2012年作品
出演:シャー・ルク・カーン(サマル)
カトリーナ・カイフ(ミラ)
アヌシュカー・シャルマー(アキラ)
昨年亡くなったヤシュ・チョープラー監督の遺作です
『Veer-Zaara(2004)』からの久々の監督作でもあります。
映画の始まりとエンディングにヤシュ・チョープラ監督の追悼映像がありました。
あらすじ
インド陸軍で防護服を身につけずに爆弾処理に当たる命知らずの男サマル(シャー・ルク・カーン)。彼と偶然出会ったテレビ局の女性ディレクター・アキラ(アヌシュカー・シャルマー)は、ひょんなことから彼の悲しい過去を知ってしまう。かつてロンドンで夢を追っていたサマルは、そこで富豪の令嬢ミラ(カトリーナ・カイフ)と出会い、恋に落ちる。しかし彼女には父が決めた婚約者がいた。それでも互いの愛を貫こうと決意した2人だったが…。
レビュー
※ネタバレはほぼないですが0ではないのでご注意を。
実は私、年数を超えた恋愛は苦手なのです。
おそらく自分の中で消化し切れない部分があるのです。他の例だと『親愛なるきみへ(アマンダ・セイフライド出演)』が同じタイプに当てはまります。
うーん、10年の空白期間…そこさえなければなぁ… (そこが重要なのは頭では理解できるんですが…)
それと、この映画でインド映画デビューはちょっと厳しいかな。
ある程度インド恋愛映画のルールを理解できる人や、ほかの映画を見てシャールクにハマったという人なら見応えはあると思うんですが、ハリウッド・邦画とは違う味付け展開についていけるか…が肝ですね。「インド映画って必ず急に踊りだすんでしょ?長いんでしょ?」って言ってるレベルの人には難しいと思います。
配給会社もよくこれ持ってきたなぁ…
あらすじをほとんど予習せず見に行ったので、自分が思っていたのと違った部分がありました。
それはアキラの存在。
今回、ポスターや予告編を見る限りだとアキラ=サマル=ミラの三角関係のように見えますが、 実際は2.5角関係くらいでした。
もっといえば、サマル=ミラ=神さま の三角関係と解釈してもいいように思いました。
アキラは『Veer-Zaara』のラーニーの役どころと似ているかなぁ。
『RNBDJ』レビューでも触れましたが、アヌシュカーは私のイチオシ女優なので、この映画でもミラよりアキラ派(笑)。なかなか大変でした。
ミラが恨んでいた母親プージャ(ニートゥ・シン)に会いに行くシーン、
その後のミラの行動に大きな影響を与える場面でもあるのですが
私はここが一番感動しました。
シャールクは得意の一人二役に近い、2002年と2012年のサマルを演じています
2002年は明るいサマル、2012年は一転して寡黙なサマル。
神との約束を優先し自分の元を去っていくミラに対して、怒りをぶつけるシーンは圧巻です。
カトリーナは終始「きれいだな~」と思って見てましたw…いやだってめっちゃキレイでしたもん。
ほっぺたツンツンさせてもらいたい。
サマルのために必死になるあまり取り返しのつかない約束をしてしまうシーンが見ものかな。
カトリーナは映画の前半に注目です。
アヌシューカはアヌシュカーらしいキャラクターでした。
正統派美人ではないし、見れば見るほど面白い顔つきをしてますが、
今時のカラっとした性格、ライトなノリが似合っていました。表情がクルクル変わって楽しいです。
カルピスかオロナミンC辺りのイメージキャラクターを任せたいなぁ~♪♪w
上記でも触れましたが、監督はヤシュ・チョープラー。
この映画の製作会社の「ヤシュ・ラージ・フィルムズ」の創設者でもあります。
ヤシュ・チョープラ監督は現代にまでつながるインド恋愛映画の主軸を作った人物です。
今はまた新しい映画の時代に入っていますが、それまでの恋愛映画はこの監督なしには語れません。 それだけ偉大な人でした。
監督は映画本国公開約1ヶ月前にして急逝されてしまいました。この映画が最後の監督作となります。 ひとつの時代が終わったような気もします。
2012年の舞台のラダックはとっても綺麗な景色でした。
危険な地域ですが、いつか行ってみたいなぁ~と思うほど。 スクリーンだとより綺麗。
ぜひ大画面で。
インド映画の巨匠が遺した、壮大なメロドラマの世界にどっぷりつかってみませんか?
リンク
音楽:A.R.ラフマーン(『スラムドッグ・ミリオネア』) 良曲揃いですが…個人的趣味のを紹介します。
歌なしですが音がいいです。
アキラちゃんがいいね!
親と見に行った場合気まずくなる箇所はこちら!
おまけ
因みに 原題「Jab Tak Hai Jaan」は「じゃぶ たく はい じゃーん」じゃなくて「じゃぶ たく へ じゃーん」と読んでください。