2021年公開
出演:カディル
スーリ
ラハシャー・ゴーラク
アシュバット
ヴィヴェーク・プラサンナー
監督:プラバーカラン
言語:タミル語+英語字幕
時間:112分
媒体:ネット配信(Netflix)
あらすじ
兄アンブ(ヴィヴェーク・プラサンナー)のお見合い結婚のため、チェンナイから地元に戻って来たITエンジニアのアリヴ(カディル)。しかし兄はお見合い相手に秘密の恋人がいることを知り、直前に結婚を取りやめてしまっていた。
アリヴは帰郷すぐに人違いから殴って来た女の子アルナ(ラハシャー・ゴーラク)に一目惚れしていたが、その女の子こそ実は兄の元お見合い相手だった。アリヴはアルナの兄センディル(アシュバット)とアンブの間で起きたトラブルをきっかけに既にセンディルを殴ってしまっていたこともあり、アリヴは彼女に素性を隠して近づくが…。
いろいろ
『僕の名はパリエルム・ペルマール』のカディル主演のラブコメディです。
元々劇場公開を予定していたものの、例によってコロナ禍でTV放送が最初のリリースになったそうです。
主人公たちの原動力が恋愛関連なのでラブコメとしましたが、主たるテーマは兄弟愛にありました。弟アリヴと兄アンブは幼少期から仲が悪く、会えば喧嘩ばかりの関係でしたが、兄が元婚約者の家族に殴られたと分かると速攻仕返しに行くなど、実は大切に思っている節があります。そして後半はその辺りから兄弟の関係に変化が見えます。
一時期ラブコメの主流かと思うくらいよくあった「片方が片方に後ろめたい秘密を抱え、打ち明ける前に他の人にバラされ、2人の関係が破綻する」という展開に久しぶりに遭遇。ここ数年は主人公がむしろ打ち明けられる側だったり、双方で同じ悩みを共有していたり、そもそも冒頭から交際してずいぶん経ってるカップルだったり…な映画が多い印象です。ぶっちゃけまだ存在することにびっくりしたと同時に妙に安心感が(笑)。いやほんとこの映画人が死なないし色んな意味で安心感あるよ…最近人が死ぬ映画ばっかり観てたからね。
教育は受けてるけどおバカな主人公たちが繰り広げるナンセンスなあれこれを経て、コメディーらしく最後に盛大なオチがあって大団円に。オチがめっちゃ好きです。
スーリ氏の掛け合いも好きですねぇ。この人淡々と面白い事言う。
カディル「バスで揉めてる。スリがあったっぽいぞ」
スーリ「ないない。うちの村で金が入ってる財布持ってる奴なんか居ねえ」
ひどいディスりようww
インド映画によくある「主人公仕事してない」問題。後半からちょいちょい「あんたいつ仕事に戻るんだい」と色んな人から言われる主人公。そりゃそうだよ、兄の結婚式はなくなったのにいつまでもいるんだから周りは気になるわよ。しかし好きな女の子がいる地元からはこの恋が成就するまで離れられないのであった…。脚本でセルフツッコミされるこの視点は新しい。
気楽に楽しめる一本です。日本に来るような重厚かつパワフルなのは意義がありますが、一方でやっぱりこういう作品も時々箸休めに入れていきたい。
リンク
「Karichaan Kuyile」女の子を追っかけた結果おばあちゃんとラブラブになる主人公ww
「Theera Theera」
「Adhirum Veeradhi Veeran」たまに見かける虎ダンス!はタミル語で"Puliyattam"というそうです
おまけ
タイトルは果物ジュースを意味するアラビア語の「シャルバトشربت」からくるタミル語で、シロップジュースのことのようです。
ちなみに指してる飲み物の種類は変わってしまってますが、日本だと「シャーベット」の語源です。