インド映画でちょっと休憩

インドに愛を込めて

Beast(ビースト)

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2022年公開

出演:ヴィジャイ

   プージャー・ヘーグデー

   セルヴァラーガヴァン

   VTV ガネーシュ

   アンクール・ヴィカル

   ヨーギ・バーブ

   レディン・キングスレー

監督:ネルソン

言語:タミル語+英語字幕

時間:162分

媒体:スクリーン(Skipシティ)

 

あらすじ

カシミールでのスパイ活動中に子供を巻き込んで死なせてしまったトラウマを抱えたヴィーラ(ヴィジャイ)。その後彼はRAWの職を辞めてしまう。事故から11カ月後、パーティー会場で出会ったプリーティー(プージャー・ヘーグデー)が働く警備会社に雇われることになった。

オーナーの商談に運転手として同行したヴィーラ。訪問先のショッピングモールは駐車場の警備員の様子がおかしかったり、館内の電気設備や通信が機能していなかったため、ヴィーラは何かがおかしいと感じる。その時、モールに銃声が鳴り響き、密かに侵入していたテロリストたちが客を人質に取り占拠してしまう。運よくテロリストたちに見つからなかったヴィーラ達は人気のないバックヤードに隠れるが、彼もう自分がスパイではないと、テロリストに対抗する意思を見せなかった。

テロリストの要求は、ヴィーラがカシミールで捕まえたウマルの解放だった。モールの中にヴィーラが居ると感知した政府は、ヴィールを説得してなんとか中から牙城を崩そうとする。その時、表のエリアから子供の泣き叫ぶ声が聞こえてきて──。

 

いろいろ

Kolamavu Kokila』『Doctor』でシリアスとコメディをセンス良く混ぜ込みヒットを飛ばすネルソン監督、そしてタミルのスター ヴィジャイがタッグを組んだ新作アクションスリラーです。

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ちょっとここ最近に観たタミル映画の個人的不発が続いていたせいで、期待値若干下がり気味で観に行きました。でも楽しかった!!

監督作全部楽しいからなんかもう一生ついていきますな気分wネルソン監督特集上映してくれ!

 

立てこもりを内側から潰していくというのが良かったです。映画の多くの時間がモール占拠のシーンで、最初サクッとモール解放して普通に外にいる黒幕を倒しに行くのかと思ってたら全然違いました(笑)。ここまでガッツリと占拠のシーンに割いてるインド映画はあんまり観たことないというか、パッと思い出せない。(あ、『Gurkha』がそういうやつだったかも)

 

ネルソン監督の主人公、どれもだいたい笑顔が少ないんだけど、監督の趣味なのか、作風の一部なのか(笑)。

力技系コメディアンを複数そろえているのもいつも通り。コメディアンの人数がナンセンスコメディ映画のレベルなんよ。しかもみんなそれぞれコメディのタイプが違うし強烈にクセが強い(笑)。

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かと思ったらあっという間にテロリスト倒したり、銃口向けられて絶体絶命になったり…。嗚呼忙しいわね!どう見ても緊迫しないといけないシーンなのにコメディをぶっこんでくるその度胸と技量がとにかくすごい!

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ネルソン監督の次回作はラジニ様とだそうです。ビッグネームと組むことで階段を上っている感ありますね。『Beast』はネルソン監督の作風は維持しつつちょっとヴィジャイ色があったので、次作はどこまでラジニ様色が出るのか監督の作風が残るのか気になるところ。

 

ここ最近のインドのヒンドゥー・ナショナリズムを中心にしたキナ臭さがほんと苦手で、それでちょっとインド映画食傷気味なんですよ…。南インドのはヒンディー映画よりちょっとその色が薄いのでちょっと安心できるところがあるんですが、今回はイスラームandパキスタン=敵って感じをひしひしと感じました。一応、イスラーム教徒庶民を弱者として描写する部分もあったけど、割合としては『Sooryavanshi』の時のようにちょっと足りない。それなら、主役をムスリムにするとかしてもいいんじゃないか、って思うんだけどどうだろ。

そこだけ引っかかっちゃったかなー。

 

ヨギバブちゃんウォッチング

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ネルソン監督作皆勤賞のヨギバブちゃん。ミューズなんか?

今回はいつも以上にぶっちゃけいてもいなくても成立するところだったバブちゃんww

ヴィジャイ陣営という感じではなく、たまたまモールにいて人質の一人になってしまったお客さん。特に活躍はしません。逃げようとしても特に殺されないバブちゃん。

バブちゃんの連れはこれまたネルソン監督作常連のレディン・キングスレー。我が推しのおじさん。顔だけはキリっとした小さいおじさんです。2人で全く活躍しません。君らはなんだったんだ。『Doctor』の時の方が活躍してたと思うぞ!

 

リンク

予告

 

ダンスシーンは最初の方と最後に計2曲

「Jolly O Gymkhana」ゲストはネルソン監督、音楽のアニルド君、振り付けのジャニ氏。

 

「Halamithi Habibo」作詞はシヴァカールティケーヤン