インド映画でちょっと休憩

インドに愛を込めて

Dasara(ダシェラ祭)

2023年公開

出演:ナーニ

   キールティ・スレーシュ

   ディークシト・シェッティ

   サーイクマール

   サムドラカニ

   シャイン・トーム・チャーッコー

監督:スリカーント・オーデラ

言語:テルグ語+英語字幕

時間:156分

媒体:スクリーン(Skip City)

 

あらすじ

炭鉱の村に暮らす貧乏人のダラニ(ナーニ)。彼は親友のスーリ(ディークシト・シェッティ)をはじめとする仲間たちと石炭を盗み出すことを生業としていた。彼らは村長の管理下にある酒場”シルク・バー”にたむろしていたが、彼らはカーストが低いということで店の中に入れない立場にあった。

ダラニは幼馴染のヴェンネラ(キールティ・スレーシュ)に恋をしていたが、同じくヴェンネラのことが好きだったスーリに恋路を譲った過去があった。ヴェンネラの家系はスーリよりカーストが高かったためヴェンネラの親に結婚を反対されていたが、ダラニの働きかけをきっかけに、シルク・バーの店の中で働くレジの仕事に就くことができれば、結婚を認めるという約束を取り付ける。

ダラニたちは村長の息子チンナ・ナンビ(シャイン・トーム・チャーッコー)との約束で、クリケットに勝利できたらレジの仕事を貰えることになっていた。しかし勝利したにもかかわらず、ダラニがバーで別の派閥に手を上げ乱闘になったことで警察に逮捕されてしまう。彼らを突き放すチンナ・ナンビとは逆に、助けてくれたのは村長の義理の兄ラージャンナ(サーイクマール)。スーリはチンナ・ナンビ支持から鞍替えしラージャンナ支持となり、ラージャンナに村長選出馬を要望する。ラージャンナは選挙に勝利し、管理下になったシルク・バーで約束を果たしたスーリは晴れてヴェンネラと結婚することとなった。

しかし結婚式の夜、シルク・バーにいたダラニたちは何者かに送られた悪漢たちに命を狙われる。次々と無惨に殺されていく仲間たち。その中にはスーリも含まれていた。

ダラニはスーリを殺した犯人・黒幕を突き止める。そこでダラニが知ったのは、自分の行動が引き起こしたと思っていたスーリの死に、驚くべき理由が隠されていたことで──。

 

いろいろ

ナーニくん史上最高に野蛮で土臭くてワイルドな作品!「ナチュラルスター」という冠名に違和感が出るくらい。

またテルグにしては、ってところですがノワールなバイオレンスアクション。辛辣な話をベースに明るく進めて軽快に人の四肢や首を吹っ飛ばしていくところが私の中の定番テルグ映画のイメージだけど、本作は割と暗めなところがちょっとタミル映画っぽい。(タミル映画っぽいって感想をお友達から聞いて。ノワールなところがタミル映画っぽいイメージに結び付いたのかなっていうのが私が行きついた考え)

 

いままではちょっとヘタレな男子とか武力に縁がない作品とか凡人とかいわゆるテルグヒーローから外れるタイプの役がほとんどで、

テルグスターの定番から外れたイメージがナーニくんの個性でもあったけど、

ここ最近の何作かはテルグ王道タイプのヒーロー(腕っぷしが強い『Tuck Jagadish』、覇気がある『Shyam Singha Roy』、比較的暴力が強めの作品など)もやるようになってきて、今回はさらに強力なキャラ&作品(とくに作品の方が顕著)というかんじ。

もうナーニくんじゃないな。ナーニさんやな。

これはファンとしては結構ビックリでした。受け入れられないっていう意味ではないですが。本人にこれからのキャリアについて思う所あったのかなぁ、はたまたたまたまそういうオファーが連続したのかなぁって余計な想像しちゃうね(笑) ナーニ君ももうアラフォーだからね。期は熟した?油が乗ってる?

 

上半身裸になってたのだけど、脱いでたの初めてでは…?どうだったっけかな…。記憶の限りではナーニ君さんは劇中で筋肉見せてくるタイプの俳優ではなかった。なんならナーニ君はジム通ってるのが想像つかないタイプだった。今回のナーニさんならジム通ってるの想像できる。

 

 

復讐劇としてはシンプルでストレートな印象でした。だからといって退屈ではなく、ダラニの葛藤や困難な壁、迫力のあるハードなシーンなど飽きさせない作りで、シリアスながらかなり楽しめました。

ダラニの危なっかしいところと、環境の危険さと、ダラニなら大丈夫だっていうところのバランスがちょうどよかったな。

 

アクションのバイオレンス具合はベリーハード。首のない人とか腕切られたりとか。夜のシーンが多いのもあって、もはやホラーレベル。『RRR』がソフトに見えるわ…。でもまあテルグ映画だとこのレベルならそこまであり得ないこともないってのがテルグ映画の凄いところ。

鋭利な鎌もしっかり登場。この鎌、農作業に使われる将来はあるのだろうか…w

 

出てくるカーストは最近よく見かける高カーストと低カーストの2つのカーストが村に共存している感じかなぁと思ったけど映画内で説明してるかまでは読み取れなかったから違うかもしれない。ダラニたちわりとナチュラルにシルク・バーの外で飲んでるから、店の中で飲めないカーストなことも最初は気が付かなくてさ。

バーのレジ係ができる=店の中に入っていいと認められるというのがなるほどこれが社会の仕組みか…。

 

なんかね、同意は得られないかもしれないけどチンナ・ナンビ役のシャイン・トーム・チャーッコーに、ヤバイ役をやってるときのファハド・ファーシルの影を感じた…(笑)

 

ナチュラルスターが自らの冠名を潰す勢いで暴れる迫力のある映画でした。おすすめ!

 

リンク

予告編

 

この曲良いね「Cricket Rap」

 

何気に定番 酔っ払い失恋ソング「Ori Vaari」