インド映画でちょっと休憩

インドに愛を込めて

Kaminey

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2009年公開

出演:シャーヒド・カプール(チャーリー/グッドゥ)

   プリヤンカー・チョープラー(スウィーティー)

   アモール・グプテ(ボーペー)

言語:ヒンディー語+英語字幕

時間:134分

 

シャーヒド・カプールが初(?)のヨゴレ役、さらには一人二役の、ファン的にはかなりおいしい?アングラ要素な映画。

普段あまり観ないジャンルなので今更になってしまいましたが。

昨年日本で公開されたあの映画と妙につながりがあります。『Kaminey』自体は知らなくてももしかしたらあの曲なら知ってるかも。(※当記事下リンク参照)

 

あらすじ

チャーリーグッドゥは見た目がそっくりな一卵性双生児。2人の相違点は、チャーリーが発音障害(Sの発音がFになってしまう)、グッドゥが吃音症(感情が高まるとどもってしまう)なこと。また、性格も違っていた。2人は父の死をきっかけにして仲違いしており、同じムンバイーに暮らしてはいたが全く別々の環境にいた。

グッドゥは民間団体で社会的活動をしており、自身の将来設計も立てて堅実な生活をしていたが、恋人のスウィーティーを妊娠させてしまったことで将来設計が崩れてしまう。戸惑うグッドゥであったが、結婚することを決める。しかし、スウィーティーの兄が地域で恐れられている権力者ボーペーであった。

チャーリーは競馬場で八百長を仕組むメンバーの一員。金を稼いでいつか自分で賭け屋を運営することが夢であった。今はベンガル人のマフィア達とミカイルと組んで金を稼いでいたが、八百長を騎手につぶされたことで犯人を追うことになった。チャーリー達は一旦は犯人を捕まえるが、そこに犯人の仲間がやってきたことで逃げることを余儀なくされ、なりゆきで警察車両で逃亡を図る。実はその車両は裏で麻薬密輸組織とつながっていた警官のもので、車の中には1億ルピーのコカインが入ったギターケースも載っていた。

グッドゥとスウィーティーの結婚式がすぐさま執り行われていた。しかし、スウィーティーの兄ボーペーが妹スウィーティーの結婚を嗅ぎつけ手下を式場に送り付ける。実はボーペーはマラーティー至上主義者で、別の地方の人間を目の敵にしていた。グッドゥがマハーラーシュトラ州(ムンバイーのある州)でなくウッタル・プラデーシュ州出身の人間であると知るや否や怒りだし、グッドゥを捕まえようとする。グッドゥとスウィーティーはスクーターでその場から逃げ出す。そのまま新婚旅行に行こうとするが、2人が口論になりスウィーティーが一瞬グッドゥから目を離した隙に、グッドゥは警察に拉致されてしまう。グッドゥは警察車両を奪っていったチャーリーと間違えられていたのだった。

一方、チャーリーはひょんなことから大金を手に入れるチャンスに恵まれたことに喜んでいた。ミカイルと大いにはしゃいだ後一旦自宅に戻ってきた彼だったが、そこにはグッドゥ達を追うボーペーが待ち受けていた…。

 

いろいろ

あらすじここまで書いて、多分本編時間的には半分とちょっと過ぎくらい(多分…なのは「インターミッション」表記が確認できなかったため)。

これでも色々端折りまくったので、かなり複雑だと思われます。実は見るまえにいつも通り詳しい方々のレビューサイト漁った時に目立ったのが「かなり複雑な話」ということでした。自分が観た時は英語字幕で細かい部分まで理解できなかった(することを初めから放棄w)こともあり、「思ったほど複雑ではなかったな」というのが最初の感想でしたが、あらすじを書いてみて初めて実感w謎解き的な複雑さはないものの、色々なことが同時に起こり、色々な人達の思惑が色々な方向に蔓延っている状況です。

