インド映画でちょっと休憩

インドに愛を込めて

パッドマン 5億人の女性を救った男

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2018年公開

出演:アクシャイ・クマール

   ソーナム・カプール

   ラディカー・アープテー

監督:R.バールキー

言語:ヒンディー語+英語字幕

時間:140分

原題:Pad Man

 

あらすじ

ラクシュミーことラクシュミーカーント(アクシャイ・クマール)はガヤトリー(ラディカー・アープテー)と結婚した。この新婚のカップルはお互いを慈しみ、幸せな生活を送っていた。ラクシュミーは仕事柄、ガヤトリーのためにタマネギ切り機や自転車の後部座席を作るなど、機械を使って生活を便利にすることを得意としていた。

ある日、ガヤトリーがベランダで生活することを余儀なくされる。それは月に1度の月経期間によるもので、この村の女性たちは皆行っていることであった。それだけではなく、ガヤトリーが月経に清潔ではない布を使用していることにラクシュミーは戸惑う。ラクシュミーはお店で買った生理用ナプキンを渡すが、1パック55ルピーの高値に驚いたガヤトリーは受け取ろうとしなかった。しかし、汚れた布を使い続けることは病気を引き起こしやすいと医者から聞いたラクシュミーは、どうしてもガヤトリーにナプキンを使ってもらいたかった。原因はナプキンが高価なせいであると考えたラクシュミーは、知り合いから譲り受けたコットンとその他材料を使って安価なナプキンを作る。しかしそれはガヤトリーにとって決して使えるクオリティーではなかった。ラクシュミーは困った結果、改良のために周りの女性の協力を求めるが、誰一人としてラクシュミーの想いを理解してくれる人はいなかった。この村では生理自体が女性にとって恥ずべきもので、タブーであったからだった。ラクシュミーは自らが実験台になりナプキンを開発しようとするが、それが皆の知られることになり、とうとうガヤトリーは実家に帰ることになってしまう。そしてラクシュミーも村を出て行く。

ラクシュミーは新しい場所で心機一転、いちからナプキンの開発に挑むが……。

 

いろいろ

ドチャクソ良かった……ッ!!

常にクライマックス的な!なんかどこもいいシーンだしさっ!

それでもって難しい用語はそんなに出てこないからだいたい理解できて疲れないし!

 

…ていうか日本で公開おめでとう!

邦題は『パッドマン 5億人の女性を救った男』だそうです。

制作にソニーピクチャーズが関わってるから日本でも公開なのかしら!

評判いいものが日本でもちゃんとやってもらえるのうれしいね!!

スクリーンで観られるし、頑張って英語字幕で観る必要ないし!(観たけど!)

 

 

インドで実際にあった出来事と人物をモデルにした物語です。(細かく言うと、アクシャイの奥さんが書いた「The Legend of Lakshmi Prasad」という本の中の「The Sanitary Man of Sacred Land」という短編の映画化)

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そして、生理用ナプキンがテーマです。(↑の写真でお花が乗ってるのがそれ)

主人公のラクシュミーが、ナプキンの開発と、社会の目と戦います。生理って日本で暮らしていてもちょっと話題にし辛いものなのに、こっちより女性が抑圧されてるインドの田舎でこんな人が立ち上がっていたのか、と驚きました。

 

ガヤトリーがラクシュミーの元を離れるときに言った

「女性にとって恥より大きな病気はない」

という台詞が印象的でした。

これを、夫の前で、泣きながら、声を震わせながらいうガヤトリーが…。

ガヤトリーの言ったとおり、実際ラクシュミーはナプキンを開発することより、男としての立場から女性の理解を得ること、生理についての世間の考え方を変えることの方に苦労していました。たった一人でやっていた頃はすべてが空回りで、挙げ句の果てには気が触れたとさえ言われる始末。ラクシュミーが社会を変えるには、大きな壁がありました。

ここにいる女性たちにとって、身体の病気より、衛生面より、なによりも名誉と恥が活きる上で重要な位置にあって。

ラクシュミーの気持ちもわかるけど、ガヤトリーの気持ちもすごいわかる…。「伝統的」なこの村で、自分自身は夫にそんなことは望んでいないのにガヤトリーのためだということで聞き入れてもらえず、なによりここで暮らす女性にとって一番と言っていいくらい触れられたくないことで夫が周囲から非難され。自分の身にこんなこと起きるの耐えがたい。

胸が締め付けられる思いになります。

 

実際に認められている人物をモデルにしているので、もちろんそういった苦しい部分だけではなく、ここから彼がどういう軌跡をたどったかが綴られていきます。それは新たな出会いであったり、彼自身のパーソナルな部分であったり、いろいろあるわけですが、この辺りも凄く良かったです。

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どれだけ躓いても行き詰っても、決して一度もあきらめようとしなかったラクシュミーの心に胸をうたれました。むしろ映画の中でそこに一番感動したかも。どんな偶然もアイデアも、ラクシュミーの強い意思があったからこそ生まれたものだから。

 

久々に万人にオススメしたい映画でした。

 

リンク

予告編

「Aaj Se Teri」仲むつまじい新婚さん♪

「The Pad Man」ヒーローソング!