インド映画でちょっと休憩

インドに愛を込めて

ハーティー 森の神

2021年公開

出演:ラーナー・ダッグバーティ

   プルキト・サムラート

   ゾーヤー・フサイン

監督:プラブ・ソロモン

言語:ヒンディー語+日本語字幕

時間:161分

媒体:スクリーン

 

あらすじ

人々に”森の神”と尊敬されるスミトラナンダン(ラーナー・ダッグバーティ)は、国営公園の深い森の中で動物や植物を護りながら暮らしていた。

しかしそんな森に、侵略者がやってくる。彼らは環境大臣の抱える夢のために、森の木を伐採し、街を作ろうとしていた。そのエリアには先住の象たちの水飲み場もあり、スミトラナンダンは侵略者を追い払おうとするが、彼らは偽の開発許可書を使って強引に開発を進めてしまう。

この森は元々スミトラナンダンの先祖の土地で、自然を守るために国に譲渡されたものだった。国が森を維持してくれないのであれば土地の権利は自分のもとに返ってくるとして裁判を起こすスミトラナンダンだったが、侵略者たちは慣例として判決が出るまであまりにも長くかかる裁判を逆に利用し、その隙に土地開発を進め既成事実を作ってしまう。また、嵌められたスミトラナンダンは裁判で精神異常とみなされ、投獄されてしまい──。

 

いろいろ

インドでは3パターンあり、タミル語版『Kaadan』・テルグ語版『Aranya』・ヒンディー語版『Haathi Mere Saathi』で、日本で公開に至ったのはヒンディー語版となります。リメイクではなく同時に制作されたバイリンガル作品で、主演はどれもラーナー・ダッグバーティですが、脇役の一部は言語バージョンに近い役者が交代して出演しています。監督は主にタミル映画を手掛けている方です。

この2人はヒンディー版のみ

 

最初からぶっちゃけますが、正直他にも優れたインド映画はいくつもあるのになぜこれが来たんだろう…って感じの出来でした。人生ワーストレベルの『Yaariyan』『ラクシュミー 女神転聖』よりは各段にマシではありますが。

コアなファンが数ある英語字幕版インド映画からこのレベルに当たるのはよくある話なので観てもそう悪い印象はないんだけど、まだまだ数の少ない"日本で公開されたインド映画"のラインナップにこれが入ってふとした時に代表になるほどのクオリティはないな、って感じです。うーん、例えば誰かがこれを初めてのインド映画として観て、インド映画の総評にされたくないって感じです。

 

ラナさんは割とよかったです。インド映画のヒーローっぽくないキャラクターが特に。ちょっと挙動不審なところとか、モテる感じが全くないとか。

ちなみに服着たターザンって感じでした。

 

ラナさんは楽しめたんだけど、それ以外がどれも力及ばず。

特に私は映像が気になっちゃうタイプなんだけど、物理的に撮影が難しかったのか、象たちとスミトラナンダンは森の中で共生しているっていう設定なのに合成シーンが多くて、GCシーンになる度に"ナチュラル感"が足りなくて萎えてしまったり、

プルキト君演じる象使いシャンカルの前半の所業がアカンすぎたり(プルキト君好きなんだけどなぁ)

森に潜むナクサライトたちが若干短絡的だったり…

どれも面白い方向に持っていけるポテンシャルはありそうなのに、それができていなくて、インド映画の悪い意味での"雑さ""しょぼさ"が悪い方向に出てしまったなぁ、と思いました。

インドのCG技術ってハリウッド映画にインドの人参加してるからできると思うんだけど、国外向けと国内向けだとクオリティ違うんだろうか…?国外・国内向けで会社がちがうとか?

 

プルキト君なぁ、もうちょっとうまくやったらこの映画の「可愛い枠」で好印象ゲットできたと思うんだけどなぁ、前半がダメすぎて…。

 

まあ公式見る感じ「バーフバリの悪役で人気を博したラーナー・ダッグバーティの主演最新作」が一番なんだろうな、と思われるところだし、かわいいゾウさんも居てそこそこ楽しめるならいいのかもしれない。個人的には人気俳優ありきじゃなくてまだ一度も上陸してない俳優のやつとか、ストーリーが評価されたやつとか色々来てほしいなという思いもありますが、人気俳優じゃなくなると客が入らなくなるリスクがでかくて公開ゼロになってしまうよりは、1つでも多く公開機会がある方が全然マシです。

 

リンク

予告編

 

人(=ラナさん以外の人)がいないシーンはよかった

「Shukriya」

 

「Ae Hawa」

 

おまけ

ヤバイ警察の人役はアヌラーグ・カシュヤプもめちゃめちゃ上手く演技できそう。