかな~?って思いました。