インド映画でちょっと休憩

インドに愛を込めて

Chandigarh Kare Aashiqui(チャンディーガルよ、恋しよう)

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2021年公開

出演:アーユシュマーン・クラーナー

   ヴァーニー・カプール

監督:アビシェーク・カプール

言語:ヒンディー語+英語字幕

時間:117分

媒体:スクリーン(キネカ大森スクリーン1)

 

※今回は感想を書く上でネタバレを避けられないので、ネタバレの内容もワンクッション入れて書いてます。ぱっと見ではネタバレ避けられると思いますが、雰囲気でわかってしまう危険がないとは保証できないので、観ること心に決めている方やネタバレ確実に避けたい方はここから先は鑑賞後にお読みになることおすすめします。

   

あらすじ

ボディビル大会を近くに控え、今年こそライバルを退けての優勝を狙うマヌ(アーユシュマーン・クラーナー)。彼は、30歳を過ぎても結婚する兆しがなかったため、家族から圧力かけられていた。そんな彼が経営するジムに、ズンバの講師としてマーンヴィ(ヴァーニー・カプール)がやってくる。スタイルも人当たりもいい彼女にマヌをはじめ皆注目し、彼女のクラスはたちまち人気になった。ほどなくしてマヌとマーンヴィは交際をスタートする。しかしマヌが彼女と結婚したいと思った矢先、マーンヴィから予想だにしていない衝撃的な秘密を打ち明けられ…。

 

いろいろ

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キャリア順調なアーユシュマーンとヴァーニーが贈る新世代のロマンチックコメディ。

おそらく都市部に暮らす人がターゲット。高評価で話題を呼んでいます。口コミヒットも狙えそうな感じだそうです。

 

アートフィルムではなくメインストリームに持って来たテーマとしては、時代を切り開く作品として必見といえる映画だと思います。今後こういうタイプの映画がたくさん作られるようになったとしても、その第一歩は重要になってくると思うので(本作が第一歩かは裏取りしてないですが)。十数年後ではなくできるだけリアルタイムに観たい一本。

 

アーユシュマーンが微イメチェンでめっちゃムキムキマンに。

正直個人的には中肉中背のアーユシュマーンの方が好きなので次は戻ってほしい(笑)。

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マーンヴィの父ちゃんが内面も外見もめちゃめちゃダンディだった。調べたら何度か観たことある俳優さんだった~。

 

予告編で若干の匂わせがあるものの、彼女の秘密が最大のネタバレとして扱われている本作。全体を観たうえでの印象としては、ぶっちゃけそれをネタバレとしなくても成立する内容でした。謎解きとかではないので。でもこのストーリーが本当に届いてほしい層とか、インドでよくある公開前の抗議とかを考えると、ネタバレとして伏せて宣伝ししたのは理解できます。

日本での公開を仮定すると(あるとしたらの話)、ネタバレ部分は公表されてても問題ないと思います。(ここはみんなと意見分かれそう…)

 

 

とはいえここでは現地の宣伝の時と合わせて伏せますね

ここからネタバレ部分(白い文字にしているので反転したら読めます)

タイのBLドラマが世界的ヒットをしたり、日本の地上波でも『おっさんずラブ』が放送されたり、確かに時代の移り変わりを感じますね。普通のものとして描くか、問題提起(もしくは啓蒙)として描くか、そのどちらかでちょっとは描き方に違いが出てくるのが興味深かったです。今回は後者なので、手術イメージ動画とか出てきてましたね。手術工程?がすごすぎてわけわからんかった…。医療技術ってすげー。

 

男らしさのイメージそのもののようなマッチョ(ここでは一旦女性ボディビルダーもいるとかは置いときます)の世界ど真ん中にいる主人公と、ある意味その対極にいるトランスジェンダー女性という設定がいいですね。トランスジェンダー女性を主人公にするのも手ですが、それ以外の手だと真逆の人を持ってくるのが一番強いと思う。それにこれを全くの普通のロマンティックコメディーのフォーマットに乗せて作ったというのも。フォーマット自体はカップルの片方が抱える秘密のせいで2人の関係に危機が訪れるという本当に普通のもので、テーマによっては使い古しに感じてしまう時もありますが、これが新しいものと合体するととても紐解きやすい作品になるっていう。

しかしカミングアウトされたときのマヌはめちゃめちゃ衝撃受けたのはわかるが、とはいえ「出ていけ」は言いすぎだった。そこから自分で勉強して考えなおしたのは偉いが、そこから許したマーンヴィも凄い。

 

ヴァーニー・カプールは勇気のある選択だったと思います。ヒロインのキャラクターが何かや誰かを傷付けるというものではないですが、演じるものがキャリアに影響するこの世界ではどんな役をやるかって重要だと思うので。過去にゲイの役断った役者さんもいるっていう噂あったし。ヴァーニーは逆に進んで受けたのか、ちょっと悩んだりしたのか、ちょっと聞いてみたい。

 

アーユシュマーンはメインストリームでもはやこの手の代名詞レベルですね。彼がこういったストーリーに関わることが全然不思議でも意外でもない(笑)。悪い意味じゃないです。今のところ唯一無二のポジション。

アーユシュマーン主演でLGBTQや夫婦の在り方を問う系(ざっくり)の映画

Vicky Donor』『Dum Laga Ke Haisha』『Shubh Mangal Saavdhan』『Badhaai Ho』『Shubh Mangal Zyada Saavdhan

ネタバレ終了

 

リンク

予告

 

「Chandigarh Kare Aashiqui」おじいちゃんがいいわ~

 

「Tumbe Te Zumba」

 

「Kheench Te Nach」

セックスシーン出てくるから家族と一緒に観るのは気まずいね。