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↑グッドゥ、スウィーティー、チャーリー。

グッドゥとチャーリーは見た目に目立つ違いはないものの、特に混乱することなく見分けられました。

 

監督はヴィシャール・バールドワージ。『Omkara』『Matru Ki Bijlee Ka Mandola』等の監督です。シャーヒドとは今年公開の『Haider』でも組んでいる監督さん。『Haider』はシャーヒドがスキンヘッドになることで話題になった作品です。監督作はまだほとんど観てないですが、シリアスな感じがお得意の方だと見受けられます。

 

同じ顔を持ち、同じ地域に暮らしながら、父の死をきっかけに全く別の人生を歩んでいた2人が、お互いの抱えた事件をきっかけにまた関わりあっていくという話。

登場人物は全員が銃を持っているような、かなり物騒な方々です(グッドゥとスウィーティーだけはそこまでではないかも)。マフィアは1組織だけじゃなくて色んなところから湧き出てくるし、それぞれが自分のことしか考えない、下衆い人物。

中でも印象深いのは、キャラ的にも出演時間的にもボーペーでした。スウィーティーの兄。

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既にご存知の方、ピンとくる方もいらっしゃると思いますが、ボーペーを演じたアモール・グプテは『スタンリーのお弁当箱』の監督兼“弁当にがめつい”先生。あの先生です。『スタンリーのお弁当箱』で相当下衆い先生でしたね~。これも下衆かったです。ポッチャり&小汚いせいもあるかもしれませんw

 

シャーヒドが2人分出てたわりには、周りの登場人物が多かったからかシャーヒドの印象が薄かったです(笑)

特にグッドゥが性悪じゃないせいか巻き込まれ気味なせいか影が薄かったようなwチャーリーはどちらかというと性悪でしたがチャーリーの方がカッコ良かったw

チャーリーとグッドゥがどのくらい同じ画面に一緒に出るか…ということを気にして観てみたら、同じ画面に…というシーンはほとんどなかったです。編集の妙というか。あまり多く登場しても安っぽくなるだけ?お互い殴り合うとことか、全体的に暗めの画面だったので影武者とか使ったのかなぁ?

 

プリやんはグッドゥに対して色々強引なところが面白かったです。

見た目的にはかなり素朴。下町の女の子な感じでした。いや大物の妹なんだけども。

三つ編みかわいいねぇ。ラブシーンもあるよ…!

 

 

淡々と、しかしドラマチックに展開するので次なにが起こるか予想できなくてハラハラしながら観ました。

グロいシーンはほぼないので、ちゃんと最後まで観れました。苦手なジャンルですが、観た後すごく疲れるということもなかったですw

物騒なのが苦手な方でもご安心を~。

 

※小ネタ

チャーリーが半裸でギターを弾いてるシーン(お宝シーン?w)で

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めっちゃ古そうなのに聞き覚えのある曲が流れてるな~と思ったので頑張って思い出してみたら、『Apna Desh (1972) 』の「Duniya Mein Logon Ko」でした。

ちなみに自分が聞き覚えのあるのはそれのオマージュの『Once Upon A Time In Mumbaai(2010)』の「Parda」です。あ、『Kaminey』の方が先だった。

 

※以下微ネタバレ注意

クライマックスまでの展開に比べ、最終的には救いのある終わり方でした。マフィアとかアンダーワールドが舞台の映画を見慣れている方にはこれがどういう風に映るのか気になるところです。 私は後味悪いのも嫌なのでこれでOKですw

 

リンク

「Dhan Te Nan」 ネットでボリウッドソングを聞き漁ってる方なら一度は遭遇したことあるんじゃないかな…っていうくらい有名(ヒット)なこちらの曲。スクヴィンダル・シンの声が印象的。 あ、あと『スタンリーのお弁当箱』でスタンリー達が教室でわいわい歌っていたあの曲、です。

「Fatak」 かわいらしいシャーヒドはこのシーンくらい?w

「Raat Ke Dhai Baje」 結婚式のところ。