2021年公開
出演:サーニヤー・マルホートラ
アーシュトーシュ・ラーナー
シーバ・チャッダー
シュルティ・シャルマー
監督:ウメシュ・ビシュト
言語:ヒンディー語+英語字幕
時間:1時間54分
媒体:Netflix
あらすじ
結婚僅か数カ月で亡くなった夫アースティク。突然の死にショックを受ける一家だったが、アースティクの妻サンディヤ(サーニヤー・マルホートラ)はどこか冷めていた。敬虔なヒンドゥー教徒の一家は、アースティクの魂が旅立つまでの13日間の喪の期間を送ることになる。同時に複雑な死亡手続きや、一家の苦しい経済状況も表面化してくる。
そんなさなか、サンディヤはアースティクの生前の秘密を知ってしまい、大きく戸惑うが…。
いろいろ
生前の夫の秘密、柔軟と言いながらも伝統を重んじる一家における、ある意味内側の人間・一方で外側の人間であるサンディヤの戸惑いと決断を描く物語。
一家の中心的な人たちが「わしらは考え方が柔軟だから」って敢えて言うと、逆にそうは思えないというか、むしろ滑稽さすらある。
ヒンドゥーの儀式をきっちりやる敬虔な信者であることと考え方が古いというのはイコールにはならないけれども、男だけが食事して女は配膳に回ってるシーンがあるし(役割分担といえども老いた男はほぼほぼ稼ぎ事から引退してる)。どうなんだろうな、自分たちがもう時代遅れとかは頭ではわかってると思うんだけど、本質的なところがそれについていけてないというか、考えを改められてないというか。
この台詞を最後の方で皮肉的に使われるのが好き。サンディヤの友人"ナジア・ザイディ"ってムスリムの名前だよね、字幕じゃ全くそういう説明ないから、名前でなんとなく宗教がわかるふんわりした知識を自分の中に持てて嬉しかった。
(あとで思い出したけどザイディって『Raanjhanaa』でムスリムの苗字で出てきた)
亡くなったサンディヤの夫アースティクは回想どころか遺影すら出てこなくて、「ここにいない人」の表現が徹底してるな~って思いました。映画の中で起こることは全部今生きてる人間が見るか感じるか喋ることだけで、死者は一切喋らないって感じです。遺族たちの記憶の中にはあるけど、必要以上の思い出話も出てこず、外の人である観客はアースティクの人格を想像できるまでの情報量がない。そこに妙にリアル感がありました。
13日分全部は出てこないけど、お葬式で死者の身体を焼いて終わりなだけじゃない他の儀式も出てきて勉強になります。家の外?に壺つるしていたりとか。ヒンディー映画でここまで色々描いているのは初めて出会いました(過去にあるかもだけど私の記憶では初めて)。アースティクという働き盛りの大黒柱が死んでお財布事情はきついけど、ギリ姓は高カーストだし(←多分…)まだ伝統を意識する世代の人間が中心の一家。多分世間体も気にしてそうだな~あの家。若い世代は嫁サンディヤに限らず窮屈そうでした。
やんわりよそ者扱いされる嫁さんのお話の映画としてはめちゃめちゃ新しいものではないですが、わりと気持ちのいい終わりで結構好きです。おすすめ。
ちなみにあんまり「おかしな子」だとは思いませんでしたw
リンク
予告
「Pagglait」タイトルソング
「Thode Kam Ajnabi」
「Lamha」
おまけ
家の呼び鈴がこの曲で、喪の暗い雰囲気の家に気まずい空気が流れる
葬式中じゃなくてもこの曲は嫌だw