インド映画でちょっと休憩

インドに愛を込めて

iSmart Shankar

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2019年

出演:ラーム

   ナバー・ナテーシュ

   ニディ・アガルワール

監督:プリー・ジャガンナート

時間:130分

言語:テルグ語+英語字幕

媒体:オンライン配信(Zee5)

 

あらすじ

カシ・ヴィシュワナートという有名な政治家を殺したことによって収監されていたウスタード・イシュマート・シャンカル(ラーム)が脱走する。シャンカルは大切な恋人チャンドニー(ナバー・ナテーシュ)がいたが、彼が逮捕される際に襲撃を受け、不運なことに死亡してしまっていた。当時シャンカルは彼女と逃亡中だったため誰かが彼の居場所を警察に漏らしたものと考え、殺されたチャンドニーの復讐のため黒幕を追い始める。

一方で、CBI(インド中央捜査局)捜査官のアルン(サティヤデーヴ・カンチャラーナ)もカシ・ヴィシュワナート殺人事件を追っていた。アルンは、いちチンピラにすぎないシャンカルが政治家を殺したのは裏で誰かが糸を引いているためと考え、一人で黒幕を探っていた。

シャンカルもアルンも、ジャマールという人物の存在にまでたどり着く。しかしジャマールのいるアジトで2人がハチ合わせしたとき、ジャマールはすでに殺されていた。罠だと気付くも時すでに遅し、2人を狙うグループが襲撃を始める。銃撃戦の末、多勢に無勢だった2人は負傷。シャンカルは一命をとりとめるが、アルンは死亡してしまう。

2人を保護したCBIは、アルンだけが記憶していた捜査情報を欲しがる。ちょうどアルンの彼女"ピンキー"ことサラ(ニディ・アガルワール)は脳科学者で、脳の記憶伝達について研究しており、ネズミの記憶移植実験に成功したところだった。アルンの上司はサラにアルンの記憶をシャンカルに移植することを指示する。人間に対しての臨床試験はまだだったが、初めて手術が行われる。

移植後まもなくシャンカルは意識を取り戻す。CBIの管理下に置かれていることに気が付いた彼は逮捕を逃れようとまた逃亡を図るが、脳に違和感を感じる。頭痛や電気が走るような感覚や、見知らぬ人物の映像が脳内を駆け巡る。さらには襟首にSIMカードが入るスロットのような穴が開いていた…。

 

いろいろ

めっちゃ面白かった!

年間ベスト10に入れる勢いで面白かった!

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はじめ観ようと思ったのは予告に入ってたダンスを気に入ったのがきっかけで、事前にストーリーはあんまり知らなかったです。でもなかなか面白かった。オリジナルアイデアではないみたいだけど、展開の速さとかアクションとか含めて総合的に楽しめたから、まいっか(笑)。

 

なんと、SFアクションです。医療系の話ってSFでよいのかしら?脳科学だから合ってるのか。

脳に他人の記憶が入るって、インド映画だと珍しくてハリウッド映画が好きそうなネタ。もしかしてその辺からアイデア拝借したのかな~~??わかんないですが。

しかも襟首にほんとカードスロットのような穴が開いてしまって、人造人間みたいな事態に。"ダブルSIMカード"な主人公。穴が開いちゃうテルグスター、記憶だと見たことない。あ、でも顔がすり替わっちゃうのならあったな!

それとチンピラが主役でコテコテでありつつ映像は科学的なところもあり

なのでちょっと新鮮な感じがしました。

 

初めてのラームくんでした。はじめましてこんにちわ。

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シャンカルは生粋のチンピラでイキがってたけど、ラーム君のお顔の可愛さがにじみ出ていました…かわいこちゃん…。めっちゃ髪の毛立ててるけど可愛い…。

"エナジェティックスター"という冠名よろしく、めちゃめちゃ元気くんでした。

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この派手さよ。

 

ヒロインは2人でした。

画像だとナバー・ナテーシュあんまり可愛くないなと思ってたけど、映像だと普通に可愛かった。建設のお仕事に就いてて、ヘルメット姿がとても良い。あとシャンカルに対抗する威勢の良さが合格点。

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もう一人、ニディ・アガルワールは『Munna Michael』でデビューした子ね。つい最近『Munna Michael』を再鑑賞したばかりだったからタイムリーだった。

 

ここにおける記憶の移植は、脳の持ち主の記憶が移植されてきた記憶に上書きされてしまうという設定で、手術の成功=シャンカルの記憶の死という図式。自身の記憶がなくなるという話は『Ghajini』の10分しか記憶を保てない悲しいお話を思い出します。『iSmart Shankar』は状況こそ違うもの『Ghajini』のような切ない部分をも持ち合わせていて、シャンカルでいようとするシャンカルが、次第に脳内をアルンが占める割合が大きくなっていくにつれ、自分の記憶の中にしかいない恋人チャンドニーがいつ消えて思い出せなくなるのか、というシリアスなストーリーでもありました。シャンカルは殺人を犯した人間であってCBIにとってはただの犯罪者でも、彼なりに大事なものを抱えていると考えると、彼をこういうことに使っていいのかというちょっと人権のことをぐるぐる考えてしまいそう。

 

 

とはいえ目まぐるしいスピード感に乗せられて、あんまり考え込む前に次の展開!って感じでいやほんとまさにジェットコースター。アクション!ダンス!しんみり!アクション!ダンス!!わんこそばかな!!?

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あと最後のシーンがめっちゃインドだった。さっき書いた通り脳科学的なところがアメリカっぽいなって思ってたところ、オトシマエは骨の髄までこってりインドみたいな。圧倒される迫力だったー!すげー!

 

賑やかなのとかアクションが好きなら超オススメの映画です!

 

リンク

ダンスどれも激しくて好き~ これこれ~!って感じ!

 

タイトルソング

 

血の気がすごい「Bonalu」

 

忙しくないソングシーンもあるよ

「Zindabad Zindabad」

 

おまけ

"iSmart"は英語の"スマート"と同じ意味なんだけど、訛りが強い感じ。ちょっと前にタミル語の先生に、「Sから始まる英単語の前にiの音が入る」のを教えてもらったことがあって。他に"school"は"ィスクール"ってなるらしいよ。テルグもそういう訛りがあるのをこのタイトルで知ってちょっと嬉しかったw

シャンカルは名乗りで「いしゅま~と」って言ってました。