2019年公開
出演:イムラーン・ハーシュミー
シュレーヤー・ダンワンタリー
スニグダディープ・チャタルジー
監督:ソウミク・セーン
言語:ヒンディー語+英語字幕
時間:113分
媒体:Zee5
あらすじ
エンジニアになるための大学受験生だったサットゥ(スニグダディープ・チャタルジー)。努力の甲斐あって、無事優秀な成績で大学への切符を手に入れる。町では彼を祝ってパレードまで行われた。
彼の噂を聞き付けたロッキーことラケーシュ(イムラーン・ハーシュミー)は、サットゥに高額な報酬で"替え玉受験"の仕事をしないかと提案する。裕福な家とは言えないサットゥはこの話を受けることにする。
大学生活と並行して替え玉の仕事をするサットゥは、報酬で女性を買ったり麻薬に手を出すようになる。とうとう彼は逮捕されてしまい…。
いろいろ
今回あんまり褒めてないのでそういうの読みたくない人はブラウザバックで。
Googleで検索すると『Why Cheat India』より『Cheat India』のタイトルのポスターが出てくるんですが、これは公開直前にタイトルが差し替えられたためです(ついでに公開日も変更された)。あの時もうプロモーション始まってたからなぁ。
『Cheat India』は挑発的で好きなんだけどねぇw
あらすじだとわかりにくくなってしまいましたが、この映画の主人公はラケーシュであり、彼が登場するまではサットゥが主人公みたいな扱いとなっていて変則的な立ち位置です。ちなみにサットゥ君は前半でフェードアウトして、後半はほぼ空気です。全体を通してキーパーソンではあるかな。
お話最後まで頑張ったんですが、少々難しかったです…。インドの大学受験の仕組みをわかってるようなわかってないようなところで、それにヒンディー語も英語(字幕)もネイティブ並みのスキルじゃない点が足を引っ張ってしまったかな。いつもより多めに英単語調べながら観たんだけどな。日本語だったら君ともうちょっと分かり合えたかもしれないね…。特に後半はMBA試験の話も出てくるんですが、そうなるとさらに何やってんのかわからなくなってきて…。観た後でじっくり考えて「あれはそういうことをしてたのかな」みたいな憶測はできるけど、観ている最中に判断付かなかったらそれはもうこちらの負けな気がするw というわけでヒンディー語も英語も得意でないという人にはキツいかもしれません。
ラケーシュは替え玉受験の主催者で、詐欺師みたいな人です。主人公だけどやってることは悪役に近い、アンチヒーローです。
本作が子供の教育問題、特に試験に焦点が当てられていて、それに対して悪をもって疑問を提示する、といった図式、なんですが、ストーリーはちょっとうまく作用しなかったかもです(笑)。ラケーシュが暗躍したことによって物語の中で社会がいい方向に動いたかというと全然そんなことなかった印象ですw ラケーシュの行為は結局社会から見たらほぼほぼ「やってはいけない行為」であり、ラケーシュが逮捕されないのは民衆から支持されるような義賊だからではなく、強力な後ろ盾を用意してあったからというところが、ヒーローとしての存在ではなく単なる不正者ということを浮き彫りにしています。
なんだったらもうちょっと振り切ってラケーシュが悪魔的にヤバイサイコパスみたいなキャラクターだったら強力な筋立てにできたかもしれないし、もしくは逆に裏ではめちゃめちゃいい事やってました社会をひっくり返すぞ~!な話だったらもうちょっとテーマとリンクできたかもしれません。イムラーン、倫理観すっぽ抜けつついい人であることを捨てきれないキャラクターよくやってる。ワイが観るやつだいたいそう
メガネ&ヒゲのビジュアルはなかなか良かったです。
社会問題については、映画の最後にも「受験者の不正行為」「学生の自殺」「工学部学生の就職」などについて触れています。試験のビジネス化にも触れられていました。
ちなみに、大学受験がテーマの話だと『Super 30』あたりがオススメです。どちらも日本で言う予備校みたいなのが出てくるのが共通してます。
理解度の深さと関係なく、オチが唐突でした。あれは全体を理解できていたとしても唐突感が拭えないと思うな…。最後の最後が急にすっ飛ばされた感じがします。もうちょっと主人公が思慮に耽るシーンとか挟んでからオチでもよかった気がするなぁ。いやしかし、イムラーン・ハーシュミーの映画だと考えるとこのくらいの出来がいつものやつって感じで違和感ないかなw
インドの教育問題に興味がある人は観てもいいかもです。
リンク
「Dil Mein Ho Tum」
お相手の女性はAmazon Primeシリーズ『The Family Man』にご出演のシュレーヤー・ダンワンタリー
「Kaamyaab」
不正受験のご様子
「Phir Mulaaqat」
女性関係も"Cheat"気味だった主人公よ…