インド映画でちょっと休憩

インドに愛を込めて

Aelay

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2021年公開

出演:サムドラカニ

   マニカンダン

監督:ハリタ・シャミーム

言語:タミル語+英語字幕

時間:2時間31分

媒体:Netflix(英語設定)

 

あらすじ

ムトゥクッティ(サムドラカニ)が死んだ。息子パールティ(マニカンダン)はチェンナイから駆け付けるが、仲がいいとは言えなかった父の死に顔を見ても冷静であった。

パールティは父と暮らした日々を思い出していた。──ムトゥクッティは妻を病気で亡くしてから、男手一つで娘と息子を育てるシングルファザーだった。しかし彼は子供たちにとって決していい父親とは言えなかった。町を練り歩いてアイスを売る傍ら、悪戯や飲酒をしては、子供たちに迷惑をかけていた──
葬儀は淡々と進んでいく中、長男として儀式を行うため、家を離れたパールティ。しかし皆が目を離した隙に、遺体が忽然と姿を消してしまい…。

 

いろいろ

サムドラカニさんがアイス売りのオッサン役ってだけで味があるじゃん…最悪話が面白くなくてもお得じゃん…って思って観ました。

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村で繰り広げられるハートフルなコメディかな…とか、父が死んで父への認識が変わる話かな…って思って観てたら、全然違った!クズなじじいと反面教師にして育った真面目な息子と、ユルい周囲の人たちの、なんやかんやバタバタするシュールコメディだった!

おもろかったです。これが年始一発目の鑑賞でよかった。

 

葬式の参列者が自由。田舎なので半分くらいは爺さん婆さん。全体的にみんな悲しんでるのか悲しんでないのかわからないww泣き屋っぽい婆さんが隠れてタマリンド食べて金歯がどっかに飛んで行ったって言って途中退場したり、今にも死にそうなヨボヨボジジイがムトゥクッティの棺桶(神輿みたいなやつ)に乗ってはしゃいでたり。

故人を座らせて2ショット写真とか撮るんですね…これは初めて見た。みんな入れ替わり立ち替わりでカメラマンさんに撮ってもらってた。セルフィーは怒られてた。なんでや。カメラマンもセルフィーもどっちも写真には変わりないだろうよ。

ツッコミらしいツッコミがいない(パールティがぎりぎりツッコミ役)ボケまくりコント葬式を観ている気分になってしまうのでどこまでがリアルな描写かは分かりませんが、タミル地方のお葬式がじっくり見れたのは興味深かったです。

 

 

ま~とにかくサムドラカニ演じるおやじがクズ!でもキャラが立ってて映画的にはそこがいいんだよな~~。

映画を通してなら笑えるけど、絶対周囲には居てほしくないタイプ(笑)。まだ子供だった頃のパールティとその姉さんが、父のために流した涙が無駄になってあっけに取られたときの顔がなんとも言えぬ…。

かなり子供っぽいです。息子の方がずいぶん大人です。

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ちなみに親子仲良くアイスを食べるシーンは多分なかった。ベタベタしない父と息子だもんそんなもんで十分。

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『Aelay』はティルネルヴェーリ地区のスラングで、声掛けの音らしいです。アイス屋さんの名前で、ムトゥクッティの自転車に載せるアイスの箱に書いてある"ஏலே"がそれ。

 

最後だけちょっと冗長だったんだけど、でもそこ削ったら話がシンプルすぎるかなという気持ちもあり、まあ最後までちゃんと見せてくれたってことでw

あとピュアッピュアなパールティのラブストーリーが挟まれるので、俺も高校生の時こんな恋愛したかったなって思いました。女子校だったけど。

遺体が行方不明になってから先の、「そっちの方向の話なんか~い!」ってところが一番面白くてネタバレなので、喋りたい気持ちはありつつ我慢…。ハートフルのようでそうではない、思い出に浸ってそうで浸るような思い出じゃない、人生見つめ直しもあんまりしてない、しかしちょっと笑って泣いて楽しい作品。ナイスじじい映画でした。オススメ!

 

リンク

予告

 

「Muthukutti Settai」トラブルメーカー ムトゥクッティ

 

「Seevanuke」ピュアを見せつけてくれるじゃねぇか…