インド映画でちょっと休憩

インドに愛を込めて

Gangubai Kathiawadi(ガングーバーイー・カティアワーリー)

2022年公開

出演:アーリヤー・バット

   シャーンタヌ・マヘーシュワリー

   ヴィジャイ・ラーズ

   インディラ・ティワーリー

   スィーマー・パーワー

   ジム・サルブ

   アジャイ・デーヴガン(特別出演)

監督:サンジャイ・リーラー・バンサーリー

言語:ヒンディー語+英語字幕

時間:154分

媒体:Netflix(英語設定)

 

あらすじ

裕福な家に生まれたガンガー(アーリヤー・バット)。彼女は女優になることを目指し、恋人ラムニーク(ヴァルン・カプール)と駆け落ちしムンバイに行く。しかしラムニークは結婚するつもりはなく、彼女を騙しカーマーティープラーの娼館に連れて行き、1000ルピーで売り飛ばしてしまう。逃げることも実家に戻ることもできなかったガンガーは、夢を諦め客を取ることとなった。彼女の最初の客に、源氏名「ガングー」を与えられる。

楼主シーラ(スィーマー・パーワー)に反抗的な態度を取り、次第に売春婦たちを引っ張る存在になったガングー。シーラの死をきっかけに仲間にお願いされる形で彼女たちを取りまとめる始める。彼女はガングーからガングーバーイーと呼ばれるようになる。

過酷な環境の中、売春婦たちを守るためカーマーティープラーのリーダーになることを目指すガングーだったが、この街には既にラズィヤーバーイー(ヴィジャイ・ラーズ)という強力なリーダーが君臨していて……。

 

いろいろ

1960年代に活動した実在の売春婦で社会活動家のガングーバーイーのお話です。ベースはフサイン・ザイディー著「Mafia Queens of Mumbai」の彼女についての章。

サンジャイ・リーラー・バンサーリーは過去2本の映画も歴史ものもしくは実在した人物を題材にしてましたが、ドキュメンタリータイプの映画は作らない監督なので、今回もおそらくけっこう脚色してるとは思います。ラズィヤーバーイーが実在しないっていう話もある…

ガングーバーイーの苗字っぽいところは色々あるみたいで、HarjeevandasだったりKothewaliだったりKathiawadiだったり。グジャラートにあるカーティヤーワール半島出身のガングーバーイーが名乗った一つがカティアワーリー。

 

 

ぶっちゃけた話、過去15年くらいのSLB監督の映画はウマが合わなくて、決別寸前までいってたんですけど、この映画は久しぶりに感触が良かったです。

なんといってもアーリヤーが演じるガングーバーイーのキャラクターが良かったです。投げキスとかかっこいい。

印象的な白いサリーの数々も素敵だったし。ガングーバーイーを気に入るかどうかが映画に対しての印象の半分以上を占めてそう。

どうしても楼主ってなると周りの売春婦より年いってて、恰幅がよく、ふてぶてしいイメージが強いですが、アーリヤーが演じる姿は華奢でまだ少女っぽいところもあり、見た目はあんまり貫禄なかったです。楼主のころより売春婦なりたてのティーンの頃の方がしっくり来る見た目。

見た目の代わりに度胸のあるキャラクターに合わせた演技とか、声を低くしたりとかでカバーって感じかな。

ガングーバーイーの「バーイー」は、ヒンディー王朝に属する女性*の名前に付けられる接尾辞で、敬称とかみたいなものかな。王族でなくても使われるの見かけるので、ある程度地位のある人とかまでは範囲ありそう。カーマーティープラーはムンバイにある街で、マラーティー語話者の間では「姉さん」っていう意味もあるらしいので、ガングーバーイーはガングー姉さん(マフィアに属してるからガングー姐さん?)っていうニュアンスに受け取っても問題なさそう。

*『Bajirao Mastani』のカーシーバーイーとか

 

ガングーバーイーを囲む若い俳優陣が、キレイ系・美青年系で妙に気になりました。監督があえてそういう系を集めたとかかな?

パワー系スターが主流のインドだとトップまでいけなさそうだけど、わたし的には好みwwwソフトな見た目のイケメン好き。ラムニークも主人公にやった仕打ちを除けば好みw

アフサーンはワンコ系彼氏で可愛かったです。幸せになっておくれ。

 

特別出演のアジャイさんがかっこよかった!監督作品は『ミモラ 心のままに』以来かしらね。

マフィアの親分、ラヒーム・ラーラーはカリーム・ラーラーがモデル。ガングーバーイーとは兄妹のラーキーを結んだ仲。ヤクザだと兄弟の盃交わしたみたいになっちゃうね。特別出演としてはまあまあ出てきてくれました。

 

ビジュアルのインパクトはヴィジャイ・ラーズのヒジュラー役でした。

出演時間多くはないけどなかなかの存在感。

 

 

マフィア映画の位置づけでマフィアと繋がりがある活動家の主人公ですが、売春以外の表立った商売はあまり出てこなく、闘う相手も政敵だったり地上げ反対的なところで、印象としてはあくまでも売春街で家族を守るために頑張った人の話というところで、あんまりマフィアとか犯罪の印象はないです。

しかしこの街に店を構えて売春婦を商売相手にしている職人からも、売春婦を目の前にして「売春婦とは結婚できない」という言葉が出てくるの、サラっと流されてたのしんどい。


SLB監督特有の、圧倒的にこだわった映像美は今回は抑えめでした。でも白や赤や色を印象的に使いこなしててよかったです。
これは台詞の方だけど「月の白、塩の白、雲の白、煙の白…」と続いて最後に「白鳥の白」が返ってくるセンス好きです。

 

 

リンク

「Meri Jaan」

 

「Shikayat」フマー!!

 

「Dholida」

 

リアルガングーバーイーの話

 

 

おまけ

『Gangubai Kathiawadi』納得いかないところ(ネタバレ)