インド映画でちょっと休憩

インドに愛を込めて

Lai Bhaari(素晴らしき)

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2014年公開

出演:リテーシュ・デーシュムク

   ラディカー・アープテー

   シャラド・ケールカル

   ジェネリア・デスーザ(特別出演)

   サルマーン・カーン(特別出演)

監督:ニシカーント・カーマト

言語:マラーティー語+英語字幕

時間:158分

 

2019年に出した同人誌『インド映画でちょっと休憩』で書き下ろしたものの再録になります(加筆あり)。

 

あらすじ

町の名士プラタープ・シンスミトラー・デーヴィー夫妻の間には結婚以来9年間子どもができなかった。子どもを強く欲した彼女は、パンダルプルにある寺院で祈ることを勧められる。スミトラーは寺院を訪れ、神様に最初の息子を献上することを約束する。祈りの甲斐あって、スミトラーはすぐ赤ん坊を授かった。しかしプラタープは彼女と神様の約束に激怒し、家を出て行ってしまう。
スミトラーは出産後、赤ん坊が家に居ることを夫に伝える。夫婦は仲直りし、夫が帰宅。赤ん坊にアバイ・シン、愛称プリンスと名付ける。そして夫婦はまた一緒に暮らすことになった。
25年後、プリンス(リテーシュ・デーシュムク)は海外留学から帰国する。プリンスにはいとこのサングラム(シャラド・ケールカル)がいたが、彼は農民から土地を搾取しようと理不尽な暴力を働いていた。プリンスは父親を通してやめさせようとするが、その翌日父親は急死してしまい、突如プリンスは父親の代わりに会社を継ぐことになった。プリンスを邪魔に思っていたサングラムたちは、とうとうプリンスを事故死とみせかけ殺してしまう。またプリンスが生前騙されサインしていた書類を盾に、スミトラーたちが暮らす家と財産を没収してしまう。
スミトラーはなぜこんな試練を課さられるのか、あの寺院の神様へ訴えにやってくる。そこで、プリンスにそっくりな姿のマウリ(リテーシュ・デーシュムク2役)という男が現れて──。

 

いろいろ

これまでボリウッドで主演や助演で活躍していたリテーシュが、マハーラーシュトラ州(彼の出身地でボリウッドのお膝元)の公用語・マラーティー語映画にデビューということで話題になりました。話題性だけでなく内容も好評で、当時のマラーティー映画界で最高の興行収入を記録。ちなみに監督は『Force』『Drishyam』などヒンディー語映画もいくつか手がけています。

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殺されてしまった男の代わりに別の人が悪と戦うお話です。筋書きとしては代理リベンジ=復讐っぽいのですが、プリンスとマウリのちょっと複雑な関係性、またマウリの動機はプリンスではなく、悪に虐げられる農民たちにあるため、純粋な復讐とは違う展開になっています。


リテーシュは無垢なお坊ちゃんのプリンス、複雑な環境にいるマウリとの2役。今までリテーシュのアクションヒーロー役は観た事ありませんでしたが、この時既に映画キャリア10年、さすがの安定感で楽しませてもらいました。特にマウリのキャラクターが、敵の一歩先をいく知恵や大人数に引けをとらない強さ、それにちょっと軽そうなところが似合っていてかっこよかったです。

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ヒロインはラディカー・アープテー。現在の存在感と比較すると没個性ヒロイン感はありますが、元気ハツラツ系でかわいいです。あと登場するたび変わる衣装が、極彩色で目移りするほど魅力的でした。

あとは、本作のプロデューサーでリテーシュの奥さんジェネリア・デスーザや、サルマーン・カーンが特別出演。豪華だ…豪華すぎるぞ!!

 


ボリウッドに引けを取らないクオリティで見ごたえ充分な映画。ちなみに特にアクション面で南インド的濃厚さも感じられる内容です。

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リンク

「Mauli」

 

「Aala Holicha San」

 

「Ye Na Sajana」

 

おまけ

その1

「Lai Bhaari」は「非常に」とか「とても良い」って意味だそうです。(ブログタイトルのはいつも通り私が勝手に付けたやつ)

その2

冒頭に出てくる大行列は多分マハーラーシュトラ州のパンダルプール巡礼。

その3

本作のヒットを受けてかリテーシュ主演でアクション映画『Mauli』が制作されています。ストーリーの繋がりはありませんが色々要素は引き継いでいました。