2020年公開
出演:ヴィクラント・メーシー
シュウェーター・トリパーティー
コーンコナー・セーンシャルマー(特別出演)
監督:アラティ・カダヴ
言語:ヒンディー語+英語字幕
時間:113分
媒体:Netflix(英語設定)
あらすじ
死んだ人間はまず此処に送られる─。
死者を次の世界に連れていくためのサービス行う組織で働く、宇宙飛行士のプラハスタ(ヴィクラント・メーシー)。彼の担当する仕事は、運ばれてきた死んだばかりの人たちに対して、死因の治癒や記憶の消去を行い、生まれ変わる世界へと送り出すこと。彼は宇宙に浮かぶ年季の入った宇宙船でたった一人で暮らしていた。
ある日、本部からアシスタントが送られてくる。やってきた新人ユヴィシュカ・シャルマー(シュウェーター・トリパーティー)は、身体の悪いところを治癒する超能力を持っていた。壊れかけた治癒機の代わりにユヴィシュカが活躍するところとなるが、あらゆる死者がやってくるにつれユヴィシュカの気持ちは不安定なものとなり、超能力を発揮できなくなり…。
いろいろ
めちゃめちゃ独特な設定の映画でした。
ヴィジュアルはSFなんだけどそこにインドの宗教思想や死生観を絡めた結果、出来上がったのは超個性的な宇宙観。
75年物の宇宙船(多分75年って言ってた…もしくは75年製?)はスイッチがパネルじゃなくてボタンだったり、TV会議はブラウン管のモニタだったり、サイズばかり嵩張る機械だったり、レトロなデザインがノスタルジック。主人公もベテランさん。そんなところに新人アシスタントがやってきて、新しいものが入り込んでくる宇宙船。生と死の位置にある世界だし、「対比」って感じがしました。
運ばれてくる死者たち(多分これが"Cargo")はそこそこ個性的な人が多くて、いちいち人生を振り返ることは映画ではやらないけど、主人公たちに何か印象付けて去ったり爪痕を残して行ったりとか。
冒頭の手品のおじいちゃん良かったな。鳩連れてきちゃってたもんな。
ちょっとだけ地球の場面もあって、そこは思い返せばなぜか突然死する人達ばっかりだったな。病気でゆっくり死んでいく人の場面はなくてついさっきまで超元気だった人の死ぬ直前のシーンばかりだった。ちなみに直接死ぬ場面が出てきたのはたった2~3人くらいだった。上の写真のおじいちゃんみたいにほぼ正常な姿で運ばれてくるので、グロいのはないと思って大丈夫だと思います。こう書いたら不謹慎だけど、死に方が面白い人もいた。死に方が面白いというか描き方が面白かったのかも。
そいえばこの仕事は漫画『死役所』がやってることに近いですね。
正直独特な世界観に英語字幕でついていくには難しいところがあって、宇宙船の中でのルーチンワークやプラハスタとユヴィシュカの会話を聞いて後半やっとなんとなくわかってくる感じでした。結局最後まで理解が及ばなかったところも多々ある。日本語字幕欲しいね。でもなんかちょっとシュールなこの世界観好きだなーって思いました。世界観にハマればいけると思います。
相変わらずヒンドゥー教には詳しくないので自分で拾えたのは表面的なところだけですけど、
この死者を送る事業自体が人間とラークシャサの冷戦に終止符を打つものだったり、ほぼ見た目人間だけど多分人間じゃない人とか第三の目を持つ上司が出てきたり、主人公の名前がラークシャサの戦士のそれだったり、アシスタントちゃんも戦士って意味の名前を持ってたり、しれっと果てしない年数が出てきたりとヒンドゥー教に詳しい人の解説があるともっと面白いかもなって思いました。
リンク
予告
本編はNetflixで英語設定にしてたら観られます
マーティン・フリーマンの同名タイトルもあるから間違えないでね。