
2025年公開
出演:スーリヤ
プージャー・ヘーグデー
ジョージュ・ジョージ
ジャヤラーム
カルナーカラン
監督:カールティク・スッバラージ
時間:168分
言語:タミル語+英語字幕
媒体:スクリーン
あらすじ
育ての母を亡くし、養父の用心棒として育てられた孤児のパーリ(スーリヤ)。養母の葬式で出会ったルクミニ(プージャー・ヘーグデー)と“非暴力の誓い”を交わして結婚式…と思いきや、そこで養父との暴力沙汰になる。それが原因でルクミニに見放され、また彼は投獄される。
数年後、彼はルクミニが獣医として暮らすアンダマン諸島を目指すが、そこにはパーリが今まで知り得なかった運命が待ち受けていた。彼が出生時から腹部に持っている槍のような傷跡とも関係があり…。
いろいろ

カールティク・スッバラージ監督が『ジガルタンダ・ダブルX』的な“外連味”と“古風なレトロ感”をうまく融合させた、ちょっと異色だけどタミル映画の王道ヒーロー譚でもある一作。初手で投げられた設定が最後できれいに回収される丁寧さ…そこもカールティク・スッバラージ監督の持ち味ですね。
敵キャラ・マイケルに注目。若手っぽいのになんか演技が上手くて、「あれ、この新人ではないのかな?」って思ったら、なんと『ジガルタンダ・ダブルX』のあのシェッターニ役と同一人物らしい!見た目の変わりっぷりが信じられないくらい別人で、初見で調べずに見破れる人ほんと少ないんじゃないかなw

左から右に変われるとは思わないじゃん…。マイケルは最初ヒンディー圏から来た俳優さんかと思っちゃった
ちなみに、前日に観た『HIT 3』と似たようなシチュエーションがあってついつい重ねちゃったのも正直なところ…。同じ日に続けて観るのはちょっとおすすめしづらい、間に全然違うジャンルを挟むほうが作品をじっくり味わえるかもなのでお勧めしやす。まあさすがにはしご上映とかじゃないと連続してみる機会ないとは思いますが…。
それから、神話のクリシュナ神とカンサ王がストーリーのベースになってるのではっていう話を聞いてなるほどと。神話を知っていたらすぐわかるらしいです。やっぱり神話に詳しくない自分一人だと深い意図まで到達できないな〜と痛感です。もっと精進せねば。ちなみに映画の冒頭でちらっと説明されていて、そんなにネタバレ要素ではなさそう。
『Retro』は「古きタミル映画らしい趣き」と「現代的な映像美・音楽・パフォーマンス」「神話的要素」「無骨なアクション」をブレンドした、見応えのある作品。インパクト強めの要素が多くて少々撮っ散らかってしまった印象が残るものの、スタイルとしてはまさに“カールティック・スッバラージ的”。
特にマイケル役の変貌っぷりとスーリヤの多面的な魅力、15分ワンカット長回しの演出など、見るべきポイントは多いです。観終わった後、語りたくなる余韻を持つ作品。
リンク
予告編
「Kanimaa」特に細かいカットになりがちなダンスシーンであえての長回し!
「THE ONE」本編にない映像ありのプロモビデオ
「Maar Ka Kahla」