インド映画でちょっと休憩

インドに愛を込めて

Fandry

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(画像出典:huffingtonpost.com)

東京外国語大学のイベントで見ました。

『チェイス!』のアーミル・カーンおすすめのマラーティー語映画です。

 

被抑圧階級の男の子が主人公のお話です。思春期で、クラスが同じ女の子が好きなんだけど、でもそれは村社会・階級社会が邪魔をして…。

細かく言うと主人公の男の子は、インドのカースト制度で有名ないわゆるダリットと呼ばれる方ではなく、元々遊牧民族から定住するようになった部族の階級だそうです。でも扱いはダリットと似ていそうでした。お父さんは村で権力をもった人たちの小間使いが主な?仕事。男の子は、思春期なこともあって、そんな家族をあまりいいようには見ていませんでした。でも、そんな男の子も村の人からすると差別する対象なんですよね…。

<<ここからちょっとネタバレ>>

元遊牧民族の人たちは豚を飼う習慣があるらしいそうです(この家族は飼ってなかったけど)。村の他の人たちは豚に触れるだけでも穢れるというので、主人公たち家族は村に住み着いている豚を始末することを命じられます。それが後半のハイライト。

見る前、とても憂鬱になる映画と聞いていたので覚悟していたんですが、意外とそうでもありませんでした。確かに最後のシーンのあと男の子はどうなるか…と考えると辛い将来が待っていたかもしれませんが、はっきり描写がなかったので想像しないようにしようとすれば想像しないですむかなぁ、と思って。暗い社会派映画って、主人公たちが耐えて耐えて耐え抜いて、でも最後やっぱりダメで…っていうのが個人的なイメージなんですけど、この映画は最後で男の子が抵抗してみせるので、ちょっとスカっとする部分もありました。

カースト制度や豚の事はおいといて、私が一番興味があったのが、国歌が学校から流れてくると、学校の外に居る人もみんなまっすぐ立ってじっとしていたシーン。豚を捕まえようと追いかけていた家族も、それをからかっていた村の人も、通りすがりの人もみんなじーっと立ってて、その間に豚が逃げちゃうっていう…。国歌が流れるシーンを初めてみたので、ああしないといけないのを初めて知りました。日本だとまず無いwから、面白かったです。

社会派映画で決して明るくないですが、身構えてさえいればそんなに体力消耗せずに見れるかもしれないです。何回も見たいとは思わない内容ですが、またどこかで上映されるといいなぁ、と思いました。