2019年公開
出演:スシャント・シン・ラージプート
ブーミ・ペードネーカル
ランヴィール・ショウリー
アシュトーシュ・ラーナー
マノージ・バージパイ
監督:アビシェーク・チョーベイ
時間:143分
言語:ヒンディー語+英語字幕
媒体:ネット配信(Zee5)
あらすじ
1975年のチャンパル渓谷。タークルの武装集団(ダコイト)は、村の結婚式で多額の持参金が持ち込まれるという情報を聞き、強奪しにやってくる。しかしそれは罠で、タークルに敵対するカースト・グッジャルの警察官ヴィレーンドラ・シン・グッジャル(アシュトーシュ・ラーナー)が率いる部隊が待ち構えていた。ダコイトと警察の銃撃戦の末、ダコイトのリーダー・ダッダ(マノージ・バージパイ)をはじめ大量の死傷者を出し、逃げ出せたのはラクナー(スシャント・シン・ラージプート)やヴァキル・シン(ランヴィール・ショウリー)のほかたった数人だけだった。
リーダーを亡くした彼らは分裂の危機に陥る。そんな彼らが潜む渓谷に、1人の女性と少女が通りがかる。女性は少女が負傷しており、遠くの病院に連れていくところだと説明する。彼らは負傷した仲間と共に少女を病院に連れていくが、少女の容態は深刻で、一刻も早く大きな病院に連れて行かなければ危険な状態であった。しかしここにもまた、警察の手が迫っていた。少人数になってもなお彼らを追うヴィレーンドラには、彼らに対し並々ならぬ恨みがあり…。
いろいろ
インディラ・ガンディー首相の非常事態宣言下のインドが舞台の荒廃的な、どシリアスで荒々しい人たちが登場するストーリーです。
インディラ・ガンディーの時代だってわかるのは、子供が持ってる風車に貼られた首相の顔写真なんだけど、その後はあまり関係なく、ただ現代ではなく数十年前が舞台だとわかればいいかな、って感じでした。
ダコイトというと『Sholay』のガッバル・シンを思い出すなぁ。もっともあっちで出てくる"タークル"は引退した警察官の名前で『Sonchiriya』の主人公たちと立場が逆だったけど。
それと、もっと有名かもしれない実在の人物も出てきました。インドについて不勉強な私でもわかってしまうほど、知ってる人はすぐ気が付く特徴的な人物。ストーリー的にはネタバレだとは思わないけど、ネタ的にはネタバレかもしれない。でもこの人が何者か知らないよりは知ってた方がいいって思う人でした。誰が出てくるかはwikipediaのリンクだけ貼っときますね。→こちら
基本的な構図はカースト集団vsカースト集団なんだけど、片方は武装盗賊集団で、もう片方は警察という行政機関の人間で。武装盗賊集団は同じ種類の人間たちだったけど、警察はちょっと複雑で。それにダコイトのグループは彼らだけじゃないし、抑圧されたカーストやカーストとは別に辛い立場の女性たちもいて、話はそう単純でもないんだよね。
↑ブーミ・ペードネーカル、封建的なじ田舎の女性なうえ命からがら逃げ出してきたところもあり全然飾らない感じだったけど存在感ありました。
ダコイトって強盗団で銃を持ってて怖い存在だけど、『Sonchiriya』に出てくる彼らには彼らなりのポリシーが存在し、また武装した強い集団としてよりは、アウトローという危うく脆い立場でもあるほうが印象に残る描写でした。早々に壊滅の危機だったし。よっぽど警察の方が悪い印象だった。
リアル世界のダコイトは今でも存在するめっちゃ危険な人たちだけど。
スシャント・シン・ラージプートは、イケメン俳優だけど汚れた役もいける。これまで出ていた作品的に、そういう役にも意欲的な気がする。
でもまだ若いからダコイト集団のなかのオジサンたちにはまだ未熟者扱いされてたかな~。
カーストとかコミュニティ的なものめっちゃ出てくる。
主人公たちのタークル、敵対のグッジャル、途中から出てくる舟漕ぎのマッラー、キーパーソンのジルサがそれで、とにかく馴染みがないからストーリーについていこうとすると油断ならない。初心者には難しいかもです。
最初から最後までずっとシリアスで気の休まらない重い映画で楽しいなんて話じゃなかったけど、観てよかったなって思うくらいには骨太でした。
リンク
予告編
このシリアスだから当然だけどダンスシーンなかった。10年前だったら酒場に立ち寄って1曲~とかあったかもね。
音楽担当はヴィシャール・バルドワージです。『Haider』とかの『ラングーン』の監督。本作の監督アビシェーク・チョーベイとはよく一緒に仕事しているというか、ヴィシャール・バルドワージ監督作にアビシェーク・チョーベイが助監督がキャリアのスタートだったとか。
「Sonchiraiya」
「Saanp Khavega」※お食事中だったら冒頭は閲覧注意※
ちなみに動画の冒頭は映画の冒頭でもあるんですが、見事に私は食事中でした。うぎゃー!
「Ruan Ruan